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#物語

トランプの王様

(高校生が修学旅行でトランプの大富豪をしている。) 野口・3のペアであがりー! 金本・野口くん強いねー。 森・でも、大富豪って不思議だよね。 田村・何が? 森・いや、キングよりエースが強いでしょ。王様より強いって誰なんだろって。 野口・たしかに、エースはまだかっこいいけど2は2だもんね。2が一番強いの不思議だね。 森・3は俺として…金本くんは5くらいかな。 金本・いや、俺は7くらいでしょ。 野口・それはないない。森くんの方が人気だと思うよ。 田村・やめよー

『リトルキャプテン』 最終回 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

エピローグ  「僕は今まで自分の人生を選択していなかった。色んなことを国や社会や周りの人達のせいにばかりしていた。自分を大切にすることが、周りの人達を大切にしてゆくことにも繋がっているんだと思う。今僕には好きな言葉が三つあります。笑いたい人は笑えばいい。でも僕にとってこの言葉は宝物です。勇気、正義、愛」                  

『リトルキャプテン』 44 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 バトンの休日はいつも散歩から始まる。バトンは週に一度思考の整理をしていた。来週の予定や来月の予定をある程度組み立て、どうやって面白い日々を過ごそうか妄想するのであった。これらは自分に対する「やるべきこと」とか「義務や強制」ではなく、「こうであったら嬉しい」「〜だったら楽しそう」といった遊び心があるようなものばかりだ。これが意外にも良い未来を作り出すことをバトンは知っていた。  バトンは来週のジョーイの誕生日に、自分の作った詩をプレゼントしようと考えていた。以前ジョーイが作

『リトルキャプテン』 43 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 さっきまで静まり返っていたお店が今はとても賑わっていた。静かにコーヒーを飲んでいる一人の男を除き、全員が寄り添ってああでもないこうでもないと話している。メアリーはさっきの話の続きをするために、タイミングを見計らって男のところへ戻った。すると男は、みんなが話していたジョーイという男の子の話を聞かせてほしいとメアリーにお願いしてきた。 「変な話なんだけど、あなたが強盗に入らなかったらその子とも出会えなかったのよ。そしてあの子自身も今みたいに輝いていなかったと思う。私はあなたに

『リトルキャプテン』 42 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 「チリン!」店のドアが開いた。メアリーとその男は少し慌てて入り口を見た。「こんにちはー!」キャンディーをくわえたリックだった。「お店空いてるね、メアリーさん」「いらっしゃいリック、何にする?」「チョコレートパフェ!あ、このキャンディもう舐め終わるから大丈夫だよ。ハハ」リックはコーヒーを飲んでる男をチラっと見て、男から少し離れた席に座った。「チリン!」また客が来た。今度はマーク兄弟だった。「珍しいわね、この時間にみんな集まるなんて」メアリーが言った。「あれ?メアリーさん聞いて

『リトルキャプテン』 41 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

「そのコーヒーを飲み終えたら・・・」男はメアリーに話しかけた。「そのコーヒーを私が飲み終えたら警察に電話してください」メアリーは「ドキッ」とした。「もう気付いているとは思いますが、私はあの時の強盗犯です。今日はお金と指輪を返しにきました」男は自分のカバンから封筒と指輪を取り出し、カウンターの上にそっと置いた。「警察に捕まる前に、一つだけあなたに聞いておきたいことがあります」男は話を続けた。 「なぜあなたはご主人の大切な指輪を私に渡したんですか?」メアリーは気持ちを落ち着けて

『リトルキャプテン』 40 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

最終章 心の友  メアリーの店に強盗が入り、ジョーイがそれを目撃した日から半年が経とうとしていた。ある日曜日の昼下がり、ブラーニーカフェの店内は客が一人もいなく静まり返っていた。「チリン・・」「いらっしゃいませ」男性客が一人やってきてホットコーヒーを注文した。メアリーはこの男性を、以前どこかで見たことがあるような気がした。自分の店の常連さんでないことは解っていた。「どこかで会ったことがあるような・・」その時、メアリーのコーヒーを淹れている手が急に止まった。メアリーは思い出し

『リトルキャプテン』 39 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 自分のやりたいことを見つけたジョーイは素晴らしい毎日を手に入れていた。そしてなぜか学校も好きになり、友達もどんどん増えていった。両親も息子の変化には驚きを隠せなかった。学校へ行くのも、友達と遊ぶのも、バトンやバトンの仲間に会うのも、ジョーイはどれもこれも楽しめるようになっていた。もちろん空いた時間を使って、詩や物語も作っている。「いずれ自分の本を出すんだ」一つの目標がジョーイを突き動かしていた。両親、バトンの仲間達、学校の友達、みんながジョーイの夢を応援した。ジョーイは毎日

『リトルキャプテン』 38 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 どしゃ降りの雨の中、その男は歩道橋の上で立ちすくんでいた。「こんなはずじゃなかった、俺の人生・・」男の心の叫びだった。 妻は浮気をして家を出てゆき、知人には裏切られて多額の借金を背負うことになった。一気に訪れた不幸を嘆き、苦しみ、憎んだ。「こんな世界なくなればいいんだ」男は完全に負のスパイラルに巻き込まれていた。 たださっきから一つだけ気になっていることがあった。「カフェに強盗に入った時、なんであの女はわざわざ俺に指輪を渡したんだ?」 #小説 #長編小説 #物語 #ス

『リトルキャプテン』 37 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 「バトンさん!今日は急に呼び出してすいません。どうしても見てもらいたいものがあって・・」そう言ってジョーイはカバンからノートを取り出した。ジョーイの鼓動が少しずつ速くなっていった。興奮と緊張が入り混じっている。「実はこれ・・僕、詩を書いてみたんです」バトンとメアリーは驚いた。「わーすごいじゃん!読ませてもらっていい?」バトンはノートを手に取り詩を読み始めた。そして読み終えると「優しい詩だね、これ僕好きだな」そう言ってメアリーにノートを渡した。「すごい!ジョーイ君こんな才能あ

『リトルキャプテン』 35 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 翌朝ジョーイは目覚まし時計より早く起きた。こんなことは滅多にないことだった。そしてなぜか「ノートに何かを書きたい」という強い衝動に駆られていた。ジョーイは机に向かった。すると、溢れるように言葉がどんどん頭に浮かんできた。忘れないように、すぐペンでノートに書きつけた。ノートのあちこちに散りばめられた言葉をつなぎ合わせたりしているうちに、まとまった一つの詩のようなものが出来上がった。その詩ができた瞬間ジョーイは大喜びした。詩なんて書いたこともなかった自分が、たった今自然に作り出

『リトルキャプテン』 34 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 「好きなことをして幸せになれますように」これがジョーイのお願い事だった。バトンに言われたことをジョーイはすぐ実践した。少し前のジョーイなら、すぐ行動に移せなかったはずだ。これもメアリーやバトン、パーティーに参加していたみんなとの出会いによって、ジョーイの心が変化していったからだった。それから一週間が過ぎたある夜、ジョーイはいつもより夜更かししていた。時計の針が0時を差し、日付が変わった。ジョーイは幼稚園時代に、母親によく絵本を読んでもらったことを思い出していた。ジョーイは当

『リトルキャプテン』 33 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 バトンの話を聴いていたジョーイは、「僕も幸せを手に入れることができるんだろうか?」と考えていた。ジョーイとバトンの間に僅かな沈黙が生まれた。そしてバトンが口を開いた。「ジョーイ君、おめでとう!」「え?」ジョーイは何のことか解らなかった。「この話を僕から聞き出した君は、もうすでに幸せに向かって動き出してるよ。そして君の思った通りの人生が120%の形で実現するから安心してればいいよ」「120%?」ジョーイは首をかしげた。「あ、なぜ100%じゃなくて120%かというと、人間の夢に

『リトルキャプテン』 32 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 バトンの話を聴き逃さないようにしていたジョーイは、自分でも気付かないくらい集中していた。  「人間は自分の外側の世界に神様を見つけようとするんだけど、実は一人一人の心の中にいつも住んでるんだよね。じゃあ、なぜ幸せに生きてる人と不幸せに生きてる人に分かれるかというと、そのことを心から信じているかいないかの違いだけなんだ。もっとわかりやすく言うと、自分を信じることができるかできないかってとこかな。自分を信じている人の特徴は、生まれて来れたことに感謝していて自分をとても愛してい