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感触を楽しむ「洗濯ごっこ」で、子どもの育ちを支える——写真で知ろう!小規模保育【遊び】

子どもたちが、それぞれに好きなものに触れ、楽しめるようにした「洗濯ごっこ」遊び。保育士の想定を超えていく子どもの姿を見ながら、一人ひとりの「やりたい」に応える重要性を改めて確認しました。

<ちゃいるどらんど六丁の目南保育園/宮城県仙台市>

【参加した園児】19人(2歳児7人・1歳児6人・0歳児6人)
【参加した保育者】10人
【準備物】たらい/布/スポンジ/泡立て器/固形洗剤(泡遊び)、ロープ/洗濯バサミ(物干し)、牛乳パック/色画用紙(アイロン)、ダンボール/色画用紙/透明フィルム/柔軟剤ボトル(洗濯機)、たらい/綿/すずらんテープ(泡ごっこ)、クレヨン、シール

■ ねらいと配慮

日々の保育内容を考えるとき、「子どもたちの主体的な活動をどう保障していくか」を法人全体の大きなテーマとしています。小規模保育園に通う0〜2歳児の活動は、どうしても単発になりがちだからこそ、「次」に展開していけるような遊びのあり方について保育士間で議論をしてきました。

そうしたなかで、毎日の子どもたちの様子を見ながら構想したのが、『感触遊び』と『ごっこ遊び』を混ぜ合わせた「洗濯ごっこ」です。

たらいの中で、泡(固形洗剤をすり下ろし泡立てたもの)に触れながら布を洗ったり、洗濯バサミを使って干したりする遊びには、いろいろな感触を楽しみながらも、「丸める」「広げる」「つまむ」など指先を使う行為が含まれています。そこに加え、アイロンや洗濯機を手づくりして、普段の保護者の姿を想像しながら見立て遊びもできるよう準備しました

まずは年齢ごとに、そうした遊びを何度か行いながら、ある1日を「みんなで一斉に遊べる日にしよう」と企画。保育室と園庭にさまざまなコーナーを散りばめ、0・1・2歳すべての子どもたちが、思い思いに遊べる環境をつくりました。

■ 振り返り

子どもたちに目一杯楽しんでもらえるよう、素材をふんだんに用意して迎えた「洗濯ごっこ」の日。それまで使ったことのない綿、すずらんテープ、クレヨン、シールなどもあるなかで、子どもたちは一人ひとり、自分の興味があるものを手にとって楽しんでいきます。

アイロンや物干しのコーナーでは、2歳児さんたちが「おかあさんと一緒だ」などと言いながら、洗濯という行為そのものを見立てて楽しむ姿もありました。

一方で、当初保育士が予想していなかった姿もさまざまに見られました。洗濯機のおもちゃでは、柔軟剤をボトルごとポンと投げ入れて遊ぶ0歳児さんに刺激され、2歳児さんが真似をして同じ遊びを何度も繰り返す姿が印象的でした。

また、泡遊びの難しい0歳児さんに向けて……と思っていた「泡ごっこ」(たらいに綿などを入れたもの)のコーナーに惹かれたのは、ある2歳児の男の子。綿まみれになりながら、たらいの中で夢中で遊び続けてくれました。

特に今回、異年齢での関わりを多く持ったことで、子どもたち同士で見立て遊びをしたり、再現遊びをしたりする機会がこの活動の後に増えました。保育士との会話でも、「あのときこうしたから、次はこういうのをつくろう」と言って、生活の中に発展させていく姿も見られるようになっています。

0・1歳児さんたちにも、さまざまな感触を楽しむことを通して、初めて出会うものに嫌がらず興味を示したり、その後指先を上手に使えるようになったりする変化がありました。

■ 「小規模保育」としての視点

少人数の低年齢児に対し、職員を充実して配置できる小規模保育園には、独特のゆったりとした時間が流れています。その時間があるからこそ、子どもから自然に遊びが生まれていく過程を見守りやすかったり、一人ひとりが求めているものを読み取りやすかったりすることを、今回の活動で感じました。

一方で、小規模保育園には「3歳児以上がいない環境で、2歳児の発達をどう支えるか」という課題もあります。当園では認定子ども園との交流など活動の範囲も広げていますが、やはり大切なのは、子どもたちが「自分の思い」を反映できる活動を積み重ねていくこと。今回の活動を通して、そうした環境づくりの重要性を改めて感じました。

【園情報】
ちゃいるどらんど六丁の目南保育園(株式会社ちゃいるどらんど)
https://childland.net/
仙台市若林区六丁の目南町1-1
定員19名
小規模保育事業A型・管理者設置あり


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