どうして女性の離婚意思は翻らないのか?

拙著「本当にあったトンデモ法律トラブル」でも書いたように、女性が一度離婚を決意してしまうと翻ることは滅多にありません。

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それどころか、私の経験上翻ったことは皆無です。相談も含めれば何百件という離婚案件を扱ってきましたが、離婚意思を翻した女性はたった一人でした。その後一年以内に彼女も結局離婚してしまったので、少なくとも私の経験値では離婚意思を翻した女性は一人もいないことになります。

そもそも、男性と女性を私の経験値で比較すると、女性の方が男性よりも、はるかに環境順応能力が高く、機知に富み、嘘も上手です。

不倫が妻に見つかって、法外な条件で離婚された男性がいました。「条件が厳しすぎるのでもう少し負けてくれるよう交渉してほしい」と依頼されて調査を進めた結果、なんと彼の元妻も婚姻中に不倫をしていたのです。しかも、不倫相手との間にできた子供を夫婦間の子として育て、元夫に高額な養育費を払わせていました。元妻の要求が無難なものであったら、今でも彼は他人の子の養育費を支払っていたことでしょう。

このように、こと知的面や情緒面では(表現は悪いですが)夫は妻に翻弄されているケースがとても多いのです。世の中の夫諸氏はそれを知らないだけなのかもしれません。

体力や腕力面で男性に劣る女性に対し、神様は(男性が逆立ちしても適わない)知力と情緒を女性に与えたのかもしれません。

このように男性よりもはるかに奸智に富んだ女性が(失礼)、離婚を決意してしまうと断固として翻らないのを私は不思議に思っていました。

だってそうでしょう? 離婚宣言を受けた夫が土下座して「これからは悪いところを全部改めるから」と謝罪すれば、言質を取って(場合によっては一筆書かせて)その後の夫婦関係で優位な立場を維持することができる可能性が高いですよね。もちろん、平気で頭を下げるDV夫は別ですが・・・。

なぜ、離婚の決意についてだけ女性はかくも頑ななのか? つらつらと考えてみて、私なりに行き着いた結論は以下のようなものです。

まず、女性は男性と違って妊娠・出産があるので、性交渉を持つ男性を厳しく選ぶ必要があります。不本意な男性の子供を宿してしまうと、妊娠、出産、子育てで合計4年くらいは潰れてしまうとも言われています。無制限に子孫を残せる男性と違って、女性の場合は貴重な年数を奪われてしまうのです。

つまり、自己の遺伝子をよりよく残すためには、嫌な男とは一刻も早く別れて次の相手を見つけなければならない運命を女性は背負わされているのです。離婚を決意するくらい夫が嫌になるということは、もはや生理的に夫を受け付けなくなっているのでしょう。生理的に受け付けない男性と夫婦生活を継続し、しかも性交渉を強いられるのは女性としては到底耐え難いことなのではないでしょうか?

また、女性は男性よりも忘却が得意だという点も離婚の決意を確固たるものにしている原因なのかもしれません。真偽はわかりませんが、出産の痛みを忘れられないと次の出産ができないことから、女性は男性よりも忘却が得意だという説があります。

離婚に直面して、新婚当時のことを思い出したり、楽しかった過去を振り返るのはほとんどが男性である夫の方です。

離婚に直面した夫から、過去の笑顔のツーショット写真を渡され「この写真を妻に見せてもらえませんか?あの当時に戻りたいという気持ちを伝えてください」と頼まれたことが私は何度もあります。ところが、頼まれた通りに写真を見せて夫の気持ちを伝えても「今さらこんな写真、見たくもありません」と白けられて呆れられる結果ばかりでした。

過去の思い出に感傷的になる男性に対し、女性の方がはるかに未来志向的なのです。サンクコストを忘れる能力では、男性は女性の足元にも及ばないのです。

このように、妊娠・出産という生物学的・遺伝学的要因と、未来志向型という要因が相まって、その他の面で男性よりもははるかに柔軟な対応能力を持っている女性が、離婚についてだけは断固として頑なな姿勢をとるのではないでしょうか?

あくまで私個人の勝手な推測です。「そんなわけないだろう!」というお怒りを感じたとしたら、何卒ご容赦ください。

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