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④新規事業開発のアプローチ(MVP検証編:前編)

おはようございます!

前回の投稿からまた10日以上経過してしまいましたが、今回はMVPの検証をどのような観点で、どう進めていくべきなのか、という点について整理します。

新規事業開発のプロセスとフローSeries第4弾「MVP検証編:前編」となります。

※前回までの投稿

1:アイディア検証編
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2:ユーザーヒアリング編
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3:MVP開発のマインドセット
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【初期開発の全体のイメージ】 ※大きく分けて4段階

1,アイディア検証(リーンキャンパス作成)
目的:事業全体の構造や整理
→やるべきこと、進め方、観点、注意点:こちらへ
2,(アイディア検証のテストマーケティングや)ユーザーヒアリング
目的:ニーズの検証
→やるべきこと、進め方、観点、注意点:本記事の内容(基礎的内容)
3,MVP開発 ※最小限の機能×短期間
目的:ユーザーヒアリングを踏まえた、ソリューションの検証
→ユーザーインサイトを得て、失敗確率の減少を図る
4,ユーザーテスト 
目的:MVPの検証の検証

今回の「MVP検証」では、主に検証前に行う必要のある準備について整理していきます。


前回までの投稿から、MVP開発のユーザーヒアリングやユーザーヒアリングを通じて、以下の課題がクリアになっているかと思います。

1,どのような課題があるのか?(課題抽出)
2,これまでどのように解決していたのか?(代替の解決手段)
3,なぜ課題があるのか?
4,これまで未解決であれば、何が原因で解決できていなかったのか?
5,どのように解決するのか?(独自の解決策)
6,誰がどのような状況で利用するのか?(コアユーザーと利用状況)

上記1~6が以下の1⃣に該当する部分となり、次のステップでは2⃣~4⃣についての検証を行います。

1⃣誰の何の課題を解決するのか?
2⃣事業の成立は見込めるのか?(ビジネスモデルの検証)
3⃣成長できる事業なのか?(事業の継続性・リピート・成長性)
4⃣既存のサービスに置き換わる新しいサービスなのか?

その際にMVP開発では、主に2(ビジネスモデルの検証),3(事業の継続性・リピート・成長性)の検証を行います。

本当に新しい市場で、まだ市場があるのか分からない場合は、プロトタイプ等でニーズ検証を行いますが、ニーズが有ることが見えていれば、MVP開発は実際に動くモノを小さく作り、2、3を中心に行うことが多いです。

1、MVP開発における検証の要点

MVP開発は
『短期間・低コストで事業検証し、新規事業開発における不確実な要素を排除しながら、リスクを抑えつつ成功確度を高める開発』
なので、特に不確実要素が強い新規事業の立ち上げには、必須の考え方となります。

適切な事業検証サイクルを回すことで、新規事業のよくある失敗

「ニーズがない」事業立ち上げをしてしまう

ことを避けることに繋がり、そのためには、先述したMVP開発で、⑴、⑵が必要で、この点を理解しないと進められません。

⑴何を検証すべきなのか
ビジネスモデルの検証
・事業の継続性・リピート・成長性

⑵どのようにMVP開発すべきなのか
・プロトタイプレベルで良いのか、部分的な機能開発で良いのか、UIUXまで作り込む必要があるのか等

私は投資家サイドの人間ではないため、それほど多くの壁打ちを受けることはないですが、特にプロダクトを作ろうとしている起業家や新規事業担当者の方の話をお聴きすると、意外に

何を検証すべきなのか
どのようにMVP開発すべきなのか

を把握していない人も多かったりするような印象です。
(※私もその罠にはまりました‥)

検証ケース(例)も頭に入れておいた方が、引き出しとしてパターン化でき、整理に役立つと思うので盛り込んでおります。
※探れば、もっと多くのパターンがあると思いますが、今回はよくイメージできやすいサービスを例にピックします。

①最適化の検証ケース
デバイス、市場特化型等による価値提供テクノロジーを用いて独自価値の検証ケース②テクノロジーを用いて独自価値の検証ケース
→既存ユーザーへの代替価値の提供

③無消費層への検証
ケース
→今までになりモデルや価値の提供

が必要で、検証項目としてなのだと考えています。


2、最適化(デバイス、市場特化型等)の検証ケース

※既に市場ニーズはあるが、充足していないユーザーや課題があり、デバイスや対象市場に応じたカスタマイズを行い、新しいユーザーや無消費の顧客を創造するアプローチ

▼サービス例1
・ヤフオク→メルカリ
・omiai→Pairs
・mixi→Facebook

BtoC、CtoC系サービスに多いようなイメージです。

上記のようなサービスは、PCからスマホシフトで大きく伸びたサービスですが、このようなサービスの場合はサービスの体験価値の最適化が重要です。

★検証ポイント

・新しい体験価値の提供によりビジネスが成立するのか
・事業の継続性があるのか

を見極める必要があります。その検証を行うためにMVPの開発が必要になります。

特に上記サービスは、スマホ最適化により新しいユーザー層を獲得(&リプレイス)を図ったパターンでした。


3、テクノロジーを用いて独自の価値による解決する検証ケース

※課題が明らかにあり、他プレイヤーが想定する解決策で課題を解決していいないケース

▼サービス例2
・メール→slack、チャットワーク等
・インストール式の会計ソフト→クラウド会計

上記のようなサービスは、既に利用者はいるが、非効率な状況だったり、改善余地があるような市場でした。

特にBtoBサービスに多いような印象で、特に2010年代にクラウドが台頭してきて、大きく既存サービスからのリプレイスが起こっているような印象です。

技術トレンドで提供価値が変わったサービス領域ですね。

この領域は、SaaS型(サブスクリプション)で課金をし続けてもらえるか、という点が重要です。

★検証ポイント

・既存のサービスからの変更負荷(無料→有料への転換のメリット)
・これまでのサービスから変えることのメリットがどれだけあるのか

を検証する必要があります。


4、無消費層への検証ケース

個人的に、最近凄いなと思ったサービスは『レシート買取アプリ「one」』です。

コンセプトは、「画像とアンケートによる生データをマーケティングに活用」するというもので、『リリース16時間でダウンロード数が8.5万、買い取りレシート総数は24万枚を突破』したと言われています。

これこそ、レシートを捨ててしまう行為に対して、レシートに価値を作り、これまで無消費層へのアプローチにより、市場を作った典型的な例だと、私は捉えています。
※ビジネスモデルは調べて頂ければ分かるので割愛します。

★検証ポイント

・レシートを提供する「ユーザー側の価値提供」の検証
・レシートを通じた価値提供を行う「企業側への価値提供」

を検証する必要があります。

具体的には、おそらくですが「ユーザー側のコアな検証」は

・ユーザーが継続してレシートを提供してくれるのか
・ユーザビリティ

あたりなのかなと感じております。

「企業側のコアな検証」としては

・どれだけ質の良い情報なのか

という点の検証が必要なのだと思います。

もちろん、いずれも検証度合いや他観点の検証も必要だと思います

4、MVP開発:前編のまとめと注意点

⑴何を検証すべきなのか
⑵どのようにMVP開発すべきなのか

が明確になれば、あとはMVP開発の準備に移る形ですが、その前にリーンキャンバスの赤字部分が明確になっているか明確にしましょう。

リーンキャンバス2

ここまで固まっていると、MVPを作る機能抽出に迷わずに、本当に必要な機能のみ開発ができ、より『短期間、低コスト』で開発ができるようになります。

1回目のMVP開発前に

・実は市場が小さかった
・競合になり得るサービスが想定より多かった

等がプロダクト開発時に起こってしまうと後戻りがしにくく、全体の市場規模や獲得想定市場等も明確にしておく必要があるので、ここも忘れずチェックしましょう。

次回は、「MVP開発:後編」を書いていきます。

※注:本記事で追加があれば、追加していきます。

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