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営業活動における「競合」との向き合い方 #SaaSLovers

ゴールデンウィークの最中ではありますが、 #SaaSLovers 今日から22人ではじめていきます!

SaaSLoversは、1ヶ月間有志でSaaSに関するブログを書く企画で、今回で4回目です。今までで70記事くらい上げています。今回の参加者様はこちら。過去記事については、Twiterでもお調べください!

5/3月曜日のDay1は小松の担当です。私が今所属している企業は、昨年日本法人を設立した外資系企業です。( DoubleVerifyというアドテク系の会社です)それまでは日本企業2社、外資系3社に勤務していました。

これまでの仕事で様々なSaaSを提案してきました。いずれの提案プロセスにおいても、競合企業と比較されることが多々ありました。

現職でも競合企業が数年前に日本に進出しているという背景もあり、競合を踏まえながら事業を拡大していく必要があります。そこで本ブログ記事では、競合との向き合い方について、簡単に私の考え方をまとめたいと思います。

競合は意識する必要がある?

テクノロジーの発達に伴い、SaaSの数もどんどん増えています。下記はマーケティング業界における、2020年度のテクノロジーの俯瞰図です。こちらの図表にのっているツールは、合計すると8000を超えているそうです。もはや細かくて見えない・・・。

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ソース:

このように、お客様の課題解決につながるツールは、間違いなく複数あります。ツールを選定するお客様の目線としても、たくさんの選択肢があることを意識する必要があるでしょう。比較すること自体がすごく難しくなってきていますね。

そもそも競合とは

個人的には、広い意味での競合の種類は3つあると思っています。

①機能競合
文字通り、同様の機能、同様の価値提供を行っている競合です。
例)メールが大量配信できる、SEOの順位が計測できる。

②予算競合
同様の機能を提供しているわけではないが、導入にあたり、同一予算となっているもの
例)営業電話システムとオンライン商談システム は営業部予算になることが多いので、予算的に競合している。

③マインドシェア競合
その方が日々の業務で考えている事象、ツールに限らない。
例)認知施策より、CV施策を優先している。ツール導入より組織構築、採用活動の優先度が高い。

①は、いわゆる競合ツール、競合企業です。一方で②〜③は直接的な競合ではなく、間接的な競合ですね。それぞれの競合に対して、適切な対応を行っていく必要があります。

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競合比較は誰が行うのか?

①については、ツールの機能軸の整理がメインになります。お客様課題と課題解決方法(機能)、それにより得られる提供価値の整理がメインですね。そのような競合情報の比較は誰が行うべきなのでしょうか?個人的には、あくまでお客様が行うものだと思っています。

1ベンダーが複数の競合ベンダーの情報を提示すること自体、恣意的な情報となり、不正確な情報となりるため、私はお客様が競合比較の主体者になるように促しています。

一方で、お客様も日々お忙しいので、比較の支援自体は積極的に行っています。お客様自身でツール比較を進めていただくために、機能軸でのポイント、自社の定量的、定性的データを出していくことが大事です。

私は、こちらから競合ツールの名前を出すことも多いです。比較されたくない!と思う人もいるかと思いますが、上記のように積極的に開示していくことが、結果としてお客様のためにもつながると思っています。(ジュンヤさんのTweetも引用)

予算やマインドシェアへの対応は?

②や③について、特にコモディティ化していないSaaSの場合、予算や検討の時間が取れず、Do nothing(何もしない)が競合となることも多いです。予算競合やマインドシェア競合を乗り越えるには、どのようにすれば良いのでしょうか。

・ビジョンを伝える
単なる機能比較のみならず、そもそもの優先度を挙げていただくためには、ビジョンを伝えることが欠かせません。SaaS企業の視座(どのような態度で企業運営しているのか)、や世界観(誰の何のpainを解決して、どのような世界を実現したいのか)を丁寧に案内していくことが大事だと思います。

例えば、DoubleVerifyの場合は、「Let's Build a Better Industry® 」と言うタグラインを設けています。デジタル広告業界におけるバグを潰していくために、アドベリフィケーションという製品を提供していると言う世界観の現れです。

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世界観については、以前のSaaSLovers参加者の布川さんの記事もご覧ください。

・経営アジェンダに盛り込む
提案しているSaaSがもたらす価値がどのように企業経営につながっていくのかを提示するのも大事です。お客様を深く理解し、先んじて提案する。待ちの姿勢ではなく、攻めの姿勢で、こちらから予算をとりにいく、そのためにプロジェクトを作ると言う仕掛けを行うことが成功につながります。

戦略は戦いを略すと書きますが、いかに戦わずして、良い結果を得るか。そのためには、細かな機能比較に陥らないように、経営パートナーとして相対できるように、上位のメッセージアウトを行っていくことも大事だと思います。

SaaSなので、サービスも重要

忘れがちかもしれませんが、 Software as a Serviceなので、サービスは明らかに差別化要素です。ハード面のみならず、一連の購買活動で「この人、この企業からサービスを導入したい!」と気持ちよく思ってもらう、ソフト面も重要ですね。

初めての接点からサービスは始まっています。営業としての立ち居振る舞い、業界知識、一緒に上司/他部署/部下を説得してくれるかなど、などあらゆる点で信頼されることが大事です。

・誠実に向き合う。できないことはできないと言う。
・連絡はスピーディかつ丁寧に(持ち帰り事項があれば、まずはその旨を共有)
・日程打診はこちらから候補提示(日程調整のツール活用も含む)

こういった日々の積み重ねが、良いサービスを作ると思っています。自戒を込めてですが・・・。
信用と信頼を作る方法については、セレブリックス今井さんの記事もぜひお読みください。

競合比較は防ぐべきもの?

上記まで説明しておいて、いきなりちゃぶ台をひっくり返すようですが、必ずしも競合が存在することが悪いことではなく、競合が存在するメリットもたくさんあります。アーリーフェーズや世の中に出始めたばかりのツールを営業してきた背景もあるからですが、私は競合は歓迎すべきものと捉えています。

・競合は、同じマーケットを作っていく仲間である
・大衆化していない価値をco-marketingで世の中に知らせることができる
・比較されることで、自社の製品、サービスを磨くことができる。

市場を奪い合うのではなく、一緒に市場を大きくしていく。Marketを作っていくという気概が大事で、そのことがお互いのビジネスを伸ばすことにプラスになると思っています。

最後に

以上、つらつらと記載しましたが、何か参考になっていれば幸いです。

私は、競合と向き合うことは究極のカスタマーサクセスだと思っています。お客様に「これがベストな選択だ」と思っていただくため、良い機会と捉えて、前向きに対応できると良いですね。

明日は、シナジー時代の後輩で、今はSmartHRの関西でお勤めの @510tatsuya_613 「マーケ・IS領域に対して、パートナーサクセスとして1年間取り組んでみた話」です。お楽しみに!

おわり

ありがとうございます。