
数学は“定義”が面白い
「数学の何が好きなの?」と聞かれることがあります.けっこう困る質問です.(笑)
だって,例えば子供に「レゴの何が好きなの?」と聞いても,子どもは困っちゃうじゃないですか.それこそ,「恋人の何が好きなの?」と聞かれても上手く説明できない,という人ってけっこういません?
まあそんな感じで,数学の何が好きなのかを上手く説明するのは難しいんですが,今回はその中の一つとして,「定義が面白い」という話です.
以前,負の数の計算を定義することで「小さい数-大きい数」ができるようになるとか,$${\infty}$$の計算を定義することで「$${0}$$で割る」ができるようになるとか,論理の計算を定義する数理論理学というのがあるという記事を書きました.
日常生活で引き算を考えるときって,例えば「1000円持ってて800円使ったら残りいくら?」みたいな場面が普通で,「800円持ってて1000円使ったら残りいくら?」なんて無いじゃないですか.
割り算は「1000円の商品を5人で割り勘したら一人いくら?」とかのはずで,「1000円の商品を0人で割り勘したら一人いくら?」なんて考えないじゃないですか.
「小さい数-大きい数」も「$${0}$$で割る」も,現実ではありえないことじゃないですか.
よくよく考えたら,数学とか算数で普通に“三角形”とか“円”とか扱ってますけど,現実に完璧な“三角形”とか“円”とかってないじゃないですか.
でも,数学では,適切に定義さえできれば何でもアリなんです.
それこそ,「宇宙を2つ作る」とか言い出す人さえいます.#IUT理論
これが,ロマンがあって面白いよなと思うわけです.