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第80期順位戦B級1組10回戦

12月23日に順位戦B級1組10回戦の一斉対局がありました。ここまでの成績で昇級争いの1番手となっている藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)は抜け番で対局がなく、2番手と3番手の激突となった佐々木勇気七段と千田翔太七段の対局が注目されました。先手の佐々木七段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となりました。佐々木七段が銀矢倉に組み替え飛車を5筋に回して▲4五桂と仕掛けると、千田七段も△6五桂と跳ねてから△2六角と金取りに打って反撃します。千田七段が△4五銀と桂を食いちぎると、佐々木七段は取れる銀を取らずに▲2七角と後手の飛車を睨む位置に据えます。千田七段は取った桂を△7四桂と打ち、先手の玉頭から攻め掛かります。佐々木七段は▲4五角から後手の飛車を追いますが、千田七段は△5九角成と馬を作り、△6九馬~△8七馬と捨てて寄せ切りました。

その他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 稲葉陽八段 - 三浦弘行九段
 横山泰明七段 - 木村一基九段
 郷田真隆九段 - 久保利明九段
 近藤誠也七段 - 阿久津主税八段
 屋敷伸之九段 - 松尾歩八段

昇級争いは、藤井竜王が8勝1敗で単独トップは変わらず、連敗の佐々木七段が7勝2敗で続く形となりました。勝った千田七段が7勝3敗、稲葉八段が6勝3敗で追いかけています。4敗の三浦九段と郷田九段にも、数字の上では可能性が残されています。次の11回戦では、藤井竜王と千田七段の対局が組まれており、千田七段にとっては昇級争いに残るためには負けられない一局となります。藤井竜王が勝って稲葉八段が敗れると、早くも藤井竜王の昇級が決まります。

一方残留争いは、木村九段、松尾八段、阿久津八段の3人が2勝7敗で降級圏に入っています。3勝6敗の近藤七段と久保九段も、負けられない状況が続きます。次の11回戦で松尾八段と阿久津八段の対局が組まれており、生き残りを賭けた一局になりそうです。


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