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女流王将戦第一局の棋譜を観て

10月3日に行われた女流王将戦三番勝負第一局の棋譜を観た感想です。

西山女流王将は女流棋士ではなく、男性と同じ奨励会員であり三段リーグに参加しています。女流タイトルを通算5期獲得しており、現在七つある女流タイトル戦の内、女流棋士以外が獲得できる三つのタイトル(女王、女流王座、女流王将)を独占しています。

挑戦者の室谷女流三段は、Abemaなどの生中継で度々聞き手を務めており、観る将にはお馴染みの女流棋士の一人です。これまで4度タイトル挑戦していますが、いずれも敗退しており、初のタイトル獲得を目指しています。両者は共に振り飛車党で、大阪府大阪狭山市出身という共通点があります。

本局は西山女流王将が先手で、お互いに角道を開けた後、なんと3手目▲8六歩と角頭の歩を突き出しました。棋力のある方に解説していただきたいのですが、相手が△8四歩と飛車先の歩を突いて来たら、どう対処するのでしょうか?(角交換して向かい飛車?)

しかし室谷女流三段は平然と、4手目に△4二飛と四間飛車に構えました。西山女流王将は更に▲8五歩と突いてから▲7八飛と三間飛車に振り、相振り飛車の将棋になりました。室谷女流三段も負けじと角頭の歩を△2五歩と突き出します。観る将歴の浅い私は、こんな将棋を初めて観ました。

お互いに玉を囲った後、▲9七角と覗いた西山女流王将は、銀交換後の飛車取りに構わず6筋を突破すると、そのまま緩むことなく寄せ切ってしまいました。

西山女流三冠の将棋を観たことがなかったなと思い何気なく観たのですが、男性棋戦ではあまり見られない激しい将棋を指されていることを知ることができました。本局だけ特別なのか、いつもこんな感じなのかわかりませんが、観る将としての楽しみが一つ増えた気がします。10月13日に行われる本シリーズの第二局以降や、10月28日開幕の西山女流三冠に里見女流四冠が挑戦する女流王座戦にも注目していきたいと思います。

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