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【恋愛日記④】9月から現在に至るまで Part2

えっとね、今日電話しようと思ったのはね、、、、、、

そう切り出した涼子さん。

ボクの体温が一気に高まったのを感じる。Tシャツに汗が滲む。瞬きをするのを忘れる。手先は今にも震えだしそうだ。

涼子さんは間髪入れずに話を続ける。

ちょっと真面目に話したいんだけどね、

おおお、真面目に話すって何だよおい!振られるやつ!?うわあああああああああ、その次の言葉、聞きたいけど聞きたくない!

アオくん、私に会いたいって言ってくれてるでしょ。もしも私のことを良いと思ってくれていて、すぐに答えを求めているなら、、、私は、すぐに答えを出せない、、、。時間がほしい。勝手で申し訳ないんだけどね。前の恋愛のこととかいろいろあって、慎重になりすぎてるんだけど。
別に会いたくなくて会わなかったとか、そんなわけじゃないの。もしも私のことを良いと思ってくれていて、答えを求められたら、その時その場では答えが出せないと思ったから。。。

前の恋愛で何があって何を思ったのか、気になるところではあったが、グッと飲みこんで続きの言葉に耳を傾ける。

率直に今どう思っているのか聞きたい。

か、か、核心に迫ってきたあああぁぁぁあ!!

ボクは、5秒だろうか、10秒だろうか、声が出なかった。

それは、別に動揺したからではない。たじろいだわけではない。

その5秒間、いや、10秒間か。ボクは咄嗟に覚悟を決めていたのだ。

もうオレは退路を断つと。勝負するんだと。曖昧にしない。オレの立場は明確に、涼子さんに選んでもらうんだと。いっそのこと、男らしくぶつかって砕けてやると。また話せるかどうか、分からないんだ。ここで思いを全部ぶつける。たとえもう二度と話す機会が無かったとしても、後悔しないようにやりきるんだと。

ゆっくりと息を吸って、音をたてないようにゆっくりと吐いて、ボクは話し始めた。

オレは、正直に言うと、いやもうバレてると分かってて改めて言うんだけど、オレは、涼子さんに恋してます。
本当に素敵だと思ってます。
どこが素敵だと思うかと言うと、たくさんあるんだけど、、、
そうだな、世の中にはいっぱい綺麗な女性がいると思うんだけど、いつも美女と話すときって緊張するし、自分を出せないなって思う。
涼子さんを初めてみたとき、こんなに美しい人が世の中にいるのかよって思ったの。だからまた緊張して話せないかなって思ったんだけど、そうじゃなかったのね。
良い意味で気が抜けるっていうか、自然と言葉が出てくる感覚っていうか、全然疲れなくて、一生話してたいって思えるの。
この感覚が、本当に人生の中で初めてでね。味わったことなかった不思議な感覚なの。

もう、後には引けない。

涼子さんの反応をじっくり聞いて、決して独りよがりにならないように、会話をする。

涼子さんはボクの話を真剣に聞いてくれている。『へええ』とか、『ありがとう、嬉しい』とか、真面目に返事してくれる。

ボクはこの1か月間、何度も何度も涼子さんのことを思い出して、好きなところを自然と言語化していたようで、どんどん言葉が出てくる。

でも、恋なんて何度もするものじゃないの??

と問うてくる涼子さん。

ボクは、ここも正直に返答する。嘘をつけない性格が、幸か不幸かここで発揮される(笑)。

うーん、確かに恋は何度もしてきたなあ。でも、恋には大小があると思う。少なくとも今までの恋と比べて、今している恋は大きいかな。今後もこんなことはなかなか無いだろうなって、直感で思ってるよ。

あと、自分からこうやって女性にアプローチしたのは、人生で初めてだな。いつもは、別にいかなくてもいいやって思うことが大半だし、過去の彼女もそんなに自分からいった訳じゃなかったんだけど、今回は体が勝手に動いてるっていうか、そんな感じ。

直観って口癖なんだよな(笑)。でも、それが本心なんだよな。

結構恋人に会いたくなるタイプなの??

ボクが積極的に涼子さんを食事に誘っているからか、そんなことも聞かれた。

ボクは確かこう答えた。

ボクはあまり人に会いたがらない人間だと認識されているらしかった。多分、本ばっか読んで時間過ごしてるって言ったからかな。

うーん、4年半付き合ってた彼女は、当時お互い大学生だったから会いやすいのもあったけど。
好きな女性とは会いたくなるのが普通だと思う。
好きであればあるほど会いたいと思う。ただそれだけって感じかなあ。

なんかもう、ここまでぶっちゃけて話してると、恥ずかしさもなくなってくる。むしろ、ここまでストレートに言えると後悔しないなって思う。ちょっとだけ自分がカッコいい気さえしたのは秘密。

その後もいろんなことを話した。気づけば通話時間は50分。すっかり深夜だ。

ボクはもう全部言い切った。多少重いと思われたかもしれないけど、何か、スカすのとか、言い渋るのとかは違うと思った。それで振られたら一生後悔する。男らしく勝負した。

涼子さんの魅力を、言語化できているだけ話しきった。恋愛の価値観についてもお互いに話し合った。

涼子さんは、

ありがとう、、、。そんなに思ってくれてるとは思わなかったからびっくりしたけど、嬉しい。でも、考える時間がほしい。ちょっと待たせちゃうかもしれないけど、そんなに時間かけるつもりも無いから。ただ、その間にもしも気が変わったら、その時は言ってね。

こんなにも真剣に考えてくれることが、率直に嬉しいと思った。同時に、悩ませてしまって申し訳ないとも思う。涼子さんが迷わない程にいい男であればよかったけど、そうはいかなかった。

涼子さんは、涼子さん自身に対して、常に本気で真剣な人なんだと思う。話していて、それは端々に感じる。過去はこうだったからって涼子さんは言わない。いつも、これからこうしたくて、という調子で話している気がする。きっと、涼子さんの日常には幸せが溢れているんだと思う。涼子さんに関わる人も、幸せを感じられるんだと思う。そんな不思議な力というかオーラを涼子さんから感じるのは、心底から人を大切にしたいという思いや、自分自身に持っているプライドのベクトルが未来に向いているからなんじゃないかと、話していて思った。

気が早いかもしれないが、この女性と仲良くなって、もっともっと日常の中に幸せを感じさせてあげたい。漠然としたイメージだが、そう思う。

涼子さんの考えは分からない。知る由もない。委ねて、待つしかない。

ただ一つ言えるのは、自分は確実に、ここまで後悔は何もない。恋愛下手かもしれないし、言葉がストレートすぎて重いと思われているかもしれない。もっとカッコよくエスコートしてあげられればいいなと思うが、自分はそんなこと咄嗟にできない。自己満と言われるかもしれないが、別にいい。初めて自分が自分らしく後悔無く過ごせている。

振られたらと思うと怖い。恋をすると毎回のようにそう思う。もちろんそれは今回もそうだ。でも、今回は、もし振られたとしても、オレはやり切った、カッコよくなれたって、胸を張って言える。

気づけば通話を始めて1時間が過ぎていた。もう1時間も経ったんだね、なんていう話をした。

最後にボクはこう伝える。

いろいろ真剣に考えてくれて本当にありがとね。あと、悩ませちゃってごめんね。もうここまで打ち明けちゃったからオレは隠すものは何も無いかな。気長に連絡待ってるね。もし少しでも前向きに考えてくれるとしたら、ちょっとずつ思いを確認しながら、ゆっくり仲良くなれればいいと思ってる。次会ってもすぐに答え求めないし、調子に乗ったりもしないから、また気軽にあってくれたら嬉しいなあ。

涼子さんからもひとこと。

ありがとう。思い、よく伝わった。話してくれてほんとにありがとね。また連絡するね!

おやすみ、と挨拶を交わして、ボクらは通話を切った。

間もなく、涼子さんからLINEが。

電話ありがとう!また連絡するねっ

返信で改めて感謝を伝えて、気長に待ってるねと最後に付け加えて、やり取りは終わった。

改めて日付を整理しておくと、通話したのが10月5日・月曜日の夜中。終わりの時間は10月6日にまたがっていた。

その後は何だか清々しい気分でありつつも、涼子さんへの思いは変わらない。

さあ、この文章を書いているのが10月13日・火曜日の0時30分。未だ連絡は来ない。電話してから1週間が経ったが、果たしてどうなるのか、、、。

そろそろ、また不安になってきたな、、、(笑)。

涼子さんはこのまま音沙汰無く終わるような不義理なことはしない人だと確信している。

何かしらの連絡が来るその時を、今も待っている。

この前祖母が亡くなったんだが、お葬式で祖父がこんなことを言っていた。(祖父は20代で起業して一代で会社を大きくした経営者で、家庭には殆ど関与せず、祖母は大変な思いをしたらしい。)

人生の中で全然女房孝行することができませんでした。でも、女房が体調を崩して入院がちになった2年前からは一緒に過ごす時間が増えて、この2年間が人生で一番幸せな時間でした。

人生の中で、パートナーの存在はとても大きな意味を持つ。90年間生きた祖父が、そのことを身をもって証明してくれた。

祖父は、祖母と結婚した時に、結婚指輪をプレゼントしていなかった。そのことに今更気づいて、祖母が亡くなる2週間前に指輪をプレゼントした。祖母は、細った指に大切そうに指輪をはめて、亡くなるまでずっと手から離さなかったらしい。

愛の力はすごい。愛のために人が行動を起こすとき、それは時に感動を生む。人に涙を誘う。

自分もそんな人生を歩みたい。毎日毎日愛のために頑張って、感動溢れる日々にしたい。だからこそ、最高だと思った女性を簡単には諦めない。これが一生で最期の恋だと思って臨む。これからも。

(そういえば、この1週間の間に、初台に住むとある男友達のオシャレな家に2回も行って、旨い飯を作ってもらって、何時間も駄弁った(笑)。このまま振られたら、きっともっと初台に通う回数が増えて、ゲイに間違われる恐れが、、、。こんなバカな恋愛話をダルがりながらも聞いてくれる友人の大切さも思い知ったこの2か月間でしたとさ。)

是非よろしくお願いします!恋の応援として、そしてデート代の足しとして、どうか恵んでください!!