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障害者雇用安定助成金 (障害者職場定着支援コース)を解説します!~措置3 正規・無期転換~

■ はじめに

皆さんこんばんは、伊藤です。

さて本日は「 措置3 正規・無期転換 」について解説させていただきます。

下記の出典:障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07078.html)

■ 用語の解説

〇 有期契約労働者
期間の定めのある労働契約を締結する労働者をいいます。

〇 無期雇用労働者
期間の定めのない労働契約を締結する労働者のうち、正規雇用労働者、
勤務地限定正社員、職務限定正社員及び短時間正社員以外のものをいい
ます。

〇 正規雇用労働者
次のイからホまでのすべてに該当する労働者をいいます.。

イ 期間の定めのない労働契約を締結している労働者であること。
ロ 派遣労働者として雇用されている者でないこと。
ハ同一の事業主に雇用される通常の労働者と比べ勤務地または職務が
限定されていないこと。
ニ 所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働
時間と同じ労働者であること。
ホ 同一の事業主に雇用される通常の労働者に適用される就業規則等に
規定する賃金の算定方法及び支給形態、賞与、退職金、休日、定期
的な昇給や昇格の有無等の労働条件について長期雇用を前提とした
待遇(以下「正社員待遇」という)が適用されている労働者であるこ
と。

■ 措置3の内容

次の①または②のいずれかに該当する措置を継続的に講じた場合に助成します。

① 有期契約労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む。以下同様)または無期雇用労働者に転換すること
② 無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換すること

多様な正社員とは下記のような形態を指します。
勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員

なお多様な正社員の詳細についてはこちらのサイトを参考にされて下さい。

措置2は勤務時間でしたが、こちらの措置も同じく雇用形態を転換しキャリアップを図るという意味では同じような意味合いがあるかと思います。

■ 支給額

支給対象者1人あたり、下表の額が支給されます。
ただし、当該額が、各々の支給対象期における労働に対する賃金の額を超える場合には、当該賃金の総額を上限額とします。
※(  )内は中小企業以外の事業主に対する支給額及び支給対象期間

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重度身体障害者や重度知的障害者、精神障害者では

最大で120万円(1年)

となり障害者雇用安定助成金 (障害者職場定着支援コース)では最大の支給額になります。

■ 対象となる労働者 

次の①~⑨のすべてに該当する労働者が対象です。

① 申請事業主に雇用される労働者であること
② 措置実施日の時点で、次のイ~ヘのいずれかに該当する者であること
イ 障害者雇用促進法第2条第2号に規定する身体障害者
ロ 障害者雇用促進法第2条第4号に規定する知的障害者
ハ 障害者雇用促進法第2条第6号に規定する精神障害者
ニ 発達障害者支援法第2条に規定する発達障害者
ホ 対象となるいずれかの難治性疾患を有する者
※詳しくはパンフレットを参照
ヘ 高次脳機能障害であると診断された者
③ 就労継続支援A型事業における利用者でないこと
④ 申請事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者であること
⑤ 申請事業主に雇用される期間が通算して6か月以上※1の有期契約労働者または無期雇用労働者であること
※1 障害者トライアル雇用から引き続く場合を除きます。
⑥ 次のイおよびロのいずれかに該当する労働者でないこと

イ 正規雇用労働者に転換される場合、正規雇用労働者として雇用されることを約して雇い入れられた無期雇用労働者または有期契約労働者
ロ 無期雇用労働者に転換される場合、無期雇用労働者として雇用されることを約して雇い入れられた有期契約労働者

⑦ 次のイおよびロのいずれかに該当する労働者でないこと
イ 正規雇用労働者に転換される場合、当該転換日の前日から過去3年以内に、申請事業主の事業所において正規雇用労働者として雇用されたことがある者
ロ 無期雇用労働者に転換される場合、当該転換日の前日から過去3年以内に、申請事業主の事業所において正規雇用労働者または無期雇用労働者として雇用されたことがある者
⑧ 転換日の前日から起算して1年6か月前の日から当該転換日の前日から起算して6か月前の日の前日までの間(以下「基準期間」という。)において、当該転換に係る者を以下の雇用区分イまたはロのいずれかにより雇用していた事業主(当該転換を行った適用事業所と基準期間における適用事業所が同一である場合を除く。)との間において、資本的、経済的、組織的関連性等から密接な関係※2にある事業主に雇用されていなかった者であること

※2 ・基準期間において、他の事業主の総株主または総社員の議決数の過半数を有する事業主を親会社、当該他の事業主を子会社とする場合における、親会社または子会社であること
・取締役会の構成員について、代表取締役が同一人物であることまたは取締役を兼務している者がいずれかの取締役会の過半数を占めていること

<雇用区分>
イ 正規雇用労働者に転換される場合正規雇用労働者として雇用
ロ 無期雇用労働者に転換される場合正規雇用労働者または無期雇用労働者として雇用

⑨ 無期雇用労働者に転換される場合、労働契約法(平成19年法律第128号)第18条の規定により期間の定めのない労働契約の締結の申込みをする権利を有しない者であること

 ⑦と⑧では対象となる労働者と雇用されている事業主との過去の関係や、あるいは過去に務めていた事業主と現在の事業主との関係性に関する事項となりますので、該当しないよう注意が必要です。

■ 対象となる事業主

共通の要件の他、次の①~⑦のすべてに該当する事業主が対象です。

① 対象労働者に対して、当該措置を継続して講じる事業主であること
② 対象労働者を、支給対象期の第1期の場合は転換後6か月以上、第2期の場合は当該支給対象期の初日から6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して、各支給対象期分の賃金を支給した事業主であること
③ 転換した日以降の期間について、対象労働者を一般被保険者等として適用させている事業主であること
④ 転換した際に、雇用形態を明確にした雇用契約書または労働条件通知書等を作成し、対象労働者に対して交付している事業主であること
⑤ 転換する際に、対象労働者の同意を得ている事業主であること
⑥ 転換した日以降の期間について、対象労働者の1時間あたりの賃金を転換前から減額させていない事業主であること
⑦ 多様な正社員に転換する場合、当該雇用区分を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定している事業主であること

やはり⑥にあるとおりこちらの措置も賃金の減額をすると対象とならないので注意が必要です。

■ 支給対象期間

支給対象期間は、対象労働者の転換を行った日の直後の賃金締切日の翌日※1から起算して1年間です。最初の6か月を第1期、次の6か月を第2期の支給対象期といいます。
※1 賃金締切日が転換した日の場合は当該転換した日の翌日、賃金締切日の翌日が転換した日の場合は当該転換した日となります

■ 本日のまとめ

〇 措置3は有期契約労働者または無期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む。)に転換させた場合に助成金の受給が可能となる。

〇 多様な正社員とは下記のような形態を指す。
勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員

〇 最大で120万円(1年)となり、障害者雇用安定助成金 (障害者職場定着支援コース)では最大の支給額となる。

ここまでご拝読いただきありがとうございました。

最大で120万円(1年)と高額な支給額となる措置となります。

もちろんご本人の同意と正規雇用に転換するだけの合理的な理由は必要不可欠ですが、もしこういった可能性のある方がいれば積極的に措置の実施と助成金の受給の両方を目指されることをおススメします。

次回は「措置4 職場支援員の配置 」の解説していきたいと思います。

次回もよろしくお願いいたします。

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