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障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)を解説します!~訪問型職場適応援助者による支援【前編】~

※下記の記事は2021年2月8日に一部訂正・追記しております。
※訂正・追記の箇所が分かるよう、※で表示しております。

■ はじめに

皆さんこんにちは、伊藤です。

前回から障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)の解説をスタートしました。

そして訪問型職場適応援助者と企業在籍型職場適応援助者の2種類がありそれぞれで助成金の受給の条件など違うことをお伝えさせていただきました。

そして今回は訪問型職場適応援助者の支援についての前編として、助成金受給の条件となる対象労働者や訪問型職場適応援助者の支援内容、援助者の条件について解説していきたいと思います。

下記の出典:(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158630.html)

■ 訪問型職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)とは?~前回までのおさらい~

障害者の就労支援を行う社会福祉法人等に雇用されるジョブコーチです。高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する訪問型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定める訪問型職場適応援助者養成研修を修了した者であって、必要な相当程度の経験及び能力を有する者が担当します。

■ 訪問型職場適応援助者の支援の場合の対象労働者について

障害者としての条件がどちらの支援のケースでも共通ですが、それぞれに違う場合もあるので、今回は訪問型職場適応援助者の支援の場合の対象労働者について解説します。

ちなみに対象労働者についての前書きとして厚労省のパンレットでは下記のとおり解説されています。

以下の対象労働者の職場適応のために、地域センター※1が作成または承認する支援計画で必要と認められた支援を、訪問型職場適応援助者に無償で行わせた場合に事業主に対して助成金を支給します。
※1 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構地域障害者職業センター

訪問型職場適応援助者による支援を実施する為には事前に支援計画が必要ということになります。

そして、

「 訪問型職場適応援助者に無償で行わせた場合に事業主に対して助成金を支給します。 」

という文言が大きなポイントかと思います。

※この助成金の対象となる訪問型職場適応援助者の支援を提供する事業主様は、受給する為にはその支援を無償で提供する必要があるということです。逆に言うと、訪問型職場適応援助者の支援を受ける側の事業主様は無料で支援を受けられるということです。

※2021年2月8日訂正

ちなみに主に下記の機関に在籍するジョブコーチであれば無料で支援を受けられます。

・ 企業がある地域の障害者職業センターやハローワーク

・ 一部の就労移行支援事業所

やはりもっともポピュラーなのは地域の障害者職業センターのジョブコーチなのではいでしょうか。

気になる方は以下のサイトもご参考にされて下さい。

次のいずれかに当てはまる方が対象の労働者となります。

① 雇用保険被保険者で、雇用保険適用事業所に雇用されている方
② 支援計画の開始日から2か月以内に雇用保険被保険者として雇用保険適用事業所に雇い入れられることが確実な方
③ 精神障害者または発達障害者であって、1週間の所定労働時間が15時間以上である方であって、雇用保険適用事業所に雇用されている方
④ 精神障害者または発達障害者であって、支援計画の開始日から2か月以内に、1週間の所定労働時間が15時間以上である者として雇用保険適用事業所に雇い入れられることが確実な方
(3) 当該対象労働者のための支援計画※2がある方
(4) 本助成金のうち企業在籍型職場適応援助者による支援対象者として現に支援されていない方
※2 障害者総合支援法に基づく就労継続支援A型事業所の利用者としての就労を継続するための支援に関する支援計画は除きます。

雇用保険の被保険者であることが無難でありますが、そうでない場合も上記に記載されている条件を満たせば途中から被保険者となっても助成金の受給が可能となります。

■ 支給対象となる訪問型職場適応援助者による支援内容について

支援計画に記載された対象労働者の職場適応を図るための下記の①~⑧の支援が必要となります。

① 支援計画書の策定※3  ② 支援総合記録票の策定※4
③ 支援対象労働者に対する支援 ④ 支援対象事業主に対する支援
⑤ 家族に対する支援 ⑥ 精神障害者の状況確認
⑦ 地域センターが開催するケース会議への出席
⑧ その他の支援(地域センターが、職業リハビリテーション計画に基づき必要と認めた支援)対象労働者支給対象となる訪問型職場適応援助者による支援内容

※3 事業主が支援計画書を作成する場合、支給対象となる活動日数の上限は4日間※5 で、少なくとも1日は支援対象事業所を訪問する
必要があります。地域センターが支援計画書を作成する場合、支給対象となる活動日数の上限は2日間※5です。
※4 事業主が支援総合記録票を作成する場合、支給対象となる活動日数の上限は1日間※5です。
※5 4時間未満の支援の場合は、1/2日として取扱います。

やはりご本人への直接の支援だけではなく支援対象事業主に対する支援やご家族への支援なども必要になります。

私も障害者の方が職場に適応・定着するには事業主様や同僚の方々の障害への理解やご家庭でのサポート(食事など健康面の配慮や寝坊しないよう朝起こしてもらうなど)が不可欠だと思っております。

■ 支給対象となる訪問型職場適応援助者の条件について

以下の全てに該当していることが条件になります。

● 訪問型職場適応援助者養成研修など ※6 の修了者 であること
● 障害者のための就労支援の業務経験が1年以上ある方
● 支援 を実施する際に、労働災害に対応できる傷害 保険などに 加入していること
● 国など ※7 の 委託事業費から 人件費の一部または補助金等から人件費の全部が支払われていない こと
※6該当する養成研修については、都道府県労働局またはハローワークにお問い合わせください。
※7国、地方公共団体、独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人及び地方独立行政法人法第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人を指します。

該当する養成研修の修了者というだけでなく、障害者のための就労支援の業務経験が1年以上ある方であるというのが大事な条件になってきます。

恐らく地域の障害者職業センターやハローワーク等であれば大丈夫かと思いますが、念の為に事前に確認しておく必要はあるかと思います。

■ 本日のまとめ

〇 訪問型職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)の利用は障害者職業センターやハローワークなどの機関に申し込み、無料で支援を受けることができる。

〇 訪問型ジョブコーチの支援は事前に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構地域障害者職業センターが作成もしくは承認をした支援計画に沿って行われる必要がある。

〇 訪問型ジョブコーチの支援ご本人への直接の支援だけではなく支援対象事業主に対する支援やご家族への支援なども必要になる。

〇 訪問型ジョブコーチの条件は該当する養成研修の修了者というだけでなく、障害者のための就労支援の業務経験が1年以上ある方であることが必須である。

ここまでご拝読いただきありがとうございました。

この助成金の特徴としてジョブコーチの制度と助成金の制度の両方が関わってくることもあり、少し内容が複雑に思われるかもしれません。

※ただ無料で利用できるので、是非障害者雇用される事業主様はジョブコーチの制度ご活用いただけたらと思います。また、逆にジョブコーチの支援の提供を考えている事業主様は是非助成金を活用していただけたらと思います。

※2021年2月8日訂正

土日は別の企画の投稿をしまして、次回は次週8日(月)より訪問型職場適応援助者の支援についての後編の解説していきたいと思います。

次回もよろしくお願いいたします。


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