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二拠点生活のために脱ペーパードライバーに挑戦した話

翔泳社でリモートワークが始まって約2年。

その生活にも慣れてきて、「どこでも働ける環境が整いつつあるし、将来的に翔泳社で認められるなら、北海道の地元と東京の二拠点生活をしてみたい」と考えるようになりました。

大好きな今の仕事を続けるためには、大好きな地元とのつながりが薄れていくのは仕方がない。そう割り切っていたのですが、リモートワークを経験してみて「どちらか一方を選ぶのではなく、両方選ぶという選択肢もあるのでは?」と思うようになったのです。

しかし、地元から離れてもう20年。

生活拠点として根を下ろすためには、限りなく細くなってしまった地域の人間関係の再構築、実家の仕事環境の整備、東京での住まいをどうするかなど、様々な課題があります。

その中でも特に大きな問題となりそうなのが、移動手段の確保です。

札幌圏を除いて、北海道の生活には車は欠かせません。
ですが、ほんの少し前まで、ずっと東京で生活するものだと思っていた私は、免許を取得してから約20年間まったく車を運転してきませんでした。

このままではまずい……。

ということで、先日のゴールデンウィークの休みを活用して脱ペーパードライバーに挑戦してみました。

車なしでは生きられない! 田舎の交通事情とは?

私の地元である根室市は、北海道の辺境にある人口2万人強の街です。

市内の路線バスは本数が多いルートでも1日に7本程度しか出ておらず、車がないと日常生活がかなり制限されていまいます。

また、大きな商業施設や映画館、マクドナルドなどは市内になく、ちょっとした買い物でも約120 km先の釧路市へ行くのが当たり前になっています。

それにもかかわらず、釧路に向かう鉄道は3時間おきにしか出ておらず、風や雪などの天候によってはすぐに運休になってしまいます。

※もちろん、厳しい自然環境・予算の中、鉄道の管理をしてくださっているJR北海道の皆様には頭が下がるばかりです。

さらにいうと、人口減少が急速に進んでおり、10年後も今の水準で鉄道やバスが維持されているという保証はありません。

今後のことも考えると、やはり車の運転は避けては通れないのです。

ちょうど、先日のゴールデンウィークに、約2年ぶりとなる帰省の予定があったので、実家の車を使わせてもらって集中的に運転を練習することにしました。

緊張で震えた20年ぶりのハンドル操作

ただ、まともに運転するのは約20年ぶりということもあり、いきなり一人で公道に出るのは危険すぎるように感じました。せめて、基本操作だけでも復習したい……。

そこで、地元での運転練習の前に、東京でペーパードライバー講習を受けることにしました。

助手席にブレーキがついているタイプの教習車を使って、普段は自動車学校で勤務している教官にマンツーマンで教えてもらえるようです。

2時間で約1万4,000円と決して安い金額ではありませんが、もし、いきなり一人で練習して事故を起こしてしまったら……と考えると高い金額ではないとも感じました。

そして研修当日。場所は、住みたい街ランキングでも毎回上位に来る吉祥寺。日曜日だったこともあり、たくさんの車や人であふれています。

危険な事態になれば、教官がブレーキをかけてくれるとはいえ、ど素人レベルの技術しかない人間が運転してはいけない場所のように思えました。

ここで事故を起こしたら間違いなく社会人生活が終わる……。

ガチガチに緊張した状態でレッスンが始まりました。

左折表示をしようとしてワイパーが動き出したり、減速が不十分なままカーブに入ろうとして助手席のブレーキが発動したり、さまざまなアクシデントが起こりました。

それでも、教官の方の的確な指導と「もっとリラックスして大丈夫ですよ」「ここはいい判断でしたね」といった優しい言葉がけのおかげで、運転のコツを徐々につかんでいきました。

左折、右折、車線変更などの練習を何度も繰り返し行い、講習が終わるころには交通量の多い吉祥寺の道路をある程度自信をもって運転できるようになっていました。

やはりプロの教官ってすごいんだなという尊敬の念が芽生えると同時に、心の底からペーパードライバー講習を受けてよかったと思いました。

そして、ついに地元での特訓開始

そして、ゴールデンウィーク。ペーパードライバー講習で得たいくばくかの自信を胸に、地元に到着しました。

与えられた期間は、有給休暇取得分も合わせて1週間。新しい教官として両親の協力を仰ぎ、ついに地元での公道デビューを迎えました。

初日は近所のスーパーまで恐る恐る運転するのが精一杯でしたが、事前にきちんと講習を受けたおかげで大きなトラブルもなく終了することができました。

2日目は市内をぐるぐると回り、3日目は後続車にたくさん追い抜かれながらも、30km程度離れた北海道最東端の納沙布岬を往復するなど、徐々に距離を伸ばしていきました。

幸いにも地元の道路は、吉祥寺と比べると驚くほどに交通量が少なく、道路も複雑ではありません。初心者が運転技術を練習するのには北海道はうってつけの場所だと感じました。

4日目、5日目には、教官である両親の許しを得て、一人での運転をするようになりました。目的は趣味の写真撮影です。

以前から「この場所で写真を撮りたい!」というスポットが根室市内にいくつもあったのですが、自分で運転をしていなかったので、気兼ねなく行きたい場所に向かい、好きなだけ写真を撮るということはできませんでした。

今回は、たっぷりと時間がとれたこともあり、いつもよりもいい写真が撮れたような気がします(笑)

運転訓練中に撮った写真

そして、特訓の仕上げとして、両親を連れて1泊2日の温泉旅行をすることにしました。

はじめての長距離運転で緊張もありましたが、約400km(直線距離にして東京都から大阪府くらいの距離)の行程を無事運転することができました!

https://goo.gl/maps/2h2KayiHZPSm42sNA

今までも両親を連れて旅行に出かけることはありましたが、公共交通機関ではなく、自分の運転で旅行をしたことに対しては、また違った感慨がありました。

脱ペーパードライバーのすすめ

正直に言って、ペーパードライバー講習と地元での特訓のたった8日間で、ここまで運転できるようになるとは思っていませんでした!

ある程度車が運転できるようになったという自信を得て、二拠点生活に向けたハードルを1つ超えられたことが嬉しいです。

ただ、今の自分は、少しだけ運転をする自信がついたというだけで、運転初心者であることには変わりはありません。

今後は、自分自身の運転技術の未熟さ、経験のなさをしっかりと自覚しつつ、再びペーパードライバー講習を受けたり、運転をする機会をできるだけつくったりしながら、技術の維持・向上に努めたいと考えています。

東京や大阪などの大都市圏で生活をしている人の中には、私のように運転する機会がないまま、ゴールド免許が財布の中に眠っているという方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

地方移住や二拠点生活に興味があるなら、時間があるときに脱ペーパードライバーに挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。きっと、将来の可能性を広げてくれるはずです!

(編集部 熊谷)

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