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実は…包装カバーかえました ~環境対策品へ~

コンビニやスーパーでのビニル袋有料化が始まり、また大手コーヒーチェーンではプラスチックストローの代わりに紙ストローが使われるなど、身近なところでも環境への配慮が広がってきました。

私自身も、コンビニで買い物をした際にビニル袋を貰わない(買わない)ようになりました。「5円とはいえもったいない!」という感覚です。

不便を感じることもありますが、無ければ無いでなんとかなるもんですね。これが結果的に環境対策に繋がるので、有料化は確実に効果があるわけです。

さて、そんな環境への取り組みが社会的にも高まる中、先日弊社でも環境対策商品への切り替えを実施しました。

クリーニング業では、サービスを提供する上で、石油関連の資材を数多く使用しています。

特に大量に使用しているのが、プラスチックのハンガー、包装用のビニル。どちらもクリーニング後のお洋服には欠かせません。

プラスチックハンガーは店頭で回収して、洗浄後再利用するか、使えないものはリサイクル業者に回収してもらっています。その多くが資源として何らかの形で再利用出来ているわけです。

一方で包装用カバー。

皆さん着用前に破って捨ててますよね?そうなんです、クリーニング品にかかっているビニル包装は、全て廃棄されています。

日常生活で別の用途に使える?と考えてもなかなか思いつかない…捨てるしかないんですね。

ちなみに、このクリーニングの包装ビニルは有料義務化の対象ではありません。『サービスの提供』として使用されるビニル袋は例外とされているんです。

仮に有料化対象だったとしても、じゃあこのビニル包装をせずにサービス提供ができるだろうか?と考えると、非常に難しい…。

お洋服をむき出しのまま運ぶわけにはいきませんし、透明でなければ商品毎の確認も出来ませんし…。

実際のところ、このビニル包装無くして、クリーニングサービスは成り立ちません。

とはいえ、ビニル袋の廃棄を減らす努力は、企業の責務。

何か出来ることはないか?と考えて取り組んだのが『厚みの薄いビニルに変更する』という方法でした。

厚みが薄い、ということは、それだけ使用するビニル量が少なくなります。具体的には、一番使用量の多いハンガー商品にかける包装ビニルを、従来品の2/3の厚みのものに変更しました。

使用面積は同じですが、厚みが2/3なので、当然ビニルの廃棄量も2/3となるわけです。

具体的にどれくらい廃棄量が減るのかというと、当社工場では年間1000m巻×800本の包装ビニルを使用しており、その厚みが2/3になることで、約3トンの廃棄量削減に繋がります。

サービス提供する上でどうしても必要なのでゼロには出来ませんが、ビニルゴミの廃棄量が年間3トン削減となれば、それなりの成果と言えるのではないでしょうか。

包装カバー変えました②

と先に成果を書いてしまいましたが、実は包装ビニルの変更にあたっては色々と試行錯誤がありました。

まず、包装ビニルが薄くなると安っぽく感じられないか?という心配です。

ビニルは厚みによって触った質感が変わります。薄くなるとそれだけペラペラで安っぽく感じてしまうかもしれません。

また、薄くなると破れやすくならないか?という心配もありました。お客様の持ち帰り時、簡単に破れてしまうようでは問題です。

包装資材屋さんとも色々と相談をしながら、たどり着いた製品が今回の薄さ2/3の包装ビニルでした。

このビニル、従来使用していた素材に、柔軟性のある別素材を貼り合わせて作られた多層構造になっていて、

包装試験をしてみると、薄い割にはビニルに張りがあり、柔軟性もあるので裂けにくく破れにくい。

しかも、従来品より透明度が高く、仕上げた衣料品がよりクリアに見えます。

ただし…いいことばかりというわけではありませんでした。

触った感じがシャリシャリとしていて、やはり薄いビニルであることを感じさせます。

また特殊な製法のため、2/3のビニル量にも関わらず、価格がそれほど安くない…

とはいえ、やはり今一番優先して考えるべきは、廃棄量を減らすこと。

その目的を最優先で考えた結果、この厚さ2/3ビニルの導入を決意したのでした。

包装カバー変えました①

導入から数か月後、正栄クリーニングのお客様でもあり、取引先でもある、とある金融機関の担当者と話をしていた際に、

「そういえば、正栄さん包装カバー変えました?」

という話になりました。

毎週末に出してくれているヘビーユーザーな担当者は、すぐに気が付いたとのこと。

薄くなっているので色々対策されてるんだなぁ~と感じたそう。

ただ…その薄くなっていることが、ビニルゴミの排出量削減になっているとは結びつかず、経費削減の企業努力と感じていたようです。

まぁそうだとしても金融機関へは好印象ではあるわけですが。

なるほど、発信しないと伝わらないんですね…ということを改めて実感したのでした。

だから…今回のnoteでは包装ビニルを変えた理由を記事にしました。

単なる経費削減ではないことを知ってもらいたい。

そんな想いです。

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