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「何のために生きるのか?」

以前、「障がいを持つって?」というテーマで取材を行いました(くつべらマンの「プロにきく!」vol.11)。

そのときお話を伺ったのは「障がい福祉サービス事業所の”職員”さん」でした。今回は「障がい者介護を生業とする”事業主”さん」です。お仕事の対象が、よりご高齢の方に。インタビューの焦点が「”障がい”の意味」から「”仕事”の意義」へ変わっています。細かいですが、念のための解説です。

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(愛車で出発!)

質問をくれたのは、若葉さん(仮名)。ご家族で介護サービスを利用されている方がいるので、訪問介護や居宅介護に興味を持ち、通学もされているそうです。

学校では、介護サービスに関わる制度や支援方法など、技術的なことを学べますが、果たして「それだけなのか?」という疑問。

学校の授業だけでは聞けないことを、事業主の方に聞いて欲しいというものでした。

学校の授業だけでは分からない事って、沢山ありますよね。

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(あれあれ。また話が逸れるのか。混乱するくつべらマンの図)

児童養護施設の中には、「勉強」や「学校」を嫌がる子が多く居ます。

よく聞くフレーズの一つは「(学校で得た知識って)役に立たなくない?」です。

「弁護士ってどうやってなるの?」(くつべらマンの「プロにきく!」vol.10)の記事でも、児童養護施設で生活する子どもの勉強への苦手意識について触れましたが、ここは「”勉強しても弁護士になんかなれっこねえよ”という学力が及ばない自信のなさ」。

さっきのフレーズは「学校教育の意義”学校なんて意味ねえ”」ですね。

これについては賛否両論いろいろありますね。多面的で複合的で、規模の大きな話だと思います。(議論から逃避)。ここでは一側面、一要素の意見を。

勉強に気が乗らないのは、「生きる」に直結する実感がないからでは?

「虐待」という強烈な経験をした方たちを「サバイバー」と表現することがあります。あるいは思春期の「自分とは」の命題も、程度の差こそあれ似た心境かもしれません。自己が脅かされている人が注視する情報は「いまを生きる」に関する情報。孤立を避けること、安全を得ること、快を感じること。それに関わるヒント・答え・体験。学校教育は、自立後を見据えた「長期的」な取り組みです。お仕事中、若い方が計画性なく刹那的に見えるときがあるのは「いまを生きること」に一心でいるからかもしれませんね。それが生い立ちによるのか施設という箱によるのか若さ故の通過点なのか、児童養護施設で思う機会の多い仮説でした。

今回インタビューした方は過労「死」を経験されています。その生死の境目に立つ体験の後に「介護」の道を選ばれます。ここで語られる介護の仕事とは「人」に対する観察と覚悟の物語。そう感じたので「人は何のために生きるのか」と題をつけさせていただきました。

人は「将来」に向けて、学習をします。未来の目標をより具体的に思い描いているほど、継続ができると思います。

過去の勤務を振り返ったとき、子どもと「通学や学習の先にある、各々の未来や可能性」について十分に話し合ってきただろうか...いや...不十分だったな...と思い返すことが多いです。ただ「まずレールにのりなさい」と。

彼らの将来にある無数の可能性。そこにどう「学校」が寄与するのか。学校というものが「どんな選択肢」なのか。しっかり言語化することが出来なかったという未熟を反省する日々......。

今回質問をくれた若葉さん(仮名)には、介護の仕事の「実際」から介護の仕事を選ぶ「生き方」までお見せできたらな...と努めます。

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(熱意を見た目で見せる、くつべらマン)

そんな訳で、今回は障がい者介護の事業主をされている岡野様、榎本様のお2人にお話を聞いてきました。

↑↑↑ 動画の本編はこちらからご覧いただけます ↑↑↑

取材のあと印象に残っていたのが、お2人とも「メインの介護事業以外にも事業をしている」という共通点。ともに「地域の方々との交流」を重視されているようです。

その理由は動画本編の中に。ここで声にしたいのは、お話の節々から「”人の生”へのリスペクト」を感じる、という印象です。「人の生」が何なのか。私には分からないのですが、お二人の手の中には「それ」が乗せてあるのだと何となく、思うのです。制度の仲介や、介護の動作の真ん中に。

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(おっと、詩的になっちゃったよ。の、くつべらマン)

榎本様は「相手は人ですから」とご自身の仕事を説明されていました。

岡野様は「いろんな人が”ごちゃまぜ”だと良い」と仰っていました。

介護というお仕事の舞台に、「お給料」に還元できない、何か...「甲斐のような何か」を見出されているのだな、と思いました。

ところで。

今回の取材は、岡野様の事務所「シモキタステーション」にて実施させていただいています。

お仕事の拠点として、地域の方々との交流の場として活用されている場所ということで、今回の取材に同行した幼児を遊ばせて頂いていました(本編でも、子どもの声が聞こえます。)

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事務所の外にも中にも、いろんなスタイルの椅子や、ワクワクするような小物が配置してありました。

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定期的に食事会も行っているらしく、今回の撮影に若者が関わっていると言うと、豪華な食事まで用意して下さいました!(みんな大好き焼肉!!)

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撮影終了後、みんなでワイワイお食事を堪能させて頂きました。

定期的に実施するお食事会でも、こんな風にみんな「ごちゃまぜ」で交流されているのでしょうね。


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岡野様、榎本様、有難うございました。

私たちも、形のない「ひとりひとりの生」を大切に、対人援助職を務めていきたいと思います。

若葉さん(仮名)、いかがでしたか? 学校の授業とは別の「学び」はありましたか。介護のお仕事の対象であり、ご自身の勉強の目的でもある「生きる」ということ。どのお仕事の主役にも「人」がありますが、介護は「生きるとは?」を考える機会の多い仕事だという気がしました。

現在は在学中とのことですが、今後の若葉さん(仮名)の学びや歩みを豊かにする一助に、この動画がなったら嬉しいな、と思っています。

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続く。

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