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【ひとりドラフト】戦力編成・指名方針の考察【福岡ソフトバンク編】

現有戦力の分析

先発投手
千賀滉大がエースの働き。今まで何だかんだ故障でいなくなる時期がありましたが、今年は1年走り切り自己最多の180イニングを投げ、リーグ2位の13勝、同最多の227奪三振、奪三振率はリリーフ投手並みの11.33でした。球速もぐっと上がりましたが、自身で制御しきれていないのか与四球率は3.74になりました。ですが間違いなく今の日本球界で最もメジャーに近い投手でしょう。旬が過ぎないうちに挑戦してほしいです。パワー系サブマリンの高橋礼は2年目にして覚醒し12勝をあげました。同じく2年目の大竹耕太郎は一時は防御率トップを争いましたが、援護に恵まれず5勝止まり。ミランダは7勝をあげたものの安定感がなく、平均で5回にも満たないイニング数ではローテーション投手とするには微妙です。武田翔太も安定感に欠けるものの、先発と中継ぎと行き来させて良くなるような投手ではないでしょう。使い方を考えてあげてほしいです。その他、大ベテランの和田毅が復活したものの平均で5イニング未満しか投げられず、二保旭スアレスを先発に回し、東浜巨松本裕樹も定着できませんでした。以上のような調子で、千賀以外に安心して見ていられる投手が少なかったように思います。
2軍では37歳のベテラン中田賢一が最優秀防御率のタイトルを獲得。なおその防御率は3.02。いつでも上げられるようにという調整もあったのでしょうが、ベテランに95イニングも与えてどうしようというのでしょう。「育成のホークス」らしくありません。笠谷俊介板東湧梧は一定程度の結果は出しましたが、年齢やキャリアを考えるとそろそろ1軍に定着してほしいところです。その他、二保やスアレスも。本当に育成のチームなのか?と思うぐらい「有望な若手」がいなくなってしまったなと感じます。

中継ぎ投手
工藤監督の酷使によって毎年のように故障者が続出しています。昨年はサファテが股関節、岩嵜翔が肘を怪我して長期離脱。2人とも今年も1軍ではほぼ投げられませんでした。また、昨シーズン72試合に登板した加治屋蓮は今年は防御率6.00まで打ち込まれ、先発に中継ぎに投げまくった石川柊太は怪我でポストシーズン直前まで1軍に戻れませんでした。去年から抑えを務める森唯斗も途中離脱があり、セットアップの甲斐野央が代役を務めました。その甲斐野も、65試合26ホールド8セーブと大事な場面でよく投げましたが、終盤は疲れからか打ち込まれました。ああもうめちゃくちゃだよ。それでもモイネロが60登板で1点台、嘉弥真新也が50登板とブルペンを支え、ついに覚醒した高橋純平が45登板17ホールドの活躍。松田遼馬椎野新らモップアッパーも優秀で、川原弘之の復活も嬉しい話題でした。
2軍では岡本健が最多登板。肩肘ではなかったものの酷使で怪我を負ってからの復活です。応援しない理由がありません。2年目の田浦文丸は1軍でも登板機会を得て順調に成長中。田中正義は2軍では敵なし状態。育成左腕の渡辺健史もいい成績を残しているので支配下にしてあげてほしいなと。ルーキーの泉圭輔杉山一樹も経験を積みました。先発に比べればまだ若手がいて、時間がかかった選手でもモノにできている印象です。

捕手
甲斐拓也が攻守に充実しています。森友哉とかいうやべえやつがいるせいで大きなプラスにはなりませんが、捕手でOPS.733は非常に優秀です。いまいち信頼を得られていないのか、代打を出されることがけっこうありましたが、彼より打てる選手なら代打に温存せずレギュラーで使いましょうよ。甲斐キャノンも健在で盗塁阻止率はリーグ2位でした。控えには大ベテランの高谷裕亮がおり、栗原陵矢も少し起用されましたがほぼ甲斐のみでした。
2軍では九鬼隆平が定着し結果を残しました。打撃力を買われ一塁での起用もまずまずありました。栗原も打撃がよく捕手以外でも起用されました。「捕手」の層としては微妙ですが、一応若手が充実していると言えます。

内野手
37歳の内川聖一が未だファーストのレギュラーに君臨していますが、OPS.666は規定打席に到達した年では最低の成績で、また一塁手の打撃としては不十分です。サードにも36歳の松田宣浩が君臨。しかも全試合出場。30本塁打と衰えぬ打力を見せていますが、こんなことでいいのかなあ…
2軍ではコラスが打撃好調で支配下を勝ち取りました。パワーがあるのは分かりますが、如何にも脆そうなかんじ。初ホームラン見たんで頑張ってはほしいですけど。サードでは増田珠が活躍。プロ入りしてからの内野転向とか失敗する未来しかないと思っていたんですが、とりあえず打撃で躓くことはなかったようです。守備力は知らないですが、とりあえず16失策は課題です。美間優槻も出ています。登場曲のセンスがいい()

セカンドの最多出場は明石健志。最後は上げてきたものの、シーズン途中には若月並みのOPSで1番を打つとかいう狂気の沙汰を見せられました。明石の次に多かった牧原大成も相変わらず頭の悪い(失礼)打撃でOPS.600以下。こんな選手が100試合以上に出ていてなぜ最後まで優勝が争えたのでしょう。ちなみに盗塁成功率は5割以下です。不動のショートだった今宮健太はこのところ故障がちで今年も離脱がありましたが本塁打は自己最多。やっぱ明豊の今宮は最高や。代役では高田知季の出場が多かったですが、守備はまだしも打撃は絶望的です。
2軍の二遊間では三森大貴川瀬晃が出ていますが、成績はどっこいどっこい。打撃でも守備でも飛び抜けたものがないので、ただただ三森が好きという以外には戦力として推せる要素が無いというのが本音です。何と言うか、能力的な意味でぐっと惹かれるものが欲しいです。

外野手
柳田悠岐中村晃上林誠知のレギュラー組に加え福田秀平までもが怪我に苦しみ、スタメン外野手全員が内野手登録の選手という日もありました。そんな不運はありましたが、グラシアルがレフトに定着してチーム最高の成績を残し、釜元豪も頑張りました。周東佑京は打撃こそまだまだですが、球界No.1クラスの俊足でチーム最多の25盗塁、成功率8割超えを記録。脚だけで日本代表に選ばれるほどです。
2軍では、7年目を迎えた真砂勇介が今年も主力を張り盗塁王に輝きました。打撃だけでなく走塁の引き出しも増えたように見えて、実は器用貧乏化が進んでいるのではないかと危惧しています。まあ出番をあげたくても1軍があのメンツでは。育成の田城飛翔は過去2年でわずか13試合の2軍戦出場だったのが、打撃が覚醒し112試合出場で打率3割を記録しました。キャンプで見た時はトスを明後日の方向に飛ばしていたのですが。非常に楽しみな選手です。

指名打者
デスパイネが自己最多の本塁打、最高のOPSを記録しました。けど何故かあんまり怖くないように感じるのは私だけでしょうか。

3軍各ポジション
3軍はデータが少なく起用法も分からないので、投手は登板数とイニングから推察するしかありません。古谷優人長谷川宙輝スチュワートあたりは先発で経験を積んでいると思われます。それぞれイニング数以上の三振を奪い力の差を見せています。そろそろ2軍へ。島袋洋奨笠原大芽もけっこう投げていましたがクビになってしまいました。リリーフでは尾形崇斗吉住晴斗岡本直也小澤怜史渡邉雄大重田倫明などなど。
捕手は張本優大堀内汰門が多かったもののあまり良い成績ではなく、既に張本は戦力外通告を受けました。
内野は、セカンド野村大樹・ショート砂川リチャードとかいう起用がされていたようですが俄かには信じ難いです。まあ打撃成績は良かったのでOKとしましょう。3軍の起用なんて流動的ですし。黒瀬健太古澤勝吾ら”育成落ち”の選手も支配下復帰のため奮闘しています。外野では大本将吾日暮矢麻人などスラッガー系の選手が多く出場していたようです。

補強ポイント

ひとりドラフト年齢ソフトバンク

先発投手はやや物足りません。千賀ぐらい信頼を得られる、悪くてもそれなりに投げられる先発が多ければ、毎試合がCSみたいな采配を取らなくて済む…かもしれません。優先度はさほど高くはないですが、できれば即戦力を指名したいです。
来季も酷使が予想される中継ぎですが、2軍の顔ぶれを見るに、下からの突き上げはさほどないように思います。「工藤におもちゃを与えるな」と言われそうですが、ほぼ常勝が義務付けられているホークスにおいては、来年も優勝争いをしたいなら補充しないといけないでしょう。また、先発・中継ぎともに左腕が少ないので、無理にとは言いませんが頭の片隅には置いて指名したほうがいいと思います。
捕手は栗原・九鬼がいるので若手の素材は育成指名でかまいません。ただ、栗原・九鬼がいきなり1軍の控えというのも難しいので、ポスト高谷的な選手で層と頭数を増したいです。
ファーストは札束を積めば良い打者を連れてこられますし、中村晃を戻すこともできるので過度な心配は不要でしょう。サードは増田や野村を育成中。来年松田が離脱した時のことを考えると危険しかないように思いますが、優先度は低いかなと。未だに明石や川島がレギュラーで出る状態のセカンドは一刻も早く手を打たなくてはなりません。ただ、2軍で起用される川瀬や三森は決め手に欠け、明石や川島を使いたくなる気持ちは分かります。可能であればレギュラー格のセカンドを指名し、さらにそもそもの頭数の確保にも動きたいです。
外野手はレギュラー格が豪華ですが頭数がやや足りておらず、今年みたいにそして誰もいなくなることもありえます。万が一に備えて即控えクラスと、素材型も指名しておきましょう。
3軍にも引き続き良い素材を供給しましょう。高校生も多いですが、知名度が無くても何か飛び抜けた能力がある素材型の大学生も指名があります。

指名方針

ひとりドラフト5年指名ソフトバンク

ドラ1はその年一番の選手に行く傾向があります。育成力に強い自信があってか、ここ数年は素材型偏重の指名をしてきましたが、酷使で潰す早さに育成が追いつかず、いい加減戦力バランスが悪くなってきたので去年はまず投手に即戦力を供給しました。野手は若手酷使ではなくむしろベテラン酷使で、下があまり育っていません。また社会人の指名が少なく、最後の社会人野手の指名は2005年の本多雄一、大卒社会人となると2002年の森本学まで遡ります。

今年の1位指名は佐々木朗希(大船渡)でしょう。ロマン枠感が強く未来予想図が描き辛い選手ですが、このファーム組織を持ったホークスならなんとかなりそうな気もします。ハズレ1位も素材型と予想。最後の1年でぐっと完成度が高まった西純矢(創志学園)か、琉球トルネード・アゲインとなる宮城大弥(興南)か、はたまたポスト松田で石川昂弥(東邦)か。石川は三塁守備が怪しく外野転向がいいなんて評価もあります。ソフトバンクのファームならどこかしらでモノになるでしょう。
即戦力の投手でかつ左腕であれば、鹿児島出身の浜屋将太(MHPS)や福岡出身の坂本裕哉(立命館大)。さらに九州の即戦力投手を紹介すると、知る人ぞ知る不屈の右腕・小川一平(東海大九州)や「宮崎のチームで全国優勝」を目指し宮崎に残った杉尾剛史(宮崎産業経営大)、ともにパワーピッチャーの福森耀真浦本千広の九産大コンビらが有力候補です。
1軍に置けるレベルの捕手は、大学BIG3を除けば柘植世那(ホンダ鈴鹿)ぐらいでしょうか。頃合の選手がいないので意外と争奪戦になるかもしれません。
セカンドには即戦力と言いたいですが、大学生には二遊間の候補が少なく、社会人は指名しないので選択が難しいです。守備力で1軍に置けそうな檜村篤史(早稲田大)を入団させてから打撃を鍛えるのがベストになるかもしれません。高校生なら近藤大樹(西日本短大付)や川野涼多(九州学院)ら地元九州に良い素材がいます。
もしもサードを指名するなら勝俣翔貴(国際武道大)が最も即戦力かなと。大穴予想で片山勢三(パナソニック)は…ないか。
外野手は高部瑛斗(国士舘大)がおすすめ。走攻守の三拍子揃ったタイプ的にも実力的にもハマるでしょうし、国士舘大からは椎野・重田と2年続けて指名している実績もあります。少ない右打ちの選手なら小野寺暖(大商大)が好きです。大学ではセンターを守り、勝負強い打撃で4番に座っています。え?好みは聞いてない? 平野大和(日章学園)や武藤敦貴(都城東)は地元の素材型高校生です。
3軍のために育成指名できないかなあという選手も紹介。まさか育成までは残らないと思いますが、及川雅貴(横浜)をモノにできるのはごく一部のチームだけで、それはファームがしっかりしたホークスかなと。さらに、一芸系で知名度の低い大学生投手では山田綾人(玉川大)や米田知弘(大阪大谷大)がどこかから指名されてほしいと思っています。また、怪我で3,4年時はアピール不足でしたが福島滉貴(立命館大)や福森建(佛教大)はパワー系投手として一部界隈から指名を待望されています。

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