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【ひとりドラフト】ドラフト会議2019採点【セ・リーグ編】

どうもどうも。実に1か月ぶりの更新です。某所へ寄稿する記事の執筆のためにこちらへの投稿が滞ってしまいました。今回はドラフトの採点です。あっという間に時間が経ち新鮮味がなくなってしまいましたが、もう少しお付き合いください。

さて、これから各球団のドラフト指名を採点していきますが、以下のような観点で評価します。
ドラフト前の動き…以前の記事で指摘した補強ポイントについておさらいします。
指名の振り返り…指名を受けた選手がそれぞれどのような選手かを簡単に紹介します。
指名講評…補強ポイントをおさえていたか、その順位やポイントにふさわしい選手か、指名の意図が読めるかを評価基準とします。
まとめ…A+、A、B、C、Dの5段階で採点します。某大学の評価と同じにしました。A~Cは概ね優・良・可、A+はそれ以上で、Dは忖度で合格点ジャストにしてもらった、と考えてもらえれば。

東京ヤクルトスワローズ

ドラフト前の動き
補強ポイントは一にも二にも投手。改善の兆しが見えない先発に良い投手をたくさん供給したい。中継ぎも毎年酷使して壊しているので、今年活躍した人もどうせ壊れる、ぐらいのつもりで供給を続けましょう。素材を育てたい気持ちは分かりますが、そんなことしている余裕はありません。今すぐ1軍投手陣を整備する。話はそれからです。捕手も若手が伸びておらず中村頼みなので誰か取ってもいいかと。外野は全体的に高齢化しており、またセンターを守れる人が少ないです。

指名の振り返り
1位 奥川恭伸  投手 星稜高
2位 吉田大喜  投手 日本体育大
3位 杉山晃基  投手 創価大
4位 大西広樹  投手 大阪商業大
5位 長岡秀樹 内野手 八千代松陰高
6位 武岡龍世 内野手 八戸学院光星高

当たりを引いた奥川恭伸は今年の高校生では最高の完成度を誇る投手。育成が下手な球団でもそれなりに自生してくれそうなので、ヤクルトにとってはある意味うってつけの存在でしょう。しかしあの球団にあっては1年目から投げまくりそうで怖くもあります。最適バランスでお願いします。
独自路線な指名が強いヤクルトですが、2位吉田大喜はびっくりしました。こんなまともな指名が出来るなんて。法政パイプで宇草あたりを指名しそうと思っていました。吉田はバランス型の先発候補で、残っていた中では最も良い即戦力投手。杉山晃基が3位まで残っていたのはラッキー。大学では先発エースでしたが、出力があるのでリリーフでも面白いかと思います。4位大西広樹もよくここまで残っていたなと。出力で吉田大喜には劣りますが、バランスの良い投手です。先発ローテーション争いに入っていけるでしょう。奈良出身ですし今年2回見ているので応援しています。5,6位の長岡秀樹武岡龍世はともに左打ちの高校生ショート。優先度のあまり高くないポイントでしたが、身体能力の高さを買われてのことでしょう。

指名好評
奥川の1位指名を公言した時はふざけているのかと思いました。即戦力先発が欲しいなら森下以外に選択肢はないはずだと。やはり1位は補強ポイントよりも夢やロマンをとって、優先度の低いポイントの選手をだぶつきを恐れず指名することが多いですね。良い悪いは別としてそういう傾向があります。
ただ、何だかんだ言って最高の選手を指名できたのは評価が高くなる要素です。その後はヤクルトらしからぬ一点集中で、独自の人選ではなく王道を征く投手補強。しかも、ちゃんと先発で使えそうな投手とリリーフもいけそうな投手を共に確保。投手出身の高津新監督を迎え、がっつり舵を切りましたね。高校生ショート2人ですが、ポスト山田・西浦を考えたいので補強ポイントを全く外したというわけではないですが、頭数はいるので優先度はそこまで高くないと思っていました。ポジションのバランスなど考えて、内野の誰かを外野に回すつもりかもしれません。
捕手は層がやや薄く、しかも1人切ったのに指名がありませんでした。楽天を戦力外になった嶋を獲得するという報道が出たので納得ではあります。外野手も指名なし。いい候補が少なかったのも事実ですが、ちょっとまずいかなと。

まとめ
評価はAとします。押さえきれていないポイントもあるものの、全部を一気に埋めるのは不可能です。そんな中、一番大きい戦力の穴を重点的に埋めようとした指名は十分に合格点を超えるものでしょう。

中日ドラゴンズ

ドラフト前の動き
補強ポイントは1軍のレギュラー野手以外の全部でした。特に先発投手は貢献度が非常に低く、リリーフは質的に足りない状況でした。捕手も物足りなさがすごく、せめて加藤を超えられる即戦力捕手が欲しい。内野は優先度低めですができれば1,2軍ともに競争相手を加えたく、外野もやや高齢化が進んでおり補充が必要でした。

指名の振り返り
1位 石川昂弥 内野手 東邦高
2位 橋本侑樹  投手 大阪商業大
3位 岡野祐一郎 投手 東芝
4位 郡司裕也  捕手 慶応義塾大
5位 岡林勇希  投手 菰野高
6位 竹内龍臣  投手 札幌創成高
育1 松田亘哲  投手 名古屋大

石川昂弥を3球団競合の末に引き当てました。文句はありますが、今年一番の打者なので確保できたこと自体は良かったと思います。U-18の試合でも木製バットへの対応力の高さを見せていました。将来の主軸打者として大きな期待がかかります。守備だけが心配ですが。2位の橋本侑樹はパワー型左腕。準地元の大垣日大出身で、なぜかパイプのある大商大で、某企業からのプロ待ち内定持ちで2位縛り。この順位での指名は必然だったと思います。実は左腕が少ないので悪くない指名ではないでしょうか。岡野祐一郎も出力が上がって十分先発ローテに入れる力をつけました。この順位で指名できたのは美味しいのでは。郡司裕也を4位で指名出来たのも美味しすぎます。よく残っていたなと。肩の弱さを指摘する声もありますが、名門の慶應大で下級生時から正捕手になり、在学中ずっと勝ち点4以上を取り続けたのは評価すべきでしょう。打力があり、秋は三冠王です。岡林勇希は150キロを計測する投手ですがどうやら外野手として評価していた模様。竹内龍臣は素材型の投手。育成で指名した松田亘哲は高校時代バレーボール部だったという異色の秀才左腕です。

指名講評
全ポジションが補強ポイントなのでそこから外れた指名をするほうが難しく、必然的にポイントを押さえた良い指名になってしまうのは少しずるいような気すらします。
1位石川を公言しましたが、ださいなというか最悪のパターンだと思いました。圧倒的に投手力が足らず、森下と言いたいところを準地元だから奥川という予想をしていましたが、純地元のスター候補という補強ポイントを無視した付加価値的な部分を優先しようというのがいかにも”弱い”球団だなと。ただ、その後の指名で挽回できたという印象。橋本と岡野は来年いきなり先発ローテに入る力を持っていますし、郡司は純粋な肩の強さ以外の全てで加藤に勝っています。1年に1人当たりが出ればいいと言われるドラフトで、即レギュラー級を3人も指名出来たのは大きいと思います。岡林はその身体能力を外野で存分に活かしてくれるのが楽しみですし、若い投手が多く育てられているので竹内・松田も切磋琢磨してほしいです。
一方で、バッテリー以外の指名がほぼなかったのは少々気がかりです。亀澤を切って二遊間が見栄え的にだいぶ貧相になり、外野は福田秀平が文句なしのレギュラーになれてしまう層の薄さ。新人に過度な期待をするのもいけません。優勝争いはもう少し先になってしまいます。

まとめ
評価はBとします。石川を1位指名したことや、内外野ともに層が薄いままなことなど課題もありますが、岡野や郡司を美味しい順位で指名出来たことを評価しました。


広島東洋カープ

ドラフト前の動き
V奪回のためには投手、特にリリーフの整備が必要。できればノーコンパワー右腕以外で。捕手は微妙なところとしていましたが、會澤翼のFA移籍がなくなったので特に欲しいポジションではありません。田中の怪我の具合や菊池の去就次第では二遊間の即戦力が欲しくなります。外野は戦力外・引退で頭数が不足するので補充しておきたいところ。

指名の振り返り
1位 森下暢仁  投手 明治大
2位 宇草孔基 外野手 法政大
3位 鈴木寛人  投手 霞ヶ浦高
4位 韮澤雄也 内野手 花咲徳栄高
5位 石原貴規  捕手 天理大
6位 玉村昇悟  投手 丹生高
育1 持丸泰輝  捕手 旭川大高
育2 木下元秀 外野手 敦賀気比高
育3 畝章真   投手 香川OG

森下暢仁を単独指名できたのは非常に美味しいです。去年までは良い球を投げながらも何だかんだで打たれてしまう選手でしたが、今年は数字もしっかり残せるようになりました。今年一番の先発投手がなぜ一本釣りできるのか。宇草孔基は身体能力が高いとされる外野手。俊足で巧打(三振は多い)ですが意外とパンチ力もあります。高校時代は内野も守っていました。鈴木寛人は上位指名クラスとも言われた素材型の右腕。高校の先輩である遠藤淳志に続いてほしいです。韮澤雄也は好守巧打のショート。守備の評価は人それぞれですが。石原貴規は2回見ていますがあまり印象に残っていません(失礼)(出雲推し厄介)。玉村昇悟は知名度こそさほどではありませんが、知る人ぞ知る好左腕。育成では持丸泰輝木下元秀と良い左打者を2人指名。さらに、どういう力が働いたのか分かりませんが畝章真も指名しました。

指名講評
広島の指名について、多くのライター・評論家が100点かそれに近い評価をしていますが果たしてそうでしょうか。
やや枚数が足りていなかった先発ローテですが、森下を加えてリーグトップクラスのものになります。鈴木はタイプが被りますが、広島が育成ノウハウを持っているタイプでもあるのでハマってくれるのでは。玉村もものになってほしい素材。石原はなぜと思いましたが、ドラフト後に船越を戦力外にしたので合点がいきました。
たしかにここまでなら広島は勝ち組でしょう。ですが、宇草は2位指名のレベルなのかと言われると微妙(個人の感想)。広島の外野も市場の外野も頭数が少ないとはいえ、やっぱり法政だなあと。(語弊があるのでこれについてはまた小ネタとして稿を改めようと思います。) 肩というか送球に結構な難を抱えていますし、内野も守れるとは言いますが高校時代はという話で大学では出番を得られず外野に回った人。打力タイプなら西川、守備走塁タイプなら野間がいる状況で宇草だったのかなあと。舩曳推しとしては複雑な気持ちです(厄介)。また、小園を育てていて羽月も中神もいるのに韮澤を取ってどうしたいのかなと思います。菊池の後釜という評価を見かけますが、そういう評価には「羽月も中神も育てているのに」という部分が抜け落ちています。来年のレギュラー二塁手を三好や曽根にするのなら分かりますが。選手の良い悪いや誰が定着するかではなく、方針が見えないと感じます。

まとめ
評価はCです。森下以外はドンピシャと言える指名はありません。鈴木や玉村も良い投手ですが、即戦力を補強して来年巻き返す気はあるのかなと。このままではリリーフが崩壊しそうな気がしてなりません。内外野の即戦力もいませんが、辛うじて現有戦力で1軍は回せるレベル…なのかな。育成に成功すれば素晴らしい選手ばかりですが、意図が読めない指名で評価に苦しみます。

阪神タイガース

ドラフト前の動き
補強ポイントはほぼ全ポジション。は? 特に鳴尾浜は全ポジションが補強ポイント。は? 1軍は先発をもう少し補充して、福留・糸井を休ませても大丈夫なレベルの外野手がいれば嬉しい。守れるショートもいればなお嬉しい。捕手は数が不足しているので最低1人、年齢バランス的に高校生が必要でした。

指名選手の振り返り
1位 西純矢   投手 創志学園高
2位 井上広大 外野手 履正社高
3位 及川雅貴  投手 横浜高
4位 遠藤成  内野手 東海大相模高
5位 藤田健斗  捕手 中京学院大中京高
6位 小川一平  投手 東海大九州キャンパス
育1 小野寺暖 外野手 大阪商業大
育2 奥山皓太 外野手 静岡大

奥川恭伸は外してしまいましたが、高校生投手BIG4の西純矢を指名できました。150キロ超えの直球とキレキレのスライダー。国際舞台でも結果を残せる度胸というか気持ちの強さも良い。筆者も好きな投手です。阪神はこの手の高校生右腕を育てられているので預けても安心です(だれ目線)。井上広大の指名も分らなくはない。長打力のある外野手は一応補強ポイントでした。できれば即戦力がよかったのですが。この順位はどうなのかと思いましたが、読売が3位で菊田を指名したのを見るに井上を狙っていた可能性もあり、井上2位は正解だったかと。左腕が少ないので3位及川雅貴も分らなくもない話。高校生投手BIG4の一角で、潜在能力は素晴らしいものがあります。こんな超素材を育てられるのかという問題はありますが。若い二遊間も欲しかったので遠藤成も分かります。投手も兼任した身体能力の持ち主で、パワー型のショートです。小幡と競い合ってもらいたいと思います。捕手にも若い選手が欲しかったので藤田健斗も分かります。チームでは4番も務めた強肩強打が持ち味で、個人的な評価では高校生No.1捕手です。小川一平で投手を補充しようというのも分かります。知名度は低いですが、界隈では噂になっていた好投手です。育成では外野手を2人指名。小野寺暖は関西六大学を代表する強打者でありセンターも守れます。今季2度見た選手なので頑張ってほしい。奥山皓太は静岡大で初の指名。プレーしている姿は全く見たことがないので鳴尾浜で確認したいと思います。

指名講評
よく分かる指名です。分かるんですけど… 編成部というか指名を決めた人たち、甲子園しか見てないんですか?? ”偉い人”の知っている選手がいなくなってから、スカウトが残っている中で一番マシな選手を取ったのが小川だった、みたいな指名です。2,3年前の全盛期のソフトバンクがこの指名をしたら100点だったと思いますが、このガタガタの戦力なのに何故か毎年優勝争いを義務付けられている阪神がこれをしてはいけません。鳴尾浜の強化も必要なことではありましたが、今年の3位ですら奇跡だったのに、さすがにこれで来年優勝狙うなんて言ったら笑うしかありません。M-1優勝なら狙えるのでは。しかもこういう指名をしてファンと背広組が我慢するのかと言うとそんなこともありません。とりあえず鳴尾浜は面白そうなので行きます。

まとめ
評価はCとします。補強ポイントを外したわけではありませんが、それは穴が多すぎるだけ。2軍オタクは歓喜しそうな指名ですが、正直理性的とは言えないものだと思います。

横浜DeNAベイスターズ

指名前の動き
投手は先発をもう少し厚くしてリリーフも補充。捕手は頭数が不足しており指名が必須。二遊間は弱く、1,2軍ともに指名して厚みを増したい。特に2軍はレギュラー級を切ったのですぐに使える・使いたい選手が必要です。外野手はやや人数不足で、特に右打ちが少ない状態。飛び抜けた補強ポイントはありませんが、強いて言えば二遊間が一番薄いかなと思います。

指名選手の振り返り
1位 森敬斗  内野手 桐蔭学園高
2位 坂本裕哉  投手 立命館大
3位 伊勢大夢  投手 明治大
4位 東妻純平  捕手 智弁和歌山高
5位 田部隼人 内野手 開星高
6位 蝦名達夫 外野手 青森大
7位 浅田将汰  投手 有明高

森敬斗は身体能力が非常に高い遊撃手で、U-18ではセンターも守りました。今年の候補の中でもトップクラスの選手。賛否両論ありますが、悪くはない選択だったかと。ただ、折角裏をかいて一本釣りしたわけですから外野転向は勿体ない。是非ともショートで育ててほしいと思います。2位の坂本裕哉は完成度タイプの先発左腕。お手本になる先輩がたくさんいるので大きく成長してほしいです。3位の伊勢大夢はパワー型のサイドハンド右腕。大学では先発もやっていましたがリリーフ向きだと思います。東妻純平は上位で取れなかった捕手の補充。打力は言うまでもなく、捕手力は伸びしろしかありません。鍛えがいのある選手だと思います。田部隼人もショートの選手。森や知野らと競い合って成長してほしいです。蝦名達夫は打力のある右打ちでセンターを守れるという貴重な存在。浅田将汰はこの順位に残っていたのが奇跡的な速球派右腕。日本代表にも選ばれ、野手としての評価も高かった選手です。

指名講評
1位指名は戦力的なだぶつきを恐れずに”良い選手”を指名する「花をとる」パターンと、そういった一番人気をスルーして弱点の補強をする「実をとる」パターンとがあります。日本ハムや今年のヤクルトは前者であり、今回のDeNAは後者でした。森はハズレ1位で日本ハムが指名するなんて噂もあり、DeNAが指名したいのであれば1位一本釣りでないと不可能だったとは思います。しかし、単独1位の選手かと言うと…というかんじ。非常に的確で悪い選択ではあったと思いますが、ちょっと物足りなさがあるのも事実。ファンの手首を破壊する活躍を期待するばかりです。2位は海野隆司かなと思っていました。3位まで残ると予測して外れたのでしょうか?まさかソフトバンクが指名するなんて予想できませんもんね。正直あの年齢とタイプのバランスで東妻を指名するというのは少し違うかなと感じてしまいます。
後はまあいい指名でした。坂本は先発、伊勢はリリーフのデプス強化と意図が分かりやすい指名。内野にさらに若い選手を補充して、外野も枚数を確保。高卒右腕はここ数年連続して指名し、育てるメソッドが出来つつあるのでいい流れに乗れたと思います。

まとめ
評価はBとします。ファンの人からすれば全体的に小粒感というか物足りなさを感じたかと思いますが、非常に的確な指名で満遍なく補強ポイントをカバーできたのではないでしょうか。

読売ジャイアンツ

指名前の動き
先発投手は菅野が不調だったものの、三冠の山口をはじめ100イニング超えが4人、80イニング超えが6人いてまずまず揃っていると言えそうです。2軍にも高田・古川・戸郷らが控えます。リリーフは質が不足していたのを転向組と物量で乗り切ったかんじ。不安が拭えないので力を入れて補強してほしいです(ファン並の感想)。捕手は小林・大城・炭谷の併用が非常に上手くいっており、高校生で人数を調整するぐらいで大丈夫でしょう。内野は1軍のサードが弱点のひとつですが、現在は岡本に守らせることもあり、近い将来には坂本のコンバートもあるので即戦力の需要は微妙なところ。二遊間は田中俊・若林・山本・吉川尚・増田らがいるので需要なし。外野はセンターを守れるタイプの若手がやや少ないかと。

指名選手
1位 堀田賢慎  投手 青森山田高
2位 太田龍   投手 JR東日本
3位 菊田拡和 外野手 常総学院高
4位 井上温大  投手 前橋商業高
5位 山瀬慎之助 捕手 星稜高
6位 伊藤海斗 外野手 酒田南高
育1 平間隼人 内野手 徳島IS
育2 加藤壮太 外野手 埼玉武蔵HB

外れ外れの1位とは言え、堀田賢慎の指名には驚きました。良いという噂だけはあり見てみたい選手だったので嬉しくはありますが、情報が少なすぎたので本当に1位でいいのかと不安になりました。太田龍は昨年の都市対抗野球で若獅子賞に輝いた実力がありながら、まだまだ伸びしろを感じさせる即戦力と素材の中間的な投手。相対的に評価を落としてしまったものの、元々は1位候補と言われていた逸材。この順番で指名できるなら美味しいのではないでしょうか。菊田拡和は驚きました。長打力は評価されていたものの、どこ守らせるんや問題を抱えていた選手です。外野手としての指名ですが、もし岡本と一三塁を組めるなら浪漫がすごいことになりそう。井上温大は良い素材の左腕。田口・大江と小柄な左腕を育てられている読売なら期待できそうです。山瀬慎之助は将来の夢が「巨人の背番号10をつける」である捕手で、指名はまさにデスティーノ(運命)。年齢的にもいい。打力も伸ばしてほしいがとりあえずポスト小林候補。伊藤海斗は長距離砲タイプ。大柄で身体能力が高い、浪漫の塊のような選手です。育成指名は少なめでした。ポスト増田な俊足の内野手・平間隼人と、走攻守全てでBCトップ級の成績だった加藤壮太。ともに早い段階で支配下を勝ち取れそうな選手です。

指名講評
正直言って、ファンとしては不安の残る指名でした。田口やデラロサの先発再転向の話がある中、即戦力のリリーフを補強してほしいと思っていましたが、太田は中間の選手ですし、他にふさわしい選手の指名がありませんでした。あとの投手は素材ばかりです。菊田・山瀬・伊藤も補強ポイントではありますが、いずれも時間がかかりそうな素材型。若手厨にとっては楽しみが増える指名ですが、心配も尽きません。
ただ、金を積んで補強できるチームだからこそ許される指名とも言えます。「自前で育てるほうが安上がり」と思われがちですが、育成にも金はかかりますし活躍してくれるとも限りません(このあたりは稿を改めて)。金の力で補強した上で金の力で育成してほしいと思います。
また、育成指名が2人というのは2012年以来の少なさでした。現在の3軍にはまだ出場機会を与えたい若い選手が多く戦力外候補も少なかったので補充は最低限の人数にとどまった形です。その上で補強ポイントを押さえ、少なくとも3軍ではすぐに通用するレベルの選手を指名出来たのは評価を高くしていいと思います(”3軍ですぐに通用する選手”の大事さのほか、3軍について筆者が思うところは稿を改めて語ります)。

まとめ
評価はCとします。素材型に振った指名なので、今すぐに評価をするのは難しいです。数年後にはA+かもしれません。ただ、現時点での評価ならさほど的確とは言えないのでCとしておきました。


本当は球団ごとに1本の記事にするつもりでしたが、時間的余裕と鮮度を考えて断念しました。来年はもっと計画的に進めます。
次回はパ・リーグの採点です。
それでは次回の投稿でお会いしましょう!

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