綿野恵太『みんな政治でバカになる』に対するコラム記事につきまして

2021年10月15日付、日経ビジネス掲載の小田嶋隆さんのコラムにて、小社刊・綿野恵太著『みんな政治でバカになる』が紹介されていますが、このコラムにあるように「政治について語ることが無意味でバカだ」といったことが、本書で書かれているわけではありません。端的に誤読であると考えます。

本書は、政治について考えたりかかわったりする際につきまとう困難をどう乗り越えるかを、進化心理学や認知科学の知見を援用しながら真摯に(無知に居直るのでもなく、シニカルでもなく)考察したものであり、その執筆の姿勢は「政治を語るやつらはバカ」と揶揄的に語るような態度とは真逆のものです。

本をどのように読むかは読み手の自由でありますが、書かれていない内容をあげたうえで批判している点で、当該コラムの内容は的をはずしたものであると考え、本書『みんな政治でバカになる』についての誤解・曲解が広まることのないように、異議申し立てのコメントをする次第です。

小田嶋さんの切れ味鋭いコラムに対しては常々敬意を抱いておりますが、実績も影響力もある方からの、2冊目の著書を上梓したばかりの若い著者に対する批判としては苛烈、かつ的をはずしていると考え、著者および著書に対する誤解が広まらないようにする意味でも、無粋ながらもコメントさせていただきました。悪しからずご了承ください。

なお、『みんな政治でバカになる』の「はじめに」を、別ページにて公開しておりますので、読者のみなさま、書店担当者さまにおかれましては、よろしければご一読いただき、著者の意図がどのようなものであるか、本書が読むに値するものか、ご判断いただければと思います。(編集部)