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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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2022年2月の記事一覧

【禁止事項】ローラーブレーキグリスに代用品はありません【危ない】

 主にシティーサイクル、軽快車に使用されているローラーブレーキ。雨天でも制動力が落ちにくい、音鳴りがしにくい、長持ち(安価なリムブレーキに比べて)などメリットの多い後輪用のブレーキです。  いいことづくめなローラーブレーキですが、メンテナンスが全く不要なブレーキは存在しません。制動力が落ちてきたり、音鳴りが発生することがあり、その際には専用の「ローラーブレーキグリス」を注入する必要があります。  高い!高いのですが、必ず純正専用品を使用してください↓  昔、ローラーブレーキ

自転車業界、メーカー直販の流れ

 最近、自転車メーカーの直販化の流れがかなり顕著になってきています、せんだって、スペシャライズドが契約店を大幅に減らしたことが話題になりました。かなり一方的な方法でやったようです。  その前からもジャイアントがジャイアンとスタートを展開しましたし、トレックなどもそうですね。  また、パナソニックも自社通販を始めたり(これは元々やっていた、自社ECサイトでも自転車を買えるようにしたということです)  ブリヂストンも一部地域になりますが、通販を始めるようです。  そういう感じ

中古自転車こそ、きちんと作り込むべき理由

自転車屋をやるにあたって、中古自転車を取り扱うかどうかは悩むところです。というのも、単純に粗利益率だけで言うと、中古自転車はかなり利幅が高く、安い新車よりも利益額が高くなる場合もありますが、中古車販売にはある弱点があるからです。  それは整備するのに時間がかかるということです。逆に言うと、時間をかけなければ、かなり割のいい商品ではあります。  こういう経緯もあり、ほとんど手をかけずに、中古車を販売する自転車屋がかなり多く、中には必要最低限変えるべき部品も変えずに販売していると

自転車の歴史を学べる「自転車物語スリーキングダム」を読んで

 自転車のなかった時代から、戦前までの日本における自転車の歴史がまとめられた良書です。  物語風の文体で、子どもでも読みやすいのではないかと。  陸舟奔車(りくしゅうほんしゃ)という日本製の自転車に近い乗り物の話やドライジーネ、ペダル駆動車(オーディナリー、ペニーファージング)、チェーン駆動、チューブの発明、自転車の成り立ち・歴史も学べます。  その後は、日本における自転車の導入、製造に至る歴史が描かれます。。丸石、ミヤタ、アラヤ、シマノなどの今も現役の自転車企業の成り立

最近ヒリヒリしてないって話

自転車屋を開業して約5年、なんとか事業も安定してきたのですが、安定したことによって、開業当初に毎日感じていたヒリヒリ感が完全になくなってしまいました。 開業してすぐに近くに競合の自転車屋さんができたりして、かなり切羽詰まった感じで仕事をしていました。もちろん、赤字だったので、貯金通帳の残高もかなりヒリヒリしていました。  今はコロナ禍もあり、やや客足が落ちているとはいえ、値上げや改装も行い、うざいお客さん塩対応で追い返したりなどで、かなりいい環境になってきました。利益に関し

いま、自転車屋をやっていて不安なこと

シマノさんが値上げを発表しました。まぁ仕方ないといえば仕方ないのですが、独占企業ってガッツリ儲けてらっしゃるようで羨ましい限りです。 翻って、我々のような零細個人店になると日々大変な訳であります。 値上げにつぐ値上げ、ここ10年で新車の仕入れ価格は1.5倍ぐらいになってしまいました。5%の値上げが10年間続くと大体1.6倍ぐらいになるようです。となると、ここ10年で毎年5パーぐらい上がっていたということで、シマノの値上げはまぁそんなものかという感じです。 で、本題です。自転