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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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2022年1月の記事一覧

その場しのぎの修理はしない方がいい

 自転車屋をやっていると、様々な自転車が持ち込まれます。状態によっては修理よりは買い替え。調整よりはパーツ交換、といった症状のものが少なくありません。というか、簡単にさっと直る程度なら持ち込まれません。  ですが、自転車にお金をかけたくないのか、最低限の調整でやってくれと言われたり、その場しのぎの応急処置をやってくれと言われることはしょっちゅうあります。うんざりするくらいに。  ですが、私はなるべくそういった依頼は断っています。パーツ交換が必要ならパーツ交換をすべきだし、調

共同経営はやめとけおじさんが語る共同経営の顛末:自転車屋編

 「和を以て貴しとなす」日本人全員が知っている、とてもいい言葉ですが、皆が理想とする言葉がなぜ人口に膾炙するかと言いますと、それが存在しえない、もしくは、存在しがたいものであるからです。   つまり「和を以て貴しとなす」ということは大事だけど、実現が難しいということなのでしょう。  実際、私も以前は共同経営で自転車屋をやっていました(三人)  共同経営というよりは、共同で店舗を立ち上げたというのが正しい書き方かもしれません。そして、やはり最終的には空中分解してしまいました。

撤退ラインを考えておく

 波に乗っているときは簡単にもうかるけれど、波が静まれば沈むしかない。わけわからない名前を付けることで有名なパン屋さんがつぶれまくっているようです。  ブームで店が乱立。その後閉店ラッシュという流れは「タピオカ」「白いたい焼き」などで見た流れですが、ブーム終盤で参入した人がババを引くのもいつも通りですね。  私も自転車屋をやっているのですが、辞めると決心するのはすごく難しいと思います。もしかしたらまた上向くかも、とか、いろいろ考えてしまうと思います。最近も同業者さんが辞め

一見さんお断りの自転車屋は成り立つのか?

「ここが誰のどんな店か知らない方の入店をお断りします」ロックな張り紙をしているお店の画像をネットで見たことがありますが、今もこういう自転車店はあるのでしょうか?  存在はしているけれど、多分、かなり減っているのかなと思います。うちで買った店自転車以外は修理しません。とか、一見さんお断りみたいな自転車店は今ほとんどなくなっているでしょう。  スポーツ自転車専門店で、一般車の修理を修理ができることを大々的に宣伝している自転車店もありますし。  これからの時代、一見さんお断りな自

残存者利益を狙っていく

 自転車業界は斜陽産業か?という記事を書いたのですが、結論としては、斜陽産業であることは間違いないと思っています。  ただ、自転車業界がなくなることはありえません。これほど、効率のいい乗り物はほかに存在しないからです(いまのところ)  ということで、自転車業界自体は電動自転車、スポーツ自転車をのぞき、今後も斜陽産業化は進むと思われます。  その結果、自転車販売店の数は減るでしょう。しかし、自転車はメンテナンスなしでは使えない乗り物です。自転車修理の需要はあり続けます。  た

自転車屋は斜陽産業か?

 サイクルベースあさひに関する記事が出ていました。その中の見出しで、自転車業界が斜陽産業だという指摘がありました。記事タイトルはズバリ「自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調 “斜陽産業”のイメージ覆して急成長した理由」でした。  実際はどうなのでしょうか、いくつかネットで出てくるデータを基に検証してみたいと思います。  まず自転車屋の店舗数ですが、下の記事から引用すると2009年に約19500件から2017年には約14750件にまで減少しています。  別のページでは

簡単に開業できるのに数が少ない自転車屋

 自転車屋をやっていると、お客さんから「自転車屋を開業するには資格とか必要なの」と聞かれることがあります。  ぶっちゃけ答えると、特に資格は必要ありません。あった方がいい資格もありますし、契約をするのに資格が必要なメーカーなどもあるのですが、持っていなくても開業自体は可能です。  修理パーツなどの部品もネットの問屋がありますし、自転車に関する資格がなくても取引をしてくれる自転車メーカーもあります。ですので、資格が無くても開業は可能です。  かつてピストブームだった頃、素人が

自転車屋クソバイス供養

 昨日の記事の続きというか、私がいただいた自転車屋開業クソバイスを供養の意味をかねて書いていきたいと思います。 ①100万円くらいの自転車を取り扱えば?  月一台売ったら生活できるでしょ、とのことでした。 ②会費もらってサイクリングイベントやったら?  人いっぱい集められたら、自転車屋の収入なくても食べていけるでしょ、とのことでした。 ③バイクの修理もやったら?  自転車だけだと儲けが少ないかもしれないのでバイクも修理したらもっと儲かるぞ、とのことでした。 ④修理のサ

クソバイスは聞かなくていい

 お店やっていると、よくわからないアドバイスをよくされますし、なんなら「お店をやりたい」の段階でもクソバイスは容赦なく飛んできます。  これに関しては、同業者の先輩か利害関係のあるプロ以外の話を聞く必要はないというのが私の結論です。  開業前にいろんな人に話を聞いたり、アドバイスを求めたりしたのですが、前述のとおりでした。 いちばん聞く必要がないのが、聞いてもないのにアドバイスしてくる他人の話です。聞いてもないのにアドバスしだすのは他人を支配したいやばいやつの可能性が高い

自転車屋開業のハードルが今後上がっていきそうな気がする

 値上げ、在庫不足といいニュースがない自転車業界ですが、今後、ますます開店へのハードルが上がっていくような気がしています。  ほかにも、メーカーのネット販売へのシフトやメーカー直営店の増加、家電量販店の販売強化など、これから開業したい人には厳しい流れがあります。  最近だとスペシャライズドが取扱店を大量リストラしたニュースもありました。  取引メーカーにも変化があります。ヤマハ発動機なども昔は契約しやすかったのですが、いまは弱小個人店など相手にしてくれません。販売力のある

【自転車屋】チェーン店の感覚で開業を考えると失敗する

 よそはよそ、うちはうち。むかし勤めていたチェーン店では月商300万円くらいの店が出店失敗扱いされていました。私のお店はどうかというと…半分にも届きません。  質問者さんの最後の言葉にすべてが集約されています。  自転車屋は大儲けできる仕事ではありません。2014年のデータですが、自転車販売店は全国に11,497軒しかありません(ラーメン屋さんの半分程度)し、減少傾向です。  成功の基準はさまざまあると思いますが、チェーン店や繁盛店で働いていると基準がマヒします。さらに

自転車屋、高額自転車を取り扱うリスクとは

 自転車というと、ホームセンターで1万円ちょいで売っているものというイメージがある人も多いかもしれませんが、高額車は100万円を超えるものもあります。    同業者さんがカスタムとか取り寄せでお客さんと金銭トラブルがあるみたいなことをツイッターでつぶやいてるのを何度か見ました。  とくに、今後も在庫不足が続くことは間違いなくて、自転車だけでなく、パーツでも一年待ち、二年待ちなんてことがこれからも頻発しています。  高額な取り寄せや時間のかかる高額修理なんかは、あらかじめ口頭