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【新人へ】雑務という仕事はない

「雑草という草はない」という昭和天皇の有名なお言葉がありますが,雑務という名の仕事もありません。

もちろん,そうは言っても,実際には会社の中で「雑務」と呼ばれる仕事はたくさんありますし,世の中にはある種の仕事を雑務と呼んで軽視する方もおられます。

ただ,他方で,私の中には次のような経験則があります。

「雑務」ができない人は「仕事」ができませんし,「仕事」ができる人は「雑務」もできます。


広辞苑(第7版)によれば,雑務という言葉の意味は「細々した雑多の事務」です。雑務と呼ばれるものは,結局は1つ1つのちゃんとした仕事であって,会社の事業や,個人の営業や,プロジェクトの進行などを支えている歯車の1つです。

確かに,雑務と呼ばれている仕事の1つが滞ったところで,事業や営業が決定的にダメージを受けるということは少ないかもしれません。

ですが,雑務と呼ばれている仕事が一斉にストップしたら,その会社や組織の仕事のクオリティやスピードはあっという間に下がります。


定評ある商品やサービスは,細部まで配慮や管理が行き届いています。だからこそ,それらの商品やサービスは顧客から高い評価を受けられますし,顧客に高い対価を求めることもできます。

この「細部にまで行きわたる配慮や管理」とは,要するに,「個々の要素に関する品質の高さ」と「ピックアップする着眼点の多さ」のことです。
質と量が期待以上のものであるからこそ,強力な価値が作り出されているのです。

言い換えれば,「小さいけれど確実に行なわれた作業」がたくさん集まって,初めて,「大きな仕事」は完成するのです。

ですから,雑務という仕事はありません。

それは「小さな仕事」かもしれませんが,「大きな仕事」を実現するためにはなくてはならない重要な仕事です。

それは「他の人でもできる仕事」かもしれませんが,「手を抜いて良い仕事」ではありません。


雑務と呼ばれる仕事ができない人は,自分が関わっているサービスやプロジェクトの全体像が見えない人か,責任感がない人か,集中力がない人か……いずれにせよ何か問題がある可能性が高い人です。

こういった意味で,私は,冒頭のように書いたのです。

大切な事なので2回言いましょうか(笑)。しかも大きな字で。


「雑務」ができない人は「仕事」ができませんし,「仕事」ができる人は「雑務」もできます。


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