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クラシックでも聴きたいと思って

ガンジス川沿いの町に滞在していた時
ゲストハウスのテラスはガンガーを見下ろす位置にあった
河の向こうは何もない土地が広がっていて
満月の夜の月の存在感は特別な感じがした

持って行ってたipodにクラシックのコンピレーションアルバムが入っていて
日本にいる時にはろくすっぽ聴いていなかったのに
ある夜タイトルを繰っていて見つけた曲



どんな夜だったかな
薄曇りで、音のない稲光が夜空を照らしたり走ったりしていたっけ
そうだったかも、ちがうかも

荘厳で、重厚感のある旋律、美しくて、胸の奥で音がした。

なにかはじまるときもおわるときも
しっぽやはしっこはつながっていて
意味や理由は届かないところで
形は変われど手はつないでいる

出発前、友だちがガンジス川に流してきて欲しいと言って
預かった聖母マリアのネックレス
何か想いがあったんやろう、理由も聞いたかもしれないけど、忘れちゃった

ある日の夜明け方、ボートに乗って河に出て、
できるだけそっと、静かに、マリアのネックレスを河に流した
手を離れてすぐに河の底に消えていった
いけないことをしてるみたいに
大きな存在感で離れていった

それがよかった

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