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電子図書館という不思議な仕組み

電子図書館を利用している人はどれくらいいるだろうか。

私自身は本を読むとき、腰を据えて読みたい場合は紙書籍を購入して手元に置いておきたい、かつサクッと中身を読みたい場合は電子書籍を購入するため、利用することはほとんどありません。

しかし、利用者や利用希望者は増加していることに加えてコロナ禍の需要増によって、電子図書館の設置数も増加傾向にあるようです。

前回2023年1月1日時点と比べ、実施自治体は40増加し501自治体、電子図書館(電子書籍サービス)は27増加し396館となっています。

これを見ると全国で利用でき、オンラインで完結する非常に便利なシステムのように思いますが、実際には結構な面倒くささが存在し、それが利用の広がりを妨げています。

始めの手続きが原則オフライン

電子図書館の利用自体は確かにオンラインで可能です。

しかし、残念なことに最初の登録手続きは原則オフラインで図書館に行き、そこで利用登録を行う必要があります。

つまり、仮にオンライン上で求める書籍があったとしても、その図書館に利用登録をしていない場合、借りることができないのです。

あくまでも普段利用する図書館の追加サービスの一環である、という取り扱いとなっています。

こうした手続き上の煩雑は利用の大きなハードルになっています。

同時貸し出し数の問題

オンラインで貸し出しを行う場合、デジタルデータのやり取りとなるため、普通であれば同時に何人もが利用可能であろう、と考えがちです。

ところが実際には同時貸し出し数が決まっており、別の誰かが該当書籍を借りている場合、ほかの利用者は借りることができません。

これは図書館が出版社との契約によって同時利用数でライセンス契約を行っているためです。

そのため、通常のオンラインサービスのように無制限にいつでも利用できないという不便さが付きまといます。

オフラインであれば貸出中に対してそれほど抵抗感はありませんが、オンラインサービスではこうした不便性はかなり不快に感じやすい部分でしょう。

複数図書館で利用登録は可能

ところが複数の図書館で利用登録をすることは可能です。

そのため、使用したい書籍を複数の図書館で検索をすると貸出中でないものが見つかる、ということになります。

しかも、近年は複数図書館の共同で電子図書館を設置しているところも少なくなく、著作権などの法制度や運用ルールと実態がかみ合っていないようです。

オンラインで完結するシステムになれば

私自身は図書館があまり好きではありません。

というよりも、借りた本、特に期限が決まっているものを期限内に読むというのが苦手なのです。

そのためどちらかと言えば購入して、時間のある時に手に取るというのが性に合っています。

しかし、マイナンバーカードで気軽に登録し、その場でサッと借りることができるのであれば私のようなタイプでも利用する機会が増えそうに感じます。

電子図書館はもちろんのころ、行政サービスの多くはいまだ完全オンライン化していないのが現実です。

一刻も早いサービスの拡充を願いたいところです。

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