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Sho Nishimura という人間の考え方

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Sho Nishimura という人間の考え方や私見、偏見で書いた記事のまとめ。教育問題だけでない幅広い範囲の内容。
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#私の仕事

「埼玉超勤訴訟二審敗訴」に見る教員の働き方の問題

「埼玉超勤訴訟二審敗訴」に見る教員の働き方の問題

教員の方、特に働き方改革に興味のある方ならばおそらく注目していたであろう裁判の控訴審が原告敗訴となりました。

内容としては、労基法上は時間外にあたる時間に勤務したものに対して手当てが出ないのは違法ということで教育委員会を相手に起こした裁判になります。

給特法と教職調整額給特法の正式名称は「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」というものです。

その内容を簡単に言うと

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「道徳」教育とあの教団の教義

「道徳」教育とあの教団の教義

元総理の暗殺をきっかけに、旧統一教会の問題が大きく取りざたされています。

当該教団自体の過剰なお布施などに関しては、被害にあった方やその家族などとの民事的な問題を抱えていることは間違いありません。

また、政治の世界に影響力を持っていたというのも事実でしょう。

ただし、その影響力が他の圧力団体やロビイストと比較して大きいものだったかどうかは現時点では不明です。

今回は非常にデリケートでもある

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「ICTを使えない」という言い訳を許さない強い意志を持とう

「ICTを使えない」という言い訳を許さない強い意志を持とう

ICT環境がこの数年で教育現場にも整備されました。

他業種と比べて遅すぎた感もありますが、GIGAスクール構想などの前倒しの効果は絶大で、日本中の学校でICT機器を導入できたことは社会全体の環境改善として大きな一歩と言えます。

私は勤務校でICT推進に携わっており、授業での活用だけでなく日常利用に関しての実験を行うなどICT教育の普及に取り組んでおり、校内においての利用も大きく進んでいます。

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「仮想オフィス」に興味津々

「仮想オフィス」に興味津々

オンライン授業やリモート会議などが、コロナ禍をきっかけにしてこの数年で爆発的に普及しました。

3年ほど前に私はオンラインセミナーの「みんなの職員室」に参加していました。

その当時にZOOMでのやり取りで講座の受講やファシリテート経験からスムーズにオンライン化になじむことができました。

しかし、当時はかなりの人から奇異の目で見られていたように思います。

オンライン化の欠点オフィスや会議、授業

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「リモート面談」が捗り過ぎる

「リモート面談」が捗り過ぎる

私の勤務校では夏休み期間に課外授業が行われます。

昨日、終業式が終わり、課外授業は来週からというこの数日は主に面談を実施するために使われています。

夏は山だ、海だ、三者面談だ夏と言えば三者面談の時期です。

高校生のこの時期の三者面談は、高1の場合は初めての高校生の夏休みの時間の使い方や先取り学習を中心に話します。

高2の場合、受験に向けての具体的なスケジュールと数学と英語の範囲学習や文法語

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エコーチェンバーによって「悪の組織」の存在を信じる現象とリテラシー教育

エコーチェンバーによって「悪の組織」の存在を信じる現象とリテラシー教育

以前書いた記事にも関連する話になります。

「悪の組織」が存在すると信じてしまう現象ここ数日、Twitterの教員アカウント界隈で騒がれていたのが以下のツイートです。

これ自体は修学旅行の金額に対する疑問だけなのですが、これから続くリプの数々が「ピンはね」や「生徒が教員分の旅費を負担」などと凄まじい陰謀論の数々。

しかも、確証や証拠はなく、おそらくは学校や教員に対する不満や悪印象からの思い込み

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「忖度」して仕事を増やす人たちが足を引っ張る社会

「忖度」して仕事を増やす人たちが足を引っ張る社会

私の勤務校でもICT化が進んでおり、以前であれば紙でやり取りしていた書類関係もある程度データだけで回すことが増えてきました。

職員会議の資料などもデータ化し、今年度はメール添付式から共有フォルダで確認の形式に代わったため、データの管理や連絡など業務削減に大きな効果が見られました。

ICTが苦手な年配者とアプリ依存若年者への配慮ICTの扱いが苦手な年配の方は依然として多いようです。

特にここ数

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「短絡的犯人捜し」ではなく「フラット思考」を次世代へ伝える

「短絡的犯人捜し」ではなく「フラット思考」を次世代へ伝える

参院選が近づくなか、円安と物価上昇、いまだ解決しない感染症の問題など、日本社会には多くの課題を抱えた状態で新しい選択をしなければならないようです。

バブル後の不況私はバブル後の就職氷河期世代の一番最後でしたので、その煽りを受けて不安定な職に就かざるを得ない同世代の人も少なくありませんでした。
(学部卒と院卒で就職状況改善が著しかったのは印象的でした)

失われた〇十年(〇の数字はいつまで増え続け

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「文科省の官僚は現場を経験すべき」という暴論と短絡思考への恐怖

「文科省の官僚は現場を経験すべき」という暴論と短絡思考への恐怖

教育行政に振り回される教育現場これまでも教育行政に教育現場が触れ回される事例は枚挙に暇がないほどありました。

ゆとり教育の開始と失敗、脱ゆとりへの急旋回、その後は大学入試改革から英語外部試験の頓挫、新指導要領からの共通テスト改革などここ10年でもイベントが山盛りでした。

それに加えて#教師のバトンからの教員の労働問題と給特法など、学校や教育制度だけでなく、教員への労務管理などでも振り回され続け

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「一学年80万人」となる時、大学全入時代は来るのか?

減少し続ける18歳人口先日出生数が81万人という過去最少を記録していたことが話題になりました。

教育業界に身を置く一人としては、少子化はダイレクトに影響する問題です。

特に18歳人口は仕事上の影響が大きい数値になります。勤務校の入学者数にも関係しますし、何より大学進学に関して直接的なデータとなるからです。

最近は100万人強が18歳人口とされていたので、20年後はさらに2割減少することになり

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若者の価値観を「音楽文化」を通して読み解く

若者の価値観を「音楽文化」を通して読み解く

前回の記事

この続きに当たります。

さて、生徒とのコミュニケーションを考える上で相手の価値観を理解することは重要であるということを書きました。

では、どうやって価値観を理解すればよいでしょうか。

何が価値観を反映するか価値観を反映する最たるものは「文化」です。

民族や国家の文化となると芸術や音楽、歴史や言語といったものになります。

では、「高校生」の文化とは何でしょうか。

私は「サブ

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カリキュラム変更の度に国家を憂う必要はない

カリキュラム変更の度に国家を憂う必要はない

指導要領の変更と新カリキュラムへの移行学習指導要領が改訂され、本年度から高校でも新課程、新カリキュラムがスタートしたことに関して、noteで私自身も触れてきましたし、多くの教育関係者にとっては周知の事実です。

しかし、この手の変更の度に教育関係者だけでなく、普段は学校教育に関心の低い人達からも日本の教育を憂う言葉を聞くことがあります。

ネット上にあふれる憂国教育烈士「〇〇を教えなくなったという

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note毎日連続投稿100日から考える「アウトプット」の効果

note毎日連続投稿100日から考える「アウトプット」の効果

今回の記事で連続投稿が100日になります。

この経験から毎日投稿から得られた「アウトプット」の効果についてまとめていきたいと思います。

ネタを考えてメモを取る習慣ができた始めた当初は書くことが色々と思いついていましたが、流石に毎日続けているとネタが尽きてきます。

ただ、無くなったというよりは、実際には書きたいと思いついたことが一日の様々な場面であったはずなのに、いざ書こうとすると思い出せない

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