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なぜ、玉村屋を1ヶ月休業したか。そして、なぜ4月から再開するのか。

 福井県のちょうど真ん中、今庄宿で地域をまるごと体感できる宿を運営しています、ナカタニ ショーです。

 世の中では、新型コロナウイルス感染症で「自粛モード」に入り始めた2月27日。地域まるっと体感宿 玉村屋は、新型コロナウイルス感染症、拡大防止のため、3月いっぱいまで休業することを決定しました。そして、自粛モードが続く、4月1日には再開することを決定しています。

 休業の案内をする時に今回の休業に至った理由を簡単には書きましたが、今回は改めて詳しく書いてみたいと思います。

1.なぜ休業したのか

 玉村屋はディズニーランドが休園を発表する前日の2月27日、玉村屋では3月末までの休業を発表しました。なぜ、休業するに至ったか。そこの経緯を書き出してみたいと思います。

1-1.地域と生きる宿の意義と責任

 「地域まるっと体感宿 玉村屋」は、約1,300人が暮らす南越前町今庄宿に位置しています。リゾートホテルのように宿の中で滞在を完結するのではなく、宿の周りを歩いてもらい、地元商店をまわり、地域の空気を味わってもらうことを大切にしています。つまりは、「地域の日常にお邪魔する」ということ。地域住民との関係性を大切に宿の運営をしています。旅人優先、地元住民優先ではなく、お互いにバランス良く関わることが大切だと考えています。
 福井県では未だ新型コロナウイルス感染症は発生していませんが(2020年3月11日現在)、日本全体で見ると感染が広がっている中、地域外から人が入ってこれば、ウイルスが地域に入ってくる可能性も増える。町内で感染源が出来てしまう可能性があるのは、観光施設、駅、そして宿。
 玉村屋はありがたいことに、全国各地からゲストが集まる場所となりつつあります。ゲストのことを疑っているわけではありません。しかし、ウイルスは、その人が嘘をつかない、健康的な生活を送っている、めっちゃいい人かどうかには一切関係なく、身体についてきてしまうことがあるんです。そして厄介なのは目に見えないと言うこと。
 もし、玉村屋がウイルスを広げることになってしまったら、地域住民の「宿」に対する考え方が、「外から人が来て、楽しい。ありがたい!」から、「外から人が来るの怖い」に変わってしまい、ゲストに対しての温かな受け入れができなくなる可能性もあります。
 地域と生きる宿としては、地域住民の暮らしを守り、そして旅人も安心して地域に溶け込める関係性を作り続ける責任があります。

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1ー2.見込みがつかないことへの危険性と対策

 1月頃から日本では話題になり始め、最先端の中国ですら薬や対策を確立できていない状況でしたので、イベントの中止や施設の休業などで人を集めないことが、最善の策という他なりませんでした。
 また、話題になった直後からアルコール消毒など、施設が出来る最大限の対策ですら品薄が続き、大手チェーン店ではない玉村屋ではアルコール消毒剤を確保することができず、衛生上の安全を確約できないというリスクもありました。

1ー3.交流型宿(ゲストハウス)の強みと弱み

 玉村屋は、ゲストハウスと言ってイメージされるただの「安宿」ではなく、泊まったゲストがゲスト同士の交流や宿スタッフとの交流などを出来る拠点として考えているため、キッチンやシャワールームやトイレ、リビングでの交流スペース設置など、とにかく滞在した人が一緒に過ごすことに重点をおいた宿となっています。
 この構造は、泊まったゲストとの交流ができ、旅の思い出が増えるという強みがある一方、同じ場所、同じ道具を共有するので、今回のようなウイルスが入ってしまった場合、ウイルスまでも共有してしまう弱みもあると考えられます(もちろん、掃除には細心の注意を払っていますが、ドアノブなどをゲストが触れたらすぐに清掃することはできませんので、、、)
 そういったことからも、安心して泊まってもらえる空間づくりのため、休業するという判断になりました。

2.なぜ4月1日に再開するのか

 これらの状況から、3月は休業と決定した玉村屋ですが、4月1日からの再開も決定しています。続いては、世の中では4月のイベントも中止となっている中で、なぜ再開を決めたのかというところについてお伝えをしたいと思います。

2ー1.地域と生きる宿の意義

 ここ最近の様子を見ていると、『中止による短期決戦』から『日常の暮らしから気をつける長期決戦』へと移行している様子が見受けられます。
 世の中を見渡すと、新型コロナウイルス感染症により、客足が遠のき倒産する宿泊施設などの観光関係業、鉄道や飛行機を始めとする各種旅客運送業も暗い影が潜んでいます。毎日テレビからは、「コロナウイルスの影響で・・・」というネガティブな話題が溢れています。正直、このままではウイルスにやられる前に、気持ちが滅入ってしまい、世の中がダメになる。そして気持ちが滅入ってしまえば、長期戦に耐える免疫力が低下してしまいます。持続的な強いストレスを受けると、免疫力が下がることが実証されています。そう、1月下旬から始まり、2月~3月と2ヶ月間も、自粛モードやネガティブモードで、心にストレスが感じ免疫力が下がり続けている状況です。長期戦になったからこそ、
最大の対策は、
①手洗いうがい
②免疫力をあげるための暮らし
 滅入るネガティブニュースしか流れないテレビを消して、旅に出る人を支援すること、そして、その旅人との交流で地域住民に楽しさを感じてもらうこと。それが玉村屋が地域に生きる宿として、やらねばならぬことだと考えました。

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2ー2.一律ではなくケースバイケースでの対応

 確かに、100人以上の規模でゲストが泊まる宿であれば、多くの人が入り込むため、ウイルスが持ち込まれる可能性は高くなります。しかし、定員7名の宿であれば、確率的にウイルスが持ち込まれる可能性は低くなると考えられます。
 なので、一律自粛ではなく、地域やその場所にあった対応をするからこそ、大都会ではできない経済の回し方、健康の維持の方法があると思います。とある田舎にある学校は全校生徒10人。だから休校にはしなかったという話を聞きました。こういう少数派の判断をするには責任が伴います。それでも、その場にあった正しいと信じる方法をとれること。これが大きすぎない場所だから出来ると考えています。

2ー3.交流型宿だから、今だから、私だからできること

 玉村屋は、交流を大切にしています。ゲスト同士、ゲストと地域住民が交流することで出来るつながりを大切にしています。いろんな変化・災害などが発生する時代だからこそ、一つの地域だけではなく、なにかがあった時にお互いに頼りあえる関係性は重要です。そんなみんなが不安で世の中がどうなるかわからない今だからこそ「第二の実家」である玉村屋の存在意義があると考えています。

3.まとめ

 正直なところ、状況がわからず先行き不透明の中、「3月いっぱい休業」と決定した時に、迷いはすごくありました。そんな中でも世の中の動きを見て、私達だからできることを精一杯やるということを決意しました。

 ということで、4月からは再び全力で、ゲストをお迎えし、地域と共に生きる宿を引き続きつくっていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

ライブ

4.直近のイベント

2020年4月4日(土)~8日(水) 
『旅の目的地と出会う展@玉村屋★日本全国50軒のゲストハウス紹介』
https://tamamuraya.jp/2020/03/12/062/
*全国約50箇所のゲストハウスフライヤー大集合♪
*次回の旅の目的地に「ゲストハウス」を選んでみませんか??

4月4日(土) 15:00~17:00
『アコースティックライブ★舞鶴からオールジャンルバンドがやってくる!』
https://www.facebook.com/events/298072497834409/

4月5日(日) 10:00~11:00
『古民家deヨガ♪withインド帰りの見習いヨガインストラクター Haruくん』
https://www.facebook.com/events/888822204910277/

ヨガ


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