見出し画像

あなたにとって家族とは?

ステキなステキな映像作品に参加させてもらった。
「家族とは何か?」というテーマ。
お声がけいただいた時は「は…はぁ…」とまあ、分かったような分からないような理解でお受けした。

…のだが、そこから熟考の旅へと誘われることを、
その時の青いTシャツは知るよしもないのであった…

出演ロールとしては
ぼくたち家族、同性愛者カップル、シェアハウスに暮らす夫婦、円満別居夫婦がそれぞれの視点で「家族ってなんだ」を深掘りする。すっごく雑なダイジェストにするとそうだけど、そんな表現で済ませるなよ…と作品を見た後には思うことができるので、視聴した上で、脳内で補完して欲しい。文字面じゃなく、行間をみる作品だと思う。余韻があってほんとステキな作品。

ぼくたち家族のロールってなんだ!?ぼくたち家族って、ジャパニーズトラディショナルスタイルつまり「これが当たり前ですが?皆は違うの?」という感覚で、キャスティングにハマるのか?とか思ったりしたけど、熟考タイプのボクはすぐさま「当たり前って思ってるけど、そういえば当たり前って何だ…?」と、出会って4秒で沼にハマった感あり。
血縁と婚姻による結びつきにより、一つ屋根の下で暮らす。生活コストを下げる経済的なメリット?絆とか精神面の繋がり?そこから自立するために離れて暮らす?核家族化?一緒に暮らしていて、「何故一緒に暮らす?」を端的に表すことは、実はとても難しい。

家業として農業を営み、家族でともに働くって、そういえば今やそんなに居ないスタイルか…というのがキャスティング構想の階層で言えば1階部分と理解した。けど、竹本家が当然のように構築してきた家族像ってのは、家族間での綿密な打ち合わせも喧々諤々な議論の末もない中、空気感だけで醸成されてきたようなもの。もちろん、摩擦や葛藤は多々あったけれども、「竹本家かくあるべき会議」なるテーブル討論テーマはこれまでに発生していなかったわけだ。ボクがみんなと同じと思っていた感覚は、100人100通りな家族のケースのn=1にすぎないと思い知ることになる。

家族はかけがえのない存在だ。同時に、一番面倒な存在でもある。
「竹本さんにとって、家族って何ですか?」というシンプルな問いがこんなに複雑なものかと、4K(たぶん)カメラと集音すごそうなマイクとディレクターのキッとした眼差しが向けられたほんの1、2秒で思い知った。「そういうこと、聞かれそうだな〜」というニオイがしていたので、予め準備していたハズだけど、話してみると話はだんだん逸れ、それでいて思いのほか、引き出しから吸い上げられた感覚。
「一番頼りになって、一番頼りたくない存在」と表現したけど、そんな一言で表現し切れるわけなく。
血縁、婚姻、生活扶助や何やら、家族を構成するもののグラデーションぐあいが複雑極まりなく、そういえば「好きだから一緒にいる」「親子だからそんなもんだ」で片付けられない世界があるのだなーと。
そしてまだ明確な解には至っておらず。
その、いまだ明確な解に至っておらずな境地が、この作品に参加した最上位の意義だと思う。

そしてこの映像作品にこの瞬間に出会えたことで、夢が一つ叶ったことになる。
というのも、家業である農業で、父との事業承継から6年が経ち、ボクが立てている「シン・事業承継計画」では[守・破・離]の「離」のステージになっている今、父の記録をとることが大きなテーマになっていた。(と、幕にでも書いて飾ってあるかのような言い方してあるけど、実際は頭の片隅にボンヤリと描いていたテーマ)
◯それっぽいエモいこと言ったらメモして残す
◯ポッドキャストの機材を使って音源を残す(コレまだ未達。むずい。)
に加えて
◯なにかキレイな映像で父の思いの部分を残せないかな〜
という、年始にリストアップしてみた”夢100個”の中にも入れ忘れちゃったけど思い返せば考えたことある項目が、これにより実現したことになる。

事業承継というと、
「ハンコと通帳を渡す」権限の委譲がメインとして取り沙汰されるが、
父さーんがー残したー熱ーい想ーいーいい的なメッセージ的なものを伝承する、記録するっていうことが素晴らしく良いってことを、再認識した。すごい人たちに記録とってもらったので、最上級の表現方法でアーカイブされたことに、青Tの引きの強さアゲインと思わずにいられない。

撮影の間は、「画を撮ること」が主な仕事だったけれど、監督さん、カメラさん、録音さんとじっくりコミュニケーションをとったこともあり、自分自身についても、家族についても、深く考える機会となった。対父の部分は、事業承継というライフワークのタネでもあるので日頃から目を光らせていたけれど、カミさんに対して、子ども達に対して、姿は存在していないけど母やご先祖についても、時代背景やジェネレーションギャップも含めて考えると、沼の深さ、そこ知れず。

親と同居か二世帯住宅か、
親が介護が必要になったら誰がするか、
プライベートと仕事の境界はなにか、
事業のバトンタッチはどうするか、
嫁姑問題とか、
古くなってくる家(建物としての家ね)をどうするか、
子育てをどうするか、
家族を取り巻くネッチョリした課題は皆抱えている。
動画の中では紹介しきれなかったけど、投げられた問いは数多い。
時間が解決してくれることもあるけれど、
「なにかしら、時間が解決してくんねーかな」な案件(つまりは、時間はたいてい解決してくれない)に目を向けるきっかけにも、なるかと思う。



さあ、あなたも沼に。

あなたにとって家族とは…?


この記事が参加している募集

これからの家族のかたち

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?