外資転職日記 vol.6 5歳下で2階級上のトップ出世マン

 昨日は他の部署の人も交えた飲み会。そこで中途の自分の2階級上に昇進してマネージャーになって祝われている男性がいた。貫禄もあって大人びていたので年上かと思ったが、聞けばまだ5年目で27歳とのこと。この会社でも課長級への昇進としては異例の速さで、歴代トップだったらしい。

 正直、話を聞けば聞くほど圧倒されてしまった。彼は圧倒的な実力で上司からも同僚からも信頼されていて、自分もそれを自覚していたので、「早く上げてくれ、自分をいつ上げてくれるのか」といつも部長に対して大真面目に要請していたようだ。そして、聞けば若くして課長への昇進を勝ち得るというチャレンジングな目標は入社時からのキャリアプランに明確に記載されていて、しかもそれを1年アヘッドしたらしい(年収が1,000万円を超えた!ともさらっと言っていた)。
 さらにさらに彼は20代のうちに部長級に昇進することを本気で狙っているらしく(当然前例がない)、ツヨツヨの20年戦士の部長相手に本気で「すぐ肩を並べるので待っていてください」と言っていた。

さらにさらにさらに、彼は年収1,000万円の後にも「年収1億円」「年収10億円」を本気で人生の区切りに設定してキャリアを立てていた。「役職を超えたValueの発揮」「それに対する上司(会社)との対等なタフネゴシエーション」という意味では自分も似たような行動を前の会社でしていたので、最初は彼に共感しながら話を聞いていたのだが、そのうち全くスケールが違うことに気づき、尊敬すると共に自分の小ささを痛感。ビジョンの大きさ、それを実現する能力、何より圧倒的な自信。落ち着いて低い声で話しながらも、腹の奥はギラつき、心の底から自分の可能性を信じていた。成長意欲、向上心とはこういうもののことを言うのだ、と見せつけられたような気分。

 世界のトップ企業に入るとこんな大物がいるのか、、というのが正直な感想。自分が5年目の終わり(メルカリにいく直前)に何を考えていたか。確かに有志団体を通じて本気で会社や自分を変えようとしていたが、「過去最速で次の階級に進み、グローバル企業の巨大ビジネスをマネジメントする」なんて思いにはとてもではないが至れていなかった。もっと言えば「割と自分はしっかり考えられている方だ」ぐらいに思っていたかもしれない。

 こんなつえーやつがいるのか!という孫悟空的なワクワクと、こんな天才がいる中でやっていけるのか?という至極当たり前の恐怖が入り混じっている今日。それでも自分は以下のようなマインドセットを持って前を向いていく。

  • そもそも転職の大目的が「Comfort Zoneを抜け出す」だったので、これ以上ないくらい達成できている。この不安や焦り、得体の知れない大怪物を目の前にしたようなソワソワ感を、全力で楽しむ。そういう感情を持てていること自体が財産になる。

  • それでも彼らになくて、自分がこの8年間のキャリアで得てきたものは何なのかを考え、そこに誇りを持つ。「普段はいきがってるけどすごいやつが現れたらシュンとしてしまう」なんてダサすぎる。「すごいやつがいても、「ひゃーこいつすげえな、でも俺(オラ)負けないぞ!!」と思えるように、自分の強さを棚卸し、自信を持つ(というか、おそらくこうなりそうだったから2月中にもうしていた。早くも役立つとは思わなかったけど、予測していた自分偉すぎる)

  • 何度も言っているが、「根拠のない自信」を大事にする。今の環境は自信に根拠を求めたら多分何の自信も持てないくらいにはすごい人がたくさんいる。これはまさに根拠なしで自信を持つ練習をするのはうってつけの環境である。

  • 努力の量を増やす。天才たちが努力している間に少しでも追いつかなければ、離されるばかり。なにより彼らは努力の天才でもあるので、気を抜くとどんどん先を行かれる。


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