7つの音と過ごす、わたしの夜
夜。
眠れない日は誰にだってあると思う。
嬉しかった日。幸せだった日。
悔しかった日。悲しかった日。
___夢が叶った日。
わたしにも、眠れない夜が幼い頃からある。
でもわたしの場合は特定の日ではなく、ほぼ毎日。
"不眠症と不安障害。今あなたの心は八方塞がりで、鬱状態になってます。"
小学3年生の時、あることがきっかけで、まだ9歳という幼い年齢の時にこのフレーズを聞いてしまった。
理由があるわけでもないのに、どうしようもなく悲しくなって。泣きたくなって。
涙が一粒流れれば、止まる方法を忘れたかのよに溢れ出す。
寂しい夜に、電話越しでもいいから慰めてくれる人が欲しかった。
でもそんな友達はいないし、ママもパパも妹や弟の面倒を見ることで精一杯。
わがままなんて言えない。
長女だから。
物心がついたときにはもう既に、"お姉ちゃん"だったから。
___〇〇ちゃんはしっかりしてるね。いいお姉ちゃんだ。
眠れない日が始まって数年。
彼らと出会った。
___"かっこいいお兄さん"
わたしの寂しかった夜に、楽しい音を付けてくれた。
生きることが怖くなった夜に、
"大丈夫だって。いつかはGoodDay"
"大丈夫、ほら いち、に、さん 数えて忘れよう。悲しい記憶は全部消して 僕の手を取って 笑おうよ"
___大丈夫
そうやって、言ってくれた。
涙ひとつないわたしの夜を手に入れるには、まだ多くの時間が必要だけれど、
寂しい夜はもうない。
彼らの声がある。
同じ月の下で同じ夜を過ごしてる。
そう思うと、段々瞼が重くなってくるのを感じられる。