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Techbookの5年を振り返る(前編:コンテンツマーケの違和感)

僕が2015年3月に作った会社、Techbook(テックブック)。

口座の預金が608円になったり、雇用した人が突然やめたり、代々木上原にオフィスを借りたり、インターン生が来すぎてプチパニックになったり、仕事が0になりかけたり。

たくさんのことがあったけど、設立から5年を数えた今も、ありがたいことに生き永らえています。

幼少期から今までを振り返ったのがこのnoteで、身近な人にも読んでもらい、ささやかながら反響があって良かったです。

ただ仕事のことはあまり触れなかったので、ここらでもう一度書いてみます。Techbookという会社を作って、僕は何をしてきたのでしょうか。

ひっそりと創業したっけ

「本の選書サービス」を断念した僕は他にやることがなく、目の前にある宿題をこなすように会社設立の手続きをしました。

やることも決まっていない。ビジョンもコンセプトも何もない。

「本の選書サービス」の会社名として考えていたTechbook。やることがなくなった当時、しっくりきたわけじゃないけど、そのままつけました。

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SNSに「創業しました!」みたいなpostは一切しませんでした。「どんな会社なの?」みたいなことを聞かれても答えられなかったから。誰にも知られないようにひっそりと会社を作り、僕はしばらく途方に暮れていました。

Tech(テクノロジー) + Book(本、物語)

Techbookの由来を、かつて自分が書いた文章から引用します。

テックブックという会社の名前ですが、テクノロジーとブック(本、物語)という言葉の組み合わせで、私の造語です。今後、いっそうテクノロジーが身近な存在になって、効率が追求されて世の中が便利になっていく中で、そこに「人が幸せになる」という物語があって欲しいといった想い、それを私たち(Techbook)が体現していきたいといった想いが込められています。

背景には、1冊数百円の本をお客さんに手渡しする本屋(1社目の経験)から、数○○円の予算をお預かりして、顔の見えないお客さんの購入(コンバージョン)の件数を数えるWebマーケとのギャップに驚いた僕の原体験があります。

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ITの世界に戸惑い、インターネットを介することで、人の思いやりや温かさが失われるんじゃないか。あるいは効率を求めるあまりに、無視される人の感情があるんじゃないか。そんな感覚が頭のどこかにあって、「Techbook」という名前が浮かびました。

ナイーブで一方的な気もしますが、奇しくも事業としてはじめたコンテンツマーケティングにも、この考えが反映されていくことになります。

コンテンツマーケティングに抱いたロマン

僕は当時、コンテンツなるものが液晶画面の向こう側の誰かの心を動かすのだと、何らかのロマンみたいなものを抱いていました。

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例えばパタゴニアは前身のシュイナード・イクイップメント社の頃からカタログを作っていました。商品や自分たちのことだけじゃなくて、クライミングのTIPSや環境問題など、幅広い情報を載せることで顧客を啓蒙し、魅了し、心を繋ぎとめていたのです。

僕はこのカタログこそ本質的な意味で正しいコンテンツマーケティングだと思いました。

企業と顧客の間にある見えない境界線を耕すように、いろんな文脈や多角的な訴求でもって、継続的にコンテンツを作り、メッセージを届けることで、長期的な関係性を作る。

顔の見えない顧客との間で、コンテンツを介したコミュニケーションが芽生え、伝わらなかった想いが伝わっていくような気がして、僕はロマンを抱いたのです。

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「Techbook」に込めた想いとつながった、と思いました。

コンテンツマーケティングの違和感

でも現実と理想には大きなギャップがありました。

実際にTechbookにくる依頼の多くは「コンテンツマーケティング」という名の「SEO」でした。検索ランキングの上位に自社サイトを表示させて、見込み顧客を増やしたり、ECの売上を上げたいといった依頼です。

「Techbook」を読んだ人が依頼してくるので、「同じもの作ってよ」という話ですし、SEOを求めることは理解できます。でも、違和感を覚えることが多くありました。

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今ならわかる違和感の源は「人を見ていない」からです。検索エンジンを見ていて、人(読者)は見ていない。

「月100本、2,000文字、1文字2円でいけますか?」みたいな相談をされても苦渋の決断で断る。でも売上は喉から手が出るほど欲しい。そんな葛藤が続きました。

自分が勝手に抱いたロマンと、現実のギャップ。初めての売上を上げた後も、事業は安定せず、このギャップを抱えながら苦しい時期が続きます。

そんな僕の違和感が確信に変わる出来事が、2016年の年末に起こりました。(後編に続く)

P.S
もちろん素晴らしいクライアントにも出会いました。だから今があります。

stand.fmでも語っております。(ぜひ聴いてください)



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ありがとうございます!好きな本を買うか、旅に出ます。

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Founder of Vann Inc. (https://vann.tokyo ) 「境界線を深耕する」& Auna(https://auna.asia ) Client: YRGLM /SUPER STUDIO #D2C ←Onestar←CCC(代官山蔦屋書店Anjin)

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