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言葉の扱いが上手な人ってどんな人?

前回のnoteで、言葉について書きました。
内容はざっくり言うと、「言葉ってすごい力を持っているけど、使いようによって毒にも薬にもなるから、慎重に選びたいな」って感じ。


その中で「言葉を上手に操れる人はすごい」という話をしたけれど、それってどんな人のこと?というのをもう少し掘り下げたいと思います。


伝えたいことの温度をわかっている

まず、自分が相手に伝えたいことや、気持ちの温度をわかっている。
喜んでいるのか、怒っているのか、悲しんでいるのか、などなど。
(感情は喜怒哀楽だけじゃないと最近知ったけど、それはまた後日)
たとえば喜んでいるのだとしたら、何について、どのくらい喜んでいるのか。満員電車で運よく座れたときと、帰り道で偶然虹を見かけたとき、応援しているスポーツ選手が大会で大健闘ののち優勝したときの喜びが全部同じ温度という人はいないだろう。
言葉を使うのが上手な人は、自分の心のうちを見つめて「何に、どういう気持ちが、どのくらいあるのか」を理解している。


「感情の温度」にぴったりな言葉を知っている

上に書いたような感情の温度をおおざっぱにカテゴライズしてしまえば「嬉しい」ということになる。
それでももちろん十分だけど、「相手に自分の温度感が伝わるか」というと、ちょっと微妙…な気がする。
どうせなら相手に、自分の感じているものの温度感まで伝えたい。たんなる事実を共有するだけじゃなくて、そこを通じてお互いがどう感じるかを話してみたい。私ならそう思う。
そして言葉を使うのが上手な人は、自分のもつ温度感を相手に誤解なく伝えるために、たくさんの言葉のグラデーションの中から「これだ!」という表現を選ぶのが上手な人。


「相手に伝わったか」を観察する

どれだけ言葉を知っていても、相手に伝わらなければ意味がない。
だから、言葉を使うのが上手な人は「相手に伝わったかどうか」を用心深く観察する。
もし、飲み込めずに眉をひそめていたり、うつむいて考え込んでいる様子なら、なにがどう過不足なのか、一緒に考える。どこまでわかっていてどこからがダメなのかを確かめ合って、「あ、そういうことか!」と頭の上に豆電球がピコンと点く瞬間が楽しいからだ。
(最初から聞く気のない人は見ていればわかるので、「あ、ごめん今のなし。忘れて!」と笑ったりもする。これも処世術。)
ただの自分勝手なおしゃべりにならないように、相手の様子をうかがいながら話す。



言葉のやりとりはトライ&エラーの繰り返しで、
誰かにはこれでスッキリ伝わったのに、他の人には違った、なんてことは本当に、本当によくある。
誰かと話していて、「あ、この人は自分とはコミュニケーションのスタイルが違うんだな」とがっかりすることだってある。
私はまだ言葉を上手に使えないし、相手をもやもやさせてしまうこともある。自分の無力さにすべてを投げ出してしまいたくもなる。
それでも私はあきらめずに言葉を探すことにしている。お互いの感情を理解し合うことで生まれるつながりが、何よりも得がたいものだと知っているから。




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