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エッセイ

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#日記

いま、思うこと

感情は大切だが、感情に流されてはいけない。 すごい時間を生きていると思う。平和な世界しか知らず、平和について真剣に考えたことがなかった。平和という言葉もどこか他人事だった。ずっと続くものと思っていたから、与えられた平和な世界に感謝の気持ちを持つことすらなかった。 わけの分からないウィルスから始まり、教科書の中でしか知らなかった出来事が身近で起き、平和な時間は終わった。 心臓がずんとなった。 少なくとも、しばらくは平常心でいられなかった。でも、これは私の心の問題。誰かに

おいしいよ

白くて、つやつや。 ひと粒ひと粒が、光を受けてきらきら輝く。 主役なのに、脇役に徹することができる潔さ。どんなに悪者にされても、邪険に扱われても文句ひとつこぼさない。 変わらず、そこにいてくれる。 日本人としての心を育んでくれる。 白米が大好きだ。 とまらない。 脇役だった私の食事から、いつしか主役になっていた。白米があれば、おかずはどうでもよくはないが、以前ほど考えなくなった。日によっては、白米と、てんこもり具沢山のお味噌汁だけということもある。 生活が変わり、色々

みんなで考えよう

どうしたら日本人のための日本を取り戻すことができるのだろうか。 日本人がいるから、日本という国が存在する。 日本という国があるから、日本人が存在する。 国がなくなったら、そこにアイデンティティーは存在しない。日本人がいなくなった日本は、日本ではなくなる。多様性、共生を叫んでいる人たちは、どう考えているのだろうか。ユダヤ人のように国を追われた日本人の未来しか想像できない。 国土を失っても日本人でいられるのだろうか。 八百万の神々も存在し続けられるのだろうか。 信仰する人々

トイレとセルフレジ

セルフレジ。 便利だと思う。 だが、一つのレジに一つのセルフレジでは意味がない。せめてもう一台欲しい。 次の人が、パン一個だけのときの店員と客からのプレッシャーたるや。じっとり一挙手一投足見られている視線を感じてのお会計。とても気まずい。 何社くらいがセルフレジを作っているのだろう。このまま、それぞれの会社が他社と協調することなく独自性を強めて開発していけば、トイレと同じ道をたどってしまう。待っているのは、ただただ利用者が不便なカオス状態。 今は黎明期なので、様々なタイ

正社員にしたら負け 給料上げたら負け 外国人雇わないと負け レジ袋無料にしたら負け 個包装やめたら負け 袋詰めしやすいよう環境を整えたら負け 目が曇っていないと負け 忖度しないと負け ペンは剣より弱くないと負け 横へならえの勝ち

種違い

父親の一番下の弟だけ、種が違う。 幼い頃に会ったことがあるのだろうが、彼のことは記憶になかった。大人になり会ったとき、彼は、私にとって初対面と一緒だった。 道を外れた人。 息子二人は、ちんぴら。 それが晴れがましい席で彼らに対して抱いた、私の最初の感想だった。と同時に、種違いが頭をよぎった。 同じ兄弟でもこんなにも違うものか。一人だけ他の兄弟と似ていない。みんな小柄だが、ひとりだけ上背がある。他の兄弟は真面目だが、彼だけいきがっている。 そして何より、同じ環境で育

あなたも見られている

美容院に行くたびに感じることがある。 若い美容師さんが委縮している。 美容院の口コミは参考にするが、けっこう感情的なものが多い。 投稿者の大半が女性ということも関係しているのだろうが、読んでいて疲れてしまう。 タイプは二分される。 ネット上でヒステリーを起こすタイプか、気持ち悪いほど媚びを売るタイプ。 もちろん、普通の人達の方が多いのだが、どうしてもそういう人たちが記憶に残ってしまう。 たとえ、名指しで批判していなくても、お店には当然分かる。 口コミを読んだ客にも、なん

選挙権放棄税、導入いたします

誰もが生まれながらにして与えられ、大人になった暁に手にすることができる権利、選挙権。 初めて届いた投票所入場券。 そこに自分の名前を見つけた時、面映ゆさを感じた。 と同時に、周りから大人として認識され、これからは一人の大人として生きていかないといけない責任、覚悟を痛感させられた。 望む、望まないにかかわらず、確実に権利を与えられることが分かっていると、人は簡単にその権利を放棄してしまうのかもしれない。 当たり前だから感謝をせず、当たり前だから文句ばかりがでる。 今では

私たちは人形じゃない、人間だ

ある人は言った。 「みんなの未来に責任を持ちたいから、講座申込者全員と面接をします。その上で、受講者を決定します。少数精鋭でいきます」 「最低月に一回はオンラインで講座を開き、受講生みんなに参加していただきます。受講生全員がプロとして活躍できるよう最後まで責任を持ちます」 ある人たちは、何も言わなかった。 誰でもウエルカム。 未来に責任は持たない。 彼らは、ただただ自分たちの儲けが増えることを喜んでいた。 想像以上の人から申し込みがあったと、歓喜していた。 いつ撮ったのか

遠い空

空を知らない。 目に入るのは、窓のない照明がともされた空間。 そこには、季節はない。 強制的に季節を与えられる。 太陽も、外の空気も知らない。 知っているのは、同じように自由を奪われたたくさんの鶏たちだけ。 足元は目の粗い金網。 つかむのが大変だ。 爪が研げないから、爪は伸び放題。 足を思いっきり広げたことなど、一度もない。 止まり木って、どんな感じなんだろう? 木に憧れる。 足の裏全体を、地べたにべたーっとくっつけて踏みしめてみたい。 土の上を歩いてみたい。 土の匂い

はととカラス

ふわっ。 白い綿毛が、ぱっと広がる。 ついばむたび、ふわっふわっと。 陽の光を受けキラキラと輝く綿毛が、灰色のコンクリートを次第に白く覆い隠す。 時折通る車の風が、コンクリートに積もった綿毛を舞い上げる。 まるで天使の羽のよう、目のくらむような美しさだ。 初めて現実として目の当たりにした光景から、目が離せなかった。 そんな私を周りの人は奇異な目で眺め、去っていく。 あまりに美しく、そして、あまりに残酷な景色。 これが生きるということなんだ。 そこには羨ましいほどの生きる

なんだかなぁ、な一日

少し寝坊をした。 あれやこれやしたいことがあったのに、朝から予定が狂ってしまった。 「寝坊した!」と思い飛び起きた時が、一番目が覚めている。 見ていた夢も吹き飛ばすほどの勢いだ。 朝ご飯を手早く済ませながら、今日の予定を立て直す。 寝坊した分の時間を取り戻すべく、朝から頭はフル稼働だ。 ちゃきちゃき動くはずだった。 そう、人生とは何事も予定通りにはいかないものだ。 寝起きの冴えわたった頭はどこへやら、しばらくしてから猛烈な眠気に襲われるようになった。 何をしても眠

また旅にでる

「いってらっしゃい。 たくさん旅をして大きくなって、諭吉さんになって私の元に戻っておいで」 片づけなければ。 その思いは、唐突に訪れた。 部屋を見渡せば、確かにあれやこれやが出しっぱなしになっている。 引っ越しの時にあらかた処分したので物はだいぶ少なくなったが、使ったファイルやノートやらが飾り棚に置きっぱなしだ。 飾り棚は花瓶だけと決めていたのに、今や花瓶は片隅に追いやられ肩身が狭そうだ。 でも、こうなるだろうことは予知能力などたいそうなものがなくとも分かっていた。

ローズの魔法

焼酎を買った。 近所のスーパーに置いてある定番の銘柄もおいしいが、何か物足りない。 おいしい焼酎が飲みたかった。 しかし、ネットで探すうちに、紙パック限定で探すと種類が限られることが分かった。 そんな中、鹿児島のお店で「さくらじま」という銘柄を扱っているお店を見つけた。おまけに、三種類二本ずつ入っている。理想の形。そして、こちらでお目にかかることのない銘柄。 今までネットで買うときは、お祝いごとであれ、ゴミになると思い、包装は頼んでいなかった。 むき出しの段ボール