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2ndアルバムFocus

はじめに


おかげさまで
2ndアルバム『Focus』リリースさせていただきました。

通称300万円アルバム。

自主制作を重ねてきた中で、ここまで大きな規模感で制作をさせていただきました。
全曲レコーディングスタジオにて全曲プレイヤー(ほぼ)バラバラのアルバム。
資金自体はAFF(ARTS for the future!)という国の芸術支援金を利用しての資金なので、やましいことはひとつもありません。
携わってくださったみなさんや自分が潤ったのも国のおかげです。

そんな国のおかげアルバムのセルフライナーノーツを書いてみました。
これまでtwitterにてライナーはしたりしてきたのですが、せっかくの機会なのでnoteにまとめてみることにしました。

文字数が多いので
日に分けたりしながら読んでもらったり
好きな曲だけ読んでもらったりなど
お好きに読んでやってください。



Vernier


Vernierは昨年シングルとしてリリースしました。
そういえばこういうまっすぐなバンド!みたいな曲ないよなということで作りました。
(芝の制作の指針がだいたいそれです。なかった要素を作る。)
Focus版はドラムが打ち込みから生ドラム(叩いていただいたのは工藤竜之介さんです)になってたり、歌を録り直したりしてます。
前回をざらっとした質感だった歌が、何回も聴けるような抜けの良い歌に変わっていたりします。ドラムが変わると歌も変わりますね。

歌詞についてはそもそもデモの段階でテキトーに歌った際出てきた「バーニア」という単語がどうやらロケットのパーツだったということで、じゃあロケットの話にするか!と決めました。
せっかく宇宙行く話ならもっと風呂敷広げちゃおうぜ!
ということで、火星人など偉人などいろいろ青さいっぱい夢いっぱいな世界観になって気に入っています。

Succubus


もともとはコンピレーションに参加するため書き下ろしたファンク曲です。
IQ2ぐらいで書いた歌詞。(なので説明は省きます)
当時作詞作曲RECまでの納期が一週間しかなかったので、そういった勢いが良い方に作用した曲になりました。
再レコーディングの際、ホーン隊の野口勇介さん、井坂茉樹さん、高井天音くんが、リズム隊にBa佐々木恵太郎くんとDr岡島俊治さんが加わり、生まれ変わりました。

余談ですが20代半ばに血迷ってファンクバンドを組むという話が一瞬だけあがり、それからメンバーが集まり出した段階で話が消えたことがありました。
やー、消えてくれて本当によかった!←
おかげでこんな素晴らしいファンクができた!

キャンディ・キャンティ


こちらの曲はFocusベストメロディ賞にもノミネートされています←
なので少し腕まくりしてメロについて書きますね。
(だるそうなら一段落飛ばしください)

この曲は大好きなJason MrazのGeek in The Pinkを自分がやるならというテーマでAメロはラップとも歌とも取れないぐらいのメロディを目指しました。
Bメロは2Bの布石となるようにほぼほぼAメロの形で着地もほぼほぼAメロと一緒にしてます。聞き手の耳をAメロにするぞ!みたいな。
2Bのゴスペルなコーラスラインは結構前から暖めていたアイデアだったのですが、フックとしても楽曲の世界観としてもマッチして本当によかった。
サビは家の周りをバイクで爆走してるときに思いつき、路肩にとめてボイスメモで録りました。
メロ作りにはツーリングが最高!やっぱ最高!
この曲はどこを切り取っても良いメロディ!というのができました!
Gtソロも含めて3分未満!現代的!編曲のHaToさん凄すぎ!

歌詞はSSWの友達がモデルになってます。
この人のおかげでキャンディ・キャンティの世界観がブレずにできました。
PCゲームのCupheadというカートゥーンな世界観で不思議の国のアリスやるみたいな形です。(伝われ!)

BOREDOM


ボーカルとして一番得意なことをフィーチャーした曲にしよう!ということでシャウト曲を作りました。結構地に足がついたテーマですね。
シャウトする曲は前作の「ダイアモンド」があるのですが、なかなか後半なので再生してすぐシャウトが出てくるものという前提で作りました。

曲の全容があった時点ではDTMを学んでおらず
頭の中ではできているのに伝えられないというもどかしさとウップンが溢れていました。
そんな鬱屈としたパワーをもった曲を編曲の坂田善矢くんが100倍ぐらいジェノサイドな曲に仕上げてくれました。

タイトルのBOREDOMは良い意味ではない方の「暇」という意味で
暇にちなんだ嫌なことを列挙する形で歌詞を進めていったのですが、早いうちに万人受けは諦めて受皿の狭い内容の歌詞にすることにしました。

がんばってはいるけどまだ辿り着くには時間が必要なことに対して地団駄を踏んでるような。今すぐ結果が欲しいのに今ないから怒る。
だってこんなにがんばっているのに!
といった一人相撲の状態の時の「暇さ」って格別に無力感を引き延ばされて辛い。
もう他人からみたら超めんどくさい人!
けどそういう人に届いたらいいなと思って書きました。

Hands Up



一転して爽やかな曲。
この曲はもともとミディアムバラードとしてオーダーしていた曲だったんですが
J-POPの名手、原嶋Denny純平先生の力でメロディの解釈が広がって包容力のあるアコースティックな楽曲になりました。
デモ段階では歌詞が全然出てこなかったのですがこのアレンジが返ってきて一気に書くことができました。

歌詞において大事なことをそのまま書くと薄っぺらくなると努努思っていたのですが
いざやってみてこれはこれで非常に良い意味で素朴になるんだなとちょっと発見でした。

レコーディングは旧知の友人であるそうな純平さんと幡宮航太さんが共演されてて、胸が熱かったですね。
参加したみなさんでクラップを録ったのも楽しかった。

NAME


「バラードやらないの?」
っていうのを以前から言われていましたが正直避けていました。
今回編曲は幡宮航太さんにお願いすることが決まっていたので、ここは胸をお借りしてやってみようとトライしてみました。

しかしやってみて本当に苦戦しました。
音数の少ないバラードは先人のメロディラインが多くかなり折衷案をとったように記憶しています。
あの時期ほどバラードを聴き込んだ時期はなかった….
一ヶ月ほどメロを悩み作りましたが、ひとつ納得のいくものができました。

歌詞の主人公は実は女性です。
人の目を気にするという形で「おかしいでしょ?」
という日本人の観念は奥ゆかしいなあなんて思って作りました。

CINEMA

ゲストで海外嗜好のロックを歌ったことがあった時に

「じゃあオレも洋楽っぽい曲を作ってやろう。」

ということで作った曲です。
作るならこれまでの曲よりも扱うスケールの大きく。
なんたって世界だからな、海外は。ふふふ。なんて思いながら作りました。

デモの時点で初めて鍵盤の伴奏が引っ張る形で一つのコード進行だけで進むようなバンドサウンドを作りました。(自分なりの洋楽観)
今回編曲のまつまるくんが自分の意図を汲みつつ自分の意図以上の楽曲にしてくれました。
「イメージ通りイメージ以上」って人に任せる中で初めての経験でした。
(それだけイメージの伝え方と実現は難しい)

歌詞のCINEMAは一つの娯楽の象徴として書きました。
タフな曲だったので辛すぎない勇ましいぐらいのバランスで作りました。



おわりに


そもそも「Focus」ってなんだよっていう話なのですが

いろんな世界や視点や関係性を一人の目線でさまざまな角度から切り取ったものを作りたい。

というコンセプトでFocusとしてみました。

こういう文章を読んで少しアルバムの聴き方が変わってくれると嬉しいですね。

文章の構成上すべてのプレイヤーの方や編曲家さんエンジニアの方を登場させることができず申し訳ありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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