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「電気怪談」の作り方.1

電気怪談をご覧くださり、ありがとうございます。今回は、この動画コンテンツをどういう手順で作っているか、お話ししてみたいと思います。

実は、昨日配信した第三話まで曲の使い方がバラバラなのです。第一話「墨水」では、昨年作った曲の音源をそのまま使いました。第二話「指~江戸川乱歩」では、新たに曲を作りました。(すごくシンプルな音ですが)第三話「耳中人」では、昨年作った曲を、演奏し直しました。

今回の文化庁の補助金制度の中で、たくさん機材やPCやソフトを揃えたのですが(70万近くかかりました、、!)、録音知識ゼロからのスタートなので、日々勉強した知識の範囲でベースと機材とPCを繋いで録音しました。なので、「耳中人」の音はいちばんクリアな音になっているハズです。

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実際の作業のスタートは(たたき台の曲が無かった第二話を例にします)、朗読のテンポの決定です。江戸川乱歩が書いたこのお話を、僕の声で読むとどれくらいのスピードがちょうどいいのか。朗読にも、リズムやスピードや間がありますから、演奏家と同じようにテンポの設定は不可欠だと僕は思っています。

読みながらメトロノームをかけて(MacのGarageBandという音楽ソフトの)、僕の朗読に心地よいテンポを知ります。「指」ではテンポがbpm82でした(1分間に1拍が82個)。

次に曲を作ります。朗読を練習する前にです。僕はベースラインから作ります。シンプルなベースラインを作ったら、その中で使える他の楽器の音色を探します。これは1日で済ませます。いちばん重要な過程ですが、あまり時間はかかりません。お風呂の中でベースラインを思いつくことが多いです。

思いついたベースラインをまず録音します。自分で実際に家にあるベースを弾くこともあれば、GarageBandのバーチャルなベースの音源で打ち込むこともあります(前者は第三話で、後者は第二話でやりました)。楽曲を仕上げるのは、1日から1日半くらいです。

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次に、朗読の声を録音します。ノイマンというマイクで録ります。この時は、窓ガラスのシャッターを下ろし、カーテンを閉め、エアコンを消し蛍光灯を消します(ノイズが入るのです)。ノイズが入らない電球の下で録音します。録った声をGarageBandで作った曲の上に配置し、演奏とかぶらないように切っていきます。朗読ー演奏ー朗読ー演奏という順になるように配置します。

僕は、メロディラインを演奏しながら朗読することが出来ないのです。一週間ほどギターやベースでメロディを弾きながら朗読するという練習をしましたが、全然うまくなりませんでした。どうしても唇の動きが、手で演奏するラインに引っ張られます。なので、切り分けることにしたのです。

今回はここまでです。
作業の続きは、次回お話しします¥
「電気怪談」最新話の第三話を是非どうぞ。


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