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ウマ娘をまったく知らない競馬歴約7年の私がウマ娘キャラの血統から穴馬を探す桜花賞予想

『ウマ娘 プリティーダービー』なるアニメ・ゲームが人気らしいですね。
 かねがね噂は聞いていたのですが、かれこれ約7年ほど馬券を買わない年はなく、お店で馬刺しを出されても「宗教的理由」で決して箸をつけないことにしているくらいには競馬好きなので、歴代の名馬を擬人化するというコンセプトにどうにも違和感を拭えず、いまだに手を出さずにいます。

 ただ、入り口はどうあれ、奥深い競馬の世界に魅せられる人が増えるのであれば、それは歓迎です。
 先週末には、マルゼンスキー役の声優Lynnさんが10万馬券をたったの6点買いで仕留め、Twitterのトレンドに上がるくらいでした。

 何度見てもエグいですね……。
 ちなみにこの大阪杯、三連単の配当は1062.1倍でした。
 100円が106,210円になるわけで、1,000円賭けていたLynnさんは……。
 皆までいわないでおきます。

 ちなみに私はというと、毎週買って神経をすり減らすのに疲れてしまったので、ここ2年くらいは月に1回くらい、これは絶対に3着以内に絡むと確信を持てた馬にだけ100~200円を転がして、回収率100%超えを目指すという遊びをしています。券種は基本的に複勝・ワイド・三連複のみ。ワイドのみ2点買いで200円にすることがあります。
 今年の成績はこんな感じ。

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 妻にも見せていない収支成績です(笑)
 今月はまだ買っていませんが、3月までに4レースを買って2レース的中、的中率50%で回収率は150%。向こう3ヶ月は赤字にならずに遊べるかな、と考えています。これくらいの距離感で見ているほうが、意外と競馬は楽しいものです。

 私のことはさておき、ウマ娘の話。
 今日はせっかくなので、ウマ娘をきっかけに最近馬券を買い始めたという人向けに、かんたんな競馬入門を兼ねて、明日11日に行なわれる桜花賞の予想を書いていきたいと思います。競馬好きの方にとっては「なにをいまさら」な話かもしれませんが、しばし放言にお付き合いください。

 競馬にはラップ、調教、騎手、脚質・展開、馬場などさまざまな予想ファクターやアプローチがありますが、今回はLynnさんに倣い、ウマ娘の登場キャラクターの血統から、面白そうな穴馬を探したいと思います。いわゆる「血統予想」です。

 まず「ウマ娘 プリティーダービー」の公式ホームページにて、登場キャラクターを確認します。

 ひと通りざっと見渡した私の率直な感想は、

「SSもディープもキンカメもいないのか」

 でした。

 SSとはサンデーサイレンスのこと。
 1990年にアメリカから輸入されて現代日本競馬の礎を築き上げた、超偉大な種牡馬です。
 サイレンススズカ、アドマイヤベガなど「ウマ娘」にもサンデーサイレンス産駒が登場しています。
 そのサンデーサイレンスの仔のうち、最高傑作がディープインパクト。
 競馬に興味のない人でも、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
 輝かしい競走成績を残したディープインパクトですが、種牡馬としても素晴らしく優秀で、多くの名馬にその血を受け継ぎました。間違いなくサンデーサイレンスの後継種牡馬といえます。種牡馬のことを英語で「サイアー」といいますが、ディープインパクトは2012年から2020年までその年の最も優秀な成績を収めた種牡馬である「リーディングサイアー」の名をほしいままにしました。またサンデーサイレンスは、現役競走馬たちの母の父=「ブルードメアサイアー」として、2006年から2019年までリーディングを独走していました。

 そのディープインパクトと双璧をなしていた種牡馬が、キンカメことキングカメハメハでした。ディープの後塵を拝しつつも、2012年から2018年までは連続でリーディング2位となっています。

 つまり、ここ10年くらいの競馬は、ディープ・キンカメという二大巨頭の仔たちが席捲する「二強時代」が長らく続いていたのです。

 ところが。
 2019年は、競馬ファンにとって忘れられない年になりました。
 ディープ・キンカメの二大巨頭が、相次いで死んでしまったからです。
 もう未来永劫、ディープ・キンカメの血を引く息子・娘が新しく生まれることはありません。
 となると、向こう数年はディープ・キンカメの後継種牡馬争いが激化していくことが予想されます。既に数年前から予兆はあって、キングカメハメハの仔であるロードカナロアが、アーモンドアイという稀代の名牝を生みました。今後はロードカナロアが、キングカメハメハの後継種牡馬となり、種牡馬リーディングの覇権を握る筆頭候補といえそうです。ほかにもルーラーシップ、アパパネ、ドゥラメンテ、そしてレイデオロなど、楽しみな種牡馬が控えています。
 また、2006年から2019年まで「最も優れた母父」であるブルードメアサイアーのリーディングはサンデーサイレンスがずーっと保持し続けていましたが、2020年、キングカメハメハが初めて逆転しました。二代先の孫につなぐ血は、もしかするとディープよりもキンカメのほうが優秀なのかもしれません。
 とはいえ、ディープも負けてはいません。キズナなど、後継種牡馬候補がしのぎを削っています。

 こういった状況なので、今年の桜花賞に出走する18頭の血統表を眺めてみると、SS(ディープ)とキンカメの血が双方入っている馬がけっこういるわけです。
 たとえば、1枠1番ストライプは、父父がキングカメハメハ、母の父の父がサンデーサイレンスという血統(父の母に、ウマ娘に登場するエアグルーヴがいます)。
 3枠5番のアカイトリノムスメに至っては、父ディープインパクト、母アパパネ、母父キングカメハメハという、まさに日本競馬の結晶のような超良血馬。両親がともに三冠を達成しているというのだから驚きです。

 と、概論はこれくらいにして。
 SS(ディープ)/キンカメの血がメインストリームであることはわかったとしても、それはあくまで何百回もの競走結果から導き出された統計でしかありません。桜花賞という1レースにおいては、ディープ・キンカメとは関係のない血統の馬が勝つことだって、確率的には十分にありえます。

 血統予想の魅力のひとつは、本流に捉われない穴馬を見つけられるところにあると思っています。

 先週のLynnさんが当てたレイパパレは5代前にマルゼンスキーの血が入っていたわけですが、さすがにちょっと遠い気がするので、ここは3代血統表を見てみましょう。

 前日22時時点で1番人気のソダシは、母ブチコにキンカメ、SSの血が入っています。このブチ柄の馬ブチコも現役時代はなかなかに愛されたアイドルホースでして、重賞勝ちこそなかったものの、仔がいきなり阪神JF、札幌2歳Sという重賞レースを勝って、一躍有名になりました。ウマ娘でいえばゴールドシップになぞらえる人もいるようですが、キャラの血が直接継がれているわけではなさそうです。

 2番人気サトノレイナスは父ディープインパクト、母はアルゼンチンのバラダセールなので、ウマ娘との関わりはなし。ちなみにバラダセールは、昨年の弥生賞馬サトノフラッグを産んだ名繁殖牝馬です(私はダービーもサトノフラッグ本命にして散りました)。

 3番人気メイケイエールも関連なし(クロフネやハービンジャーはウマ娘化していないんですね)、4番人気アカイトリノムスメも前述のとおり超エリートで関連はありません。5番人気エリザベスタワーは外国産馬、いわゆる「マル外」です。

 6番人気以下は単勝オッズ10倍を超えてきそうで、いよいよ穴馬の予感がしてきましたよ。

 このあと18番人気まで血統を遡っていった結果、ウマ娘キャラに関連のある馬で個人的に気になる馬を4頭見つけました。気になる順に印を振って並べてみます。

◎ 15 シゲルピンクルビー
〇 17 ホウオウイクセル
▲ 16 ソングライン
☆ 6 ストゥーティ

 ◎は本命。〇は対抗。▲は本命に勝てるかもしれない単穴。☆は特注で、もしかすると一発大仕事をかましそうな期待馬、ほどの意味です。

 印を振らなかった馬では、ブルーバードが父父スペシャルウィークと父父母父マルゼンスキーの血を引いているのですが、いかんせん相対的に劣る気がします。前述したストライプも時計が平凡に見え、ずっと左回りのコースを走ってきたので右回りに変わってどうか。

 ストゥーティは、父父父グラスワンダー、母父ゼンノロブロイの血を引いています。
 前走チューリップ賞でメイケイエールに0.1秒差と迫っており、馬場が「稍重」というやや悪い状態ながら、桜花賞の舞台と同じ阪神1600mで1:33.9と優秀な時計。脚質の自在さは魅力です。チューリップ賞組は、例年よく桜花賞で馬券に絡んでいます。
 ソダシとの直接対決(アルテミスS)では0.4秒=2馬身差ついているものの、その後、阪神JFでメイケイエールがソダシに0.2秒差で敗れていることから、詰めるべき差は1馬身半に縮まっています。線の細さや、これまで早いペースのレースを経験してことなった点が気になるものの、種牡馬モーリスの血にも期待したいところです。

 ソングラインは、ディープの後継種牡馬候補の一角キズナの仔。母母父がウマ娘ゆかりのアグネスタキオンです。
 まだリステッド競走という格下のレースでしか勝っておらず、距離も延長で割り引きですが、前走の1400mをハイペースで先行して、上がり(=残り600mのタイム)最速で3馬身差をつけての快勝。かなり余裕があるレースぶりでした。中京は時計が早いにしても、1:20.6なら十分に重賞クラスです。同じ中京1400のファルコンステークス(と、そこからアーリントンカップ、NHKマイル、安田記念と続く3歳短距離路線)を見送っての桜花賞参戦なら、陣営に勝算はあるかもしれません。

 ホウオウイクセルは、母父スペシャルウィークだからウマ娘的にはドンピシャ(?)の血統でしょうか。父(サイアー)に次いで母父(ブルードメアサイアー)が、仔の能力に反映されやすいといわれています。ついでに父母エアグルーヴ、母母メジロドーベル、その父メジロライアン、しまいにはスペシャルウィークにマルゼンスキーの血が入っています。
 キングカメハメハの後継種牡馬候補ルーラーシップ産駒というのも心強いでしょう。ルーラーシップは安心と信頼の優等生的なイメージがあります。
 肝心の戦績は、前走勝ちからの距離短縮が好材料。
 競馬というのは、確率的に前走と比べて、

距離短縮>同距離>距離延長

 の順で勝率が下がっていくものなのです。あくまで確率論ですけどね。
 線は細いし、2走前にファインルージュに負けてはいるものの、ペースが緩やかならば馬券に絡んでも不思議はありません。

 そしてシゲルピンクルビー。
 ストゥーティと同じくモーリス産駒で、父父父にグラスワンダーがいます。ただ特筆すべきは兄弟で、2歳上のお姉さんシゲルピンクダイヤが2019年の桜花賞で2着(7番人気)に入っています。
 奇遇なもので、そのときのシゲルピンクダイヤが8枠16番。
 今年のシゲルピンクルビーも7枠15番と外枠です。
 そもそも阪神1600mというのは内枠の逃げ先行が統計的には有利とされていますが、桜花賞に限っては近5年で外枠がけっこう3着以内に絡んでいます。2020年のレシステンシア(17番)、2018年のアーモンドアイ(13番)、2017年のソウルスターリング(14番)、2016年のジュエラー(13番)。いま思うと錚々たる顔ぶれです。
 だから今回、ストゥーティも魅力ではあったのですが、上位3頭に思いきって外枠の馬を選びました。土曜日に行なわれた阪神牝馬ステークスでも、12頭立てで上位5頭が10番、4番、1番、11番、12番。外枠は決して不利ではないと考えます。
 シゲルピンクルビー自身は前走を勝って距離延長という厳しい条件ではあるものの、馬格はあってまだまだやれると思います。前走フィリーズレビュー組は例年、桜花賞では狙いづらかったりもするのですが、だからこそ配当が美味しくなるともいえます。ここは2年前の姉2着の再現を、いや雪辱を、期待したいところです。こういうドラマを想像させるのも、血統予想の面白い点ですね。

 いやもちろん、アカイトリノムスメの「親子3頭揃っての三冠馬」なんていう、漫画で描こうとしたら編集者に一発でボツにされそうなストーリーだって、今年はありうるわけですが……(小声)


追記:最後に大事なことを書き忘れていました。

 ウマ娘に早見沙織さんの出演まだですか!!
 出演するならがっつり応援しますとも!!!

 

 

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