ゴッドタンを見ながら。

過去のゴッドタンを見ながら、お笑い(含む「お笑い風」)の人は、本当に頭の回転が速いなといつも感嘆する。筋書きはあるようでないようで、その場の瞬発力で、見ている人が面白い、笑ってしまうような場面を作り出すのは、本当に素晴らしい才能だと思うし、その素晴らしさはスポーツで磨き上げられたアスリートの心技体に心打たれるのとを似ている気がする。
知力は、止まっているボールを蹴るような知力と、動いているボールを動体視力で捉えて適切にその場で処理する知力の二種類があるように思う。前者は受験勉強で測れるが、後者は容易には測れない。また測れる人が測らないと測れない。お笑いの人は、まさに後者の知力で、良くゴッドタンの中では「プロレス」という表現をしているけど、そのプロレスが上手くできるのは、真の意味でタレントだと思う。
同時に、筋書きがあるようでない部分もあるのがプロレスなんだろうけど、ゴッドタンを見ていて面白いのは、ある程度シナリオや展開が見える時もあって、それはそれで、そのシナリオに舌鼓を打たせていただく訳だけれど、他方でガチな場面も時々あって、先日のストイック暗記王の朝日奈央さんの回で、劇団ひとりさんが「言っとくけど、俺、リハーサルでも泣いてるからな」と最後に〆てて、野球に例えると、筋書きでない部分との「ボール一個分の出し入れ」みたいな部分が見えたときが、一番心の芯にジーンと来るし、深いところで「面白い」と思う。
そういったある程度の緩さがある場を作り出す、ということが本質的に大事なことなんだと思う。

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