愛とはやすい物ですか

　人が節目を迎えると、聞かれる質問がある。

　”この一年の抱負は何ですか？”

　私も先日、人生において一つの節目を迎えた。今回は聞かれなかったが、これから聞かれるのかな。

　この質問は、私はある種卑怯だと思う。決まってこういう時というのは、態度としては何でもいいよと伝えておいて、実はこの裏には要求がある。明るいもの、ポジティブなもの、自分では出来ないと思っている貴いもの…。実は他人任せな期待が乗っていると思う。だから、マイペースな発言は時に怒られる。ひとを失望させる。私は、精一杯生きているというのに。

　今年私がこの質問をされたら、なんて答えよう。「生きます」なんて言ったら、確実に空気はおかしくなるだろう。”どういうふうに生きていきたいですか”、”異性はいないんですか”、”いつになったらパートナーできるんでしょうねえ”、実際には、もっと格を落とした言葉の使い方をしてくるだろうが、私からするとこういうタイプの話題は、これくらい心を落ち着かせたワードチョイスが要る会話だと思っている。でも、これについては私は、自身を持って回答できる。
　“相手ですか？居ないですし、そういう意味では私は生涯一人で生きると思いますよ。なんですか、何かおかしいですか？　ー 欲しいか欲しくないか？少数派だからと私が求める愛の色を踏みつけてまで生きなければならないのならば、そんな幸せいらないです。”　私が私の考えている「愛」を描いて生きるのが、これまでと変わらず周りを壊すことになって、私が光を手に取り周りは不幸になって、私は生き周りは壊れるのならば、私は一人を選びます。 ー 寂しい ですか？「寂しい」とは、何ですか？　私は他の人ほどそんな感情は持ちません。

《お前さぁ、ちょっと固すぎるよ。もうちょっと他人≪ひと≫の顔ってあるじゃん、そんなんじゃあ、誰もお前と仲良くなろうとは思わないよ》

《あの子はちょお、、、っと、頭が固いのよ。接しにくいとは思うけど、そこは、ね、(小声で)あんまり目の前で表に見せちゃうと、繊細な子だから…》

私は、周りの大人に夢を与えなければいけませんか。

私は、偶像になるべきでしょうか。

そうです。“私が周りを壊す”と言うのは、こういう事なんです。

ドン引いた顔、何種類も見てきました。変えるつもりは毛頭ありません。そんなことが出来るなら、とっくにやっすい仮面被って人並みに暮らせているわ

私は、私です。これ以上の譲歩はありません。

さあ、私は私の音楽を作りましょう。