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透明な太陽発電パネルをお家で自作しよう:②色素増感太陽電池を3千円で

色素増感太陽電池とは?

まずは私が目をつけているのは色素増感太陽電池。ウィキペディアから定義を引用:

色素増感太陽電池は原理的には酸化亜鉛など金属酸化物などによる電子と正孔(ホール)の分離による起電力を得る湿式太陽電池として古くから知られていたが、1991年にグレッツェル教授により、二酸化チタン微粒子の表面に色素を吸着することで飛躍的に起電力が増加することが見出され、実用的な低コスト太陽電池として注目を得るようになった。光エネルギー利用の研究分野として光触媒の研究とともに日本での研究が盛んである。

原理

ここでは一般的なグレッツェル・セルについて説明する。電池に光照射をすると、まず負極の酸化チタンに化学吸着している色素(増感色素)が光励起し、つづいて色素から酸化チタンへの電子注入が起こり、色素が酸化される。電子を失った色素は、やがて電解液中のヨウ素から電子を奪って還元され、ヨウ素は正極から電子を受け取り元に戻る。

ここで言う色素とは植物をすりつぶして布でろ過したようなもので十分であり、どの植物を使うかでUVを拾ったり赤外線拾ったり、可視光拾ったり色々と遊べるのが面白い点。あとは酸化チタンだが、これも化粧品やサンスクリーンの中にありふれている素材であり入手は容易だろう。

透明電極を使用することができるため、色素の選択により多彩な色を見せることも可能である。

あとはアノードとカソードになるフィルムか伝導性ガラスなどがあれば試作は可能。自宅で安全に実験してみるには良いターゲット。透明電極を使用すれば透明な太陽光発電パネルが試作できるだろう。現在の最高変換率は15%とまずまず。しばらくはこの色素増感太陽電池を極めて大きなシステムに移るまで経験を積むのじゃ。

3000円で色素増感太陽電池を試作!

こちらのビデオではInstructablesにあるこのチュートリアルを実演してくれている。この方は全部で30ドルでできちゃったという。3000円位だ。やっす。

そして、こちらのビデオでは同じチュートリアルを元に、制作過程を見れる。ね、作業自体は簡単そうじゃない?

この例でパネルが黒いのは電極にグラフェンを使っているから。透明な電極でも可なはず。

材料

- 二酸化チタン (白色の粉, メイクアップ用品に用いられる)
- クリップ2つ (スライドガラスを挟んで固定する)
- アセトンかアルコール(スライドガラスを磨く)
- 導電性スライドガラス(二酸化錫SnO2などでコートされてる必要あり)*
- グラフェンの粉/鉛筆の芯/lubricant stick
- シリンジ (あると便利)
- 電流電圧計
- 綿、綿棒
- ワニグリップ(電圧計につなぐため)
- アルミのレール (なにかしら硬めでまっすぐな物)
- 低めのお椀(色素の受け皿)
- スプーン
- ミネラル分を除いた水(薬局で蒸留水買えばOK)
- ラズベリー, ブルーベリーもしくはブラックベリー(市販のジュースではなく新鮮な果実から自分で抽出すること)
- ヨウ素剤(イオンを供給するため。ヨードチンキでいけるのでは?)
- ホットプレート(60度でスライドガラスを乾かす)

なんとか入手可能な感じじゃありません?チタンはeBayとかで買えるってビデオで言ってたし、アルコールとヨウ素剤は無水エタノールとヨードチンキ(割と純度高い)を薬局で買えばOKだろう。伝導性スライドガラスがちょっと難しいかな。売ってはいるけど、ここだと高いな。まあ、ガラスでもフィルムでもなんでも試作には透明で電気通せばまあいいんじゃないかな。グラフェンは鉛筆の芯でOK。

化粧品を自作している方が余裕で二酸化チタンの粉を入手しているし、やっぱり入手可能そうだ。写真から購入先がオレンジフラワーというお店と判明。チタンは20g
280円だって。やっすい。親油性と親水性とあるけどたぶん親水性が良いと思う。

ニューヨーク州立大学Neal Abrams助教授によるビデオ

基本的に同じレシピだけど、こっちはカソードのグラフェンの部分が鉛筆でゴシゴシしただけだからほぼ透明だね。グラフェンが触媒になって反応が続くのか。

2つのビデオの方ではチタンのペーストつくるのに硝酸を使っているのがあれね。

2000円くらいですが、今の薬局は毒物劇物取扱いの免許を持っていても、試薬の販売はしません。
過去に薬局から購入した試薬で爆発物を作った事件があり、役所から一般の方への販売は自粛するよう指示が出ています。

だって。

Instructablesのチュートリアルでは単に水で混ぜ混ぜしているから、水でいいんじゃないかな。ガラスにくっつけばいいのじゃ。うむ。たぶん問題なし。

ふむ。やはり自作できそうだー。