情動-jyoudou-

39

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

美しい女性に例えられた花はどれも綺麗だけど

はじめて芍薬に触れた時に僕は一目惚れをした

甘い囁きのような香りには一瞬で虜にもなった

散る花弁すら一枚づつ音を立て僕に呼びかける

私を見捨てないで、最期までそばにいて、と。

日々たくさんの言葉が
僕たちの身体を通り抜ける

心に留まることもあれば
気づくことすら無い

言葉に救われ、言葉に傷けられ

言葉が人の心を自由にし
言葉が人の心を支配してしまうこともある

言葉には誰かの想いと意味がきっとある

そう、
言葉の向こうにはきっと誰かがいるはず。

心は無いものと思えたからこそ

心は在ると気づくことができた

だから「心で考える」ということを

もっと深く。

今年に入っていくつかの出来事があり

今日、体中から変性意識を覚えるほどの感謝の感覚が溢れ出てきた

ありがとうとも違う、赤ちゃんを抱いている時の感じに似た、あたたかい感覚

目を閉じて闇を見つめても何も怖くない

悲しみも、喜びも、怒りも、全ての感情が蒸発するように広がった。

怒りや悲しみ、喜びや誇らしい気持ち

感情は僕たちが共有しているエネルギー

心から頭にコンタクトできるけど

頭から心にコンタクトするのは難しい

だから自分の下へと訪れた感情は
大切に汲み取ってあげることが大切

心の秩序を取り戻すことができれば

きっとそこから抜け出せるよ

主人公の平穏無事な毎日の様子がただ続いている

そんな映画じゃつまらないよね

嬉しい事があって
悲しい事もあって

辛い事があって
誇らしい事もあって

ハラハラドキドキ感情を揺さぶるすべての出来事がひとつの物語を引き立てる

僕たち一人一人の人生も
本当はそのようにありたい。

思い出に変わるまで

あの頃のキミは幼かった けど年上の僕はもっと幼かった 出会うのが早過ぎたと言えば格好つく…

楽しいこと

嬉しいこと

気持ちがいいこと

清々しいこと

そして、誇らしいこと

心のどこかに置いておこう

ひとつにひとつじゃなくてもいい

色々組み合わせてみるのもいい

自分の思い出の中から引っ張り出して

いつでもそばに置いておこう

過去はそうやって大切にする。

僕にとって恋愛は病でしかない

仕事は捗らないし、頭も悪くなるから

間違った判断しかしない

その病を自分の力で克服するには

女からワクチンを手に入れるしかない

つまりその相手とセックスをすること

僕は必死にそのワクチンを欲しがる

ワクチンを打ったあと、ふと我にかえる。

連れ去られた記憶や密度の高い感情が

ここにはたくさん集まってくる

希望の闇と絶望の光は混在し

それらは誰かの目に留まり

かすかな変化を与え続ける

いつか忘れることになろうとも

いつか空に還ることになっても

誰かが受け継いで、誰かが伝える

だから心配はいらないよ。