見出し画像

【白目相談室】人に本音を話そうとすると涙が出てしまう

臨床心理士/公認心理師として精神科で勤務しながら、夜な夜なSNS 界隈で漫画家活動やLIVE配信などをしております。白目みさえと申します。活動内容などはこちらでご覧くださいませ。

今回のご相談「本音を言おうとすると涙が出てしまう」

■ご相談内容

・自分の本音を相手に伝えようとすると涙が出てしまう
・別に悲しいことでもないのに涙が出てくる
・今後もっと自分の本音を言わなければならない場面が増えるのにいちいち泣いて自分の本音が相手に伝わらなくなるのが心配
・どうすれば良いか?


まず「もうすぐ進学」とあるのですが、大学でしょうか?高校でしょうか?
どちらにせよ今学生さんってことですね。

本音を言おうとすると涙が出てしまう…とありますが、どんな本音なのでしょうか?
例えばお腹が空いたときに「お腹すいた」というのも本音だし、「これとこれどっち食べる?」と聞かれたときに「こっち」と自分の好きな方を答えるのも本音です。
また「そういうのやめてほしい」と何か不満を伝えたり、好きな人に「好き」と伝えるのも本音ですよね。

あなたにとって「本音」ってなんでしょうか?

「今日寒いね」と聞かれたときの「うん」も本音と言えば本音です。

屁理屈のようなとんちのようなことを言っていますが、
実はすごく大切なポイントです。

というのも。
もし本当に「本音を言おうとする」と涙が出てしまうのなら
対処がかなり難しいんです。
何か自分の心の中にあるものを出そうとするときに
どんな場面でもどんな言葉でも何か言葉を発するたびに
問答無用で反射的に涙が出てしまうのだとしたら。
ちょっとそれは涙腺に何か問題がある?みたいな話になります。

でも例えば「親の前だけ」とか「友達の前だけ」とか。
本音の中でも「こういう本音はOK」だけど「これはだめ」とか。
そういう場合わけができると、対処法や原因も見つけやすくなります。

学校で習うでしょう?
x=3の場合y=3x+1はいくつになりますか?
だと答えは出てきますけど。
y=3x+1はいくつになりますか?
だとヒントが少なすぎで答えが見えなくなるんです。

そもそも相談者様にとって「本音」ってなんのこと?
っていうのを確認する必要もあると思います。

私が思っている本音と、相談者様の思う本音は定義が少し違うかもしれない。
また「言わなきゃいけない本音」と「言わなくてもいい本音」もあります。
涙が出てでも言った方がいいものと、涙が出るくらいなら黙っておく方がいいものもあると思います。

悩み事を上手に悩むコツは
「主語を大きくしないこと」です。

たとえば「蝶々が苦手」なら「蝶々と関わらない生活」を意識すればいいですが、「虫が苦手」だと「虫全般を避ける生活」をしなければなりません。

どっちの方が大変か想像できますよね?

「蝶々が苦手」も「虫が苦手」もどちらも意味は同じですが
問題は絞れば絞るほど対処法が見えてきやすくなります。

あなたの悩みはなんですか?

まずあなたの言う「本音」とは何を指しているのかを考えてみましょう。
もう少し言えば、あなたは「誰に」「何を」言えるようになりたいのでしょうか?

たとえば「お母さん」に自分の夢について語って理解してもらいたい
という目標であれば、別に泣きながらでも問題ありません

普段友達に「挨拶」をするだけで涙が出てしまうのであれば、「挨拶」が口から自然に出てくるようになるまで、家で何度も復唱して練習するのが効果的かもしれません。

目標をできるだけ具体的にしてみましょう。

あなたの思う「本音」とはなんなのか。
誰に何を泣かずに言えるようになりたいのか。

そもそも「泣かずに言える」ことが目標なのか
「相手にわかってもらう(伝える)」ことが目標なのか

それによって対処法は全然変わってきます。

もしここまで読んで「なるほどな」と思えたらここから先は読む必要はありません。

ここからは私なりの「本音」との付き合い方、そして「相手にわかってもらうとはどういうことか」について話したいと思います。

本音を言うべき場面

そもそも「本音」って言わなきゃいけないものだと思っていませんか?

ここから先は

2,333字

¥ 500

お役に立てましたらこちらよりサポートいただければ、白目をむいて喜びます♡