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注射嫌いなナースがワクチンを打った話

先日、やっと新型コロナウイルスワクチンの1回目を接種してきました。
ここに至るまで本当に紆余曲折あったので、そのお話。

「看護師なのに今頃?」と思われるかもしれないので、まずはそこから。

医療従事者の優先接種は春先だったので、本来であれば私もここで打てるはずでした。
しかし、その頃の私は上司のパワハラでうつ病が悪化して文字通り崖っぷちの状態。主治医からも「もう一度休職の診断書を出すから休んだ方がいい」とまで言われていて、今思い返しても切羽詰まっていました。

一旦復職して持ち直したかと思ったのだけれど、結局当の上司が全く自覚も反省もなく休職前と変わらずパワハラが連日横行する状況では当然ながら悪化の一途を辿るしかなく。
家族とも退職を視野に今後のことを話し合っていたある日、とんでもない嫌がらせというか事件が起きたことで私の心身は音を立てて崩れてしまい、バタバタと退職せざるを得なくなってしまったのが3月末。

ワクチン打ってないのになぁとか考える余裕はなく、本気でこのままじゃ心身ともに再起不能になると感じるレベルだったので、今思い返してもあのタイミングで辞めたことは間違いではなかったと思っています。

それから時は流れ、手元に接種券が届いたのが7月末。
ここからがまあ大変でした。

私の住む自治体では①LINEでの予約②コールセンターでの予約を導入しています。
母の時はこの2つを駆使して予約開始当日に無事予約できました。

なので今回もLINEで予約だな、と割と楽観的に捉えていたのですが、これがとんでもない間違いでした。
LINEで予約しようにも「予約可能な接種会場がありません」と一蹴され、コールセンターに電話しても繋がらず、繋がっても「枠がありません」とこれまた一蹴。

よく考えれば当たり前ですが、10代以降の全ての年代の人が予約しようとしているので、母の時とは母数が比べ物にならないほど多い。
その上競合相手はスマホもネットも使いこなせる同世代。母の時のような有利な状況では全くなかった訳です。

どうにか他に予約方法は無いものか、と色々検索したところチケットぴあのシステムを利用した抽選予約もしていることを知り、2週間に1回の抽選に賭けたのですが。

「厳正な抽選を行いました結果、残念ながら予約を取ることができませんでした」

撃沈。
確か3回くらい申し込んだはずなんですが、どれも落選。
最近は推しのコンサートでも落選したことが無かったので、久々の落選メール(?)にメンタルはボロボロ。しかも次回の抽選ページが無いことに気づいて問い合わせしたところ「次回以降の抽選は予定しておりません」と言われさらに窮地に立たされてしまったのです。

普通の人でも焦ると思うんですけど、うつ病でメンタルおぼろ豆腐な私にはダメージが大きかった。抽選結果を見ては凹み、問い合わせて一蹴されては泣き、一気に体調を崩してしまいました。

そんな状況の中、藁にも縋る思いでネットを調べていたところ「Googleマップでワクチン接種できる医療機関が探せる」との情報を知り、慌てて検索してみたら、意外にも近隣の医療機関が結構対応している!

あとはもうしらみつぶしに予約できるかを確認していくしかない。
対応していると言っても「かかりつけ患者さんのみ」とか「過去10年間に受診歴のある方のみ」とか制限を設けているところも多く困難を極めたのですが、どうにかこうにか初診でも受け付けてくれるクリニックが見つかり、無事に予約を取ることができました。

それが8月の終わり。その時点で9月の予約は一杯だったので、10月頭に打つことになった訳です。

とりあえず予約が確保できたことで精神的にはかなり安定したのですが、さらにここからが問題。
タイトル、覚えていますか?

私は注射が大嫌いなんです

「看護師なのに注射嫌いなの?」とよく言われるんですが、打つのと打たれるのは違うんです。こんなことを言うと人でなしとか言われそうですが、患者さんに打つのは全然平気、何本だって打てるし採血もじゃんじゃん刺します。

でも刺されるのは本当に無理…

さすがに倒れはしませんが、遡ること高校生の時にはボランティアで献血するはずが並んでいるうちにみるみる顔色が悪くなり、野菜ジュースを渡され「教室戻って休みなさい」と言われたくらいには苦手で、採血やインフルエンザワクチンを打つ時には毎度同僚に「はいリラックス~」と笑われる始末。

そんな私がこれまでに無いほど今回のワクチンが嫌だったのは「筋肉注射」だから。

人生で筋肉注射を打たれるのは初めてですが、打ったことはある。
どこにどう刺すかを知っているからこそめちゃくちゃ怖い。
なので接種当日まで毎日「注射怖い」「打ちたくない」「今すぐ皮下注射発明してほしい」とか好き勝手言いながら怯えて過ごしていたという訳です。

そんなこんなで当日。
緊張は最高潮に達し、接種前の診察では今まで見たこともないほど血圧が上昇していました。診察した先生に「何か聞きたいことはありますか?」と聞かれ、小さい声で「チュウシャニガテデ...」と伝えたけれど華麗にスルーされ。
あれよあれよと言う間に看護師さんに「はーいリラックスしてくださいね」と笑顔で言われブスっと打たれました。同業者ながら本当に容赦がない。


実際打ってみた感想としては、思っていたよりも痛くありませんでした。
筋肉注射に使う針って、他の針に比べて細いものを使っているので、刺される痛みはほとんど無かったです。薬剤を入れる時もじんわり痛いけど、飛び上がるほどではありませんでした。

その後の経過はこんな感じ。
<当日>
6時間くらい経って接種部位に熱感が出始めたのでアイスノンで冷す。打った方の腕が重怠くなり動かしにくくなる。着替えで腕が通せない。音ゲーが出来ない。寝る前に堪らず痛み止めを飲む。
<2日目>
腕全体が筋肉痛のようになる。接種部位の腫れが強くなり、アイスノンの凸凹が当たると痛いのでアイスノン→冷えピタに変更。冷えピタは2時間もしないうちに温くなるので都度交換。お昼に痛み止め。
<3日目>
痛みも熱感も落ち着いてきたので冷えピタはお終い。少し腫れは残るけど普段通りの生活に戻る。

腕の鈍痛がじわじわダメージだったので、ソファで休みながらひたすらネトフリでジョジョのアニメを見ていました。自分より痛そうな目に遭っているのを見て痛みを紛らわす作戦。


とりあえず1回目が無事に済んで良かったです。
2回目は副反応が強く出る傾向にあるようなのでアレルギー体質の身としてはとても不安ではあるのですが、注射の怖さに比べれば可愛いものです。


これで今回のワクチン騒動は一旦お終い。
2回目にどうなったかはまたnoteに忘備録として書こうと思っています。

それではまた。

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