いまさらながら「人を動かす」を読んだ話-その2

前回のおはなし

人を動かす3原則、人に好かれる6原則をまとめました。今回はその続き、「人を説得する12原則」をまとめます。

人を説得する12原則

議論を避ける

「議論に負けても、その人の意見は変わらない」ということ。議論に負ければ負け。勝手もやはり負けている。相手をボッコボコにしたとして、やった側はいい気になるが、やられた方は劣等感を持ち、自尊心を傷つけられ、憤慨する。
釈迦のお言葉「憎しみは、憎しみをもってしては永久に消えない。愛をもってはじめて消える。」の通り。グラハム・エーカーやないかい!冗談はさておき、誤解は、議論をもってしては永久に解けない。気転、外向性、慰め、いたわり、相手の立場で同情的に考える思いやりをもってはじめて解ける。
「意見の不一致を歓迎せよ」→もし、2人の人間がいて、いつも意見が一致するなら、そのうち1人はいなくてもいい人間だ。思い及ばなかった点を指摘してくれる人がいたら感謝しろ。
人を説得する原則1:議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。

誤りを指摘しない

なんで相手の間違いを指摘するんだい?相手の同意が得たい?冗談でしょ?相手は自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちを食らわされているわけで当然やり返してくる。考えを変えようなんて思うわけがない。傷つけられたのは論理ではなく、感情。
キリストは「すみやかに汝の敵と和解せよ」といい、エジプト王アクトイは「人を納得させるには、外交的であれ」と諭している。新しい話ではない。
相手が誰であろうと、口論するな。相手の間違いを指摘して怒らせず、外交的手法を使え。
人を説得する原則2:相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。

誤りを認める

どんなバカでも言い逃れぐらいできる。事実、バカはこれをやる。自己の過失を認めることは、その人間の値打ちを引き上げ、自分でも何か高潔な感じがしてうれしくなるもの。
でも、この高潔な感じに引き摺れて簡単に軽く誤ってしまうというリスクもあるなという感想。
人を説得する原則3:自分の誤りを直ちに快く認める。

穏やかに話す

腹が立って、相手を思いっきりボコればすっきりするだろう。だけど、ボコられた方は、すっきりする?喧嘩腰でやられて、気持ちよくこちらの思いどおりに動いてくれるだろうか?ロックフェラーはこう言った「相手の心が犯行と憎悪に満ちている時は、いかに理を尽くしても説得することはできない。」
人を説得する原則4:穏やかに話す。

「YES」と答えられる問題を選ぶ

まず、意見が一致している問題から始める。それを絶えず強調しながら話を進める。これは互いに1つの目的に向かって努力していることを相手に理解させ、違いはただのその方法だけだと強調する。
最初は相手に「YES」と言わせるような問題ばかりを取り上げ、できるだけ「NO」と言わせないようにする。これによって、相手の真理は肯定的な方向へ動き始める。物理法則と同じで、反対の方向にはね返すためには同じ方向へ進めるよりもはるかに大きな力がいる。
議論をすれば損をする。相手の立場で考えることは、議論をするよりもかえって興味深く、しかも、比較にならぬほどの利益がある。相手の誤りを指摘したくなったら、相手に「YES」と言わせてみること。
人を説得する原則5:相手が即座に「YES」と答える問題を選ぶ。

しゃべらせる

相手のことは相手が一番よく知っている。相手の言うことに意義をはさみたくなっても、我慢してはいけない。
人を説得する原則6:相手にしゃべらせる。

思いつかせる

人から押し付けられた意見より、自分で思いついた意見の方を人間は断然大事にするもの。暗示を与えて、結論を相手に出させる方が、利口。
ルーズヴェルトは、相手に相談をも持ちかけて、できるだけその意見を取り入れて、それが自分の発案だと相手に思わせて協力させる。
人を説得する原則7:相手に思いつかせる。

人の身になる

相手が間違っているかもしれないが、相手自身は、自分が間違っているとは決して思っていない。だから、相手を非難してもはじまらない。非難はバカでもできる。理解することに努めなければならない。賢明な人間は、相手を理解しようと務める。
相手の考え、行動には、理由がある。その理由を探せ。本当に相手の身になってみること。「もし自分が相手だったら、果たしてどう感じ、どう反応するだろうか」と自問自答する。腹を立てて時間を浪費するのが、バカバカしくなる。
J.S.ニーレンバーグ博士の「人とつきあう法」の中でこう述べている。「自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見をも尊重するところから、話し合いの道が開ける。まず、話し合いの目的、方向をはっきりさせて、相手の身になって話を進め、相手の意見を受け入れていけば、こちらの意見も相手は受け入れる。」
人を説得する原則8:人の身になる。

同情を寄せる

「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう。」これで口論を消滅させ、相手に善意をもたせて、大人しく話を聞いてもらおう。
人を説得する原則9:相手の考えや規模に対して同情を寄せる。

美しい心情に呼びかける

J.P.モルガンは「通常、人間の行為には2つの理由がある。1つは、いかにも美しく潤色された理由、もう1つは真実の理由である」と言った。
真実の理由は、他人がどうこう言わなくても本人はわかるはず。人間は誰でも理想主義者的な傾向を持ち、自分の行為は美しく潤色された理由をつけたがる。そこで、相手の考えを変えるには、この美しい理由をつけたがる気持ちに訴えかける。
相手の信用状態が不明な時は、その人を立派な紳士と見なし、そのつもりで取引を進めると間違いがない。人間は誰でも正直で、義務を果たしたいと思っている。人をごまかすような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人間として扱われてしまうと、なかなか不正なことはできないもの。
いわゆるリスペクトってものに近い。
人を説得する原則10:人の美しい心情に呼びかける。

演出を考える

事実に動きを添えて演出する。興行的な手法を用いる。
人を説得する原則11:演出を考える。

対抗意識を刺激する

仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべき。優位を占めたいという欲求、対抗意識負けじ魂、男の気迫に訴える。
成功者が皆ゲームが好き。自己表現の機会が与えられるからだ。存分に腕をふるって相手に打ち勝つ機会、これがいろいろな競争や競技を成立させる。優位を占めたい欲求、重要感を得たい願望、これを刺激する。
人を説得する原則12:演出を考える。

思ったより長くなったので続きはまた今度

のこりの「人を変える9原則」だけど、それはまた今度!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?