見出し画像

Ado / アタシは問題作 の話

初めてこの楽曲タイトルとアートワークを見たときは正直、「どうなんだろうこの曲・・・」となんとなく心理的に抵抗がありました。タイトルを見たら誰だってモヤモヤが心の中に浮かび上がってくると感じます。
アタシは問題作て。

2023.2.20リリース / 作詞 作曲 ピノキオピー / Mix Naoki Itai

ですが意を決し、聴きました。もう既に私はAdoのファンですからね。Adoがこの世に放つ全てを見て聴いて、その心で受け止める覚悟はありました。そしてしばらく聴いた後に出た答え。

一言で言うならば・・・怪作です

今現在の私の評価ではAdoが今までにリリースしてきた全ての楽曲の中でも両の指に入ります。凄い曲だった。Adoのプレイリストを作るなら絶対入れておきたい一曲です。聴くたびになかなか考えさせられる楽曲だと思います。それだけでなく、何度も聴きたいと思わせる中毒性がこの楽曲にはある。

Adoは2017年1月10日に某動画投稿サイトに歌ってみたを投稿するところから自身の活動がスタートしました。当時14歳だったAdoが、他人が作曲した楽曲に初めて自分の歌声を乗せてネット上に投稿する。これがどれだけ緊張することか、想像に難くないことです。
これまでのAdoが配信等で喋る姿をかなり拝見してきましたが、彼女は別段表立って目立つような行動を取るような性格ではない。むしろ控えめなタイプ、物静かな人間だったと考えられます。しかし小学生という幼い頃からVOCALOIDの文化に親しみ、歌い手活動に興味を持っていた。強い憧れから彼女は動き出したのでしょう。
その後Adoは地道に歌い手としての活動を続け、次第に商業的な活動をしている有名な作曲家の楽曲にてデジタル配信で楽曲をリリース。活動の幅が徐々に広がっていくと同時に知名度が上がりつつあるその時。レコード会社の方からTwitterのDMで連絡が来てメジャーデビューに至った

メジャーデビューするということはプロの歌手として生きるということ。多くのプレッシャーが彼女に降り掛かったことでしょう。いえ、今現在もプレッシャーと戦い続けているのかもしれない。

Adoは、歌っている姿はとてもカッコよく、カリスマの塊のように感じます。そうイメージさせるだけの素晴らしい歌唱能力を持っているし、私も聴いている間はそのような強いイメージで固められていました。
しかしながらこの「アタシは問題作」を聴いて考えが変わりました。
天才的な歌唱能力を持ってしてここまで走ってきたし、好きで歌ってきたけれど、脚光を浴びすぎて・・・ちょっと眩しいかな
そんな気持ちかもしれない。Adoだって普通の人なんだ。
そう考えさせられる楽曲でした。全て私の妄想かもしれませんがね。

MVについて

この楽曲はMVが恐ろしいほど良く出来ています
楽曲のイメージを映像として完璧な形として仕上げられているな、と。
全体的にGIFアニメーションのような画素落ちにあえて仕上げているのが特に素晴らしい。MVとは関係ありませんが、冒頭の「そうでもないよ…」があまりにも地声なので素の姿を投影しているのかな、という感覚が強まりました。
楽曲の終わりでサーセンって言った後爆発オチで笑いましたが。

さいごに

私も日陰者なので気持ちがわからなくもない。歌詞の中にいくつもの共感がありました。
日々自分へのプレッシャーと戦い続けるAdo。自分を奮い立たせ、ワンマンライブを何度も成功させてきました。自分自身が嫌いと言うAdo。その心境はAdo本人にしかわかりませんが、彼女の歌声によって日々救われている人がいるということを伝えられたらいいなって、思います。
いつかライブへ参加したい。

その日がいつか来ると信じて。
次の楽曲は「永遠のあくる日」になると思います。
ではまた。