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YOASOBI / あの夢をなぞって の話

衝撃のデビュー曲「夜に駆ける」を聞いたあと、当時リリースされていた全ての楽曲を私はポチりました。その中でも特に素直で、奇麗な歌だなと感じたのがこの2ndシングル。「あの夢をなぞって」。

2020.1.18リリース / 作詞 作曲 Ayase

曲の始まりは静寂を破るように少しリバーブを効かせたボーカルのみで楽曲がスタートし、止まっていた時の流れが再び動き出すかのように鮮やかなピアノが流れ出します。もうめっちゃ美しい
いしき蒼太の原作小説「夢の雫と星の花」を元として作られた本楽曲ですが、物語の美しさとイメージをそのまま、純粋なメロディと歌詞を形として完成されています。
サビに向かって石段を登るかのように徐々に盛り上がっていき、サビで一気に開放する感じ。夜空を飾る綺麗な花が目に浮かびます。最後のサビ前の「二つの未来が重なり合う」からの転調はもうズルでしょう。聞き手の心の中の煌めきが最高潮に達します。

夢の中でクラスメイトの少年に告白されることを知った少女とその少年の2人による、花火大会での恋物語を描いた作品なのですが、ただ楽曲を聴いただけではおそらく情報が足りないと思います。原作小説を読むことで歌詞への理解が深まり、より心に沁みる楽曲となっています。それでも、夢に起こった幼馴染からの告白という予知夢が現実になって欲しい胸の高鳴りと、いずれ訪れるその瞬間を恋い焦がれる切なさは十分に伝わってくるという、Ayaseの作曲センスが輝いていると感じます。
夢で見た景色と、現実の景色が重なることをタイトルで「あの夢をなぞって」と表現しているのは本当に凄い。なぞるって。日本語がうますぎません?

1st ONLINE LIVE

2021年2月14日、初めてYOASOBIがオンライン上の配信とはいえライブを行いました。その時の最初の楽曲がこの「あの夢をなぞって」でした。

私はこのライブ映像を初めて見た時、泣きました。
この曲のあまりの美しさに。背景で打ち上げられる花火に。
それと同時にYOASOBIってちゃんと実在するんだなって変な実感を感じていました。一部の人は「なんだ、夜に駆けるじゃないのか」と残念がったかもしれません。しかし、私は最初に演じられた楽曲がこの曲で良かったと心から思えました。1stシングルにも勝る魅力を持った楽曲だと自信を持って言えるでしょう。ていうか2曲めでこれは凄すぎる。

この楽曲を初めて聴いて、少しでも魅力を感じた方なら原作小説を読むべきでしょう。この楽曲がもっと好きになれると思います。
自分が参戦したライブで演じて欲しい楽曲のひとつですね。たぶんライブ会場でも泣いちゃうかも。

次の楽曲は「ハルジオン」です。ゆっくり書き進めていきます。
ではまた。