コーヒー淹れて待っててくれる
久しぶりに手紙を書きました。
伝えたいことがたくさんあって、3枚になりました。
3月で、大学時代にお世話になった恩師が退職します。
世間が自粛ムードになるまでは、卒業してからも先生を交えた何人かでご飯に行ったり、先生の研究室に話しに行ったりしていました。
最後に会ったのは、去年の1月かな。
私が、自分が運動音痴だと自覚したのは小学校入ってすぐくらいで。
走ると毎回クラスで一番遅い女子でした。
毎年ある体力テストが一番嫌いで、
二番は歌のテスト、
三番は運動会。
大学は、保育者の資格が取れる教育学部に入って、
大学生になってまでも、体力テストがあることに絶望しました。
先生は、大学の体育の担当で、
年の割に高身長で、背筋がよくて、白髪で、笑わずに冗談を言うから、入学してすぐは、みんな笑っていいのか分からなくて戸惑うような先生でした。
大学3年のゼミ決めで、先生の研究室に行ってみて、
俺のゼミは人気ないから毎年定員オーバーしないよ~
と、コーヒーを淹れながら特に研究の話をするでもなく、
あからさまに歓迎するでもなく、
ゆる~~い時間が流れる先生の研究室。
教育学部に入ったのに、一般企業の就職を希望していた私は、
9割が保育者への道を目指す周囲の同級生の中、
どこそこのあの先生のゼミに入れば就職が有利になるとか、あの先生に気に入られればとかっていうのがあったのかなかったのか分からないけれど、
ゼミ選びで、希望の先生に選ばれようと、期間中に何度も同じ研究室に足を運んで、自分をアピールする雰囲気に馴染めませんでした。
体育担当の先生の研究分野は、もちろん運動だったけれど、
ゆる~~い雰囲気にシンパシーを感じて、先生のゼミを希望しました。
先生が言っていたように定員オーバーすることなく、
先生のゼミを第一希望とした生徒だけでメンバーが決まりました。
先生は、研究室に行くと必ずコーヒーがすぐ飲めるように淹れててくれました。
先生は、私たちの相談事を聞いていないように聞いてくれている先生で、
多くは語らず、
でもみんな、先生の言葉に救われていました。
お酒は飲めないけれど、私たちと居酒屋に行くのが好きで、
いつのまにか私たちとの写真をパソコンの壁紙にしてくれていて。
就職のときも、社会人になっても、家庭を持っても、
なにかもやもやすることがあると、先生の研究室に行って
先生に話を聞いていないように聞いてもらっていました。
旦那さんが休職したとき、
先生に話を聞いてもらった別れ際、
目も合わせずに手を振って、
明るくね~
とゆる~~く言葉をかけてくれた先生。
今もその言葉に救われています。
奥さんのこと、家族、孫のことが大好きな先生、
はやく退職してゆっくりしたいよ~
と何年も前から話していました。
定年まで、まだまだ若僧の私じゃ想像できないくらいに長~いお勤めご苦労様でした。定年退職おめでとうございます。
また先生とお話ができるその日まで、お互い身体に気をつけて!
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