君がいない夏
どこかにありそうなタイトルだな
頭に浮かんだありきたり
「行ってきます」呟いた先の扉を開けた
鼻の奥で感じる湿った匂い
微かに夏の足音が近づいている
「午後から雨だったな」
小さな傘を鞄に忍ばせた
毎年同じ匂い、足音
1つ違うのは
(今日も暑いね~)
そう言ってくれる君がいない
いつも眠そうだけど、どこか落ち着く声が
黒い日傘から白い歯を覗かせ笑う君がいない
「1人でも夏はくるんだな」
まるで嘘のような本当の季節「君がいない夏」
最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキしてくださるととても嬉しいです。 してくださらなくても、目を通してくれてありがとうございます。