見出し画像

オホーツク海に浮かぶ夏の日

※こちらの記事は2021年7月30日のブログから移行したものです。

こんにちは!スタッフの平野です。

7月中旬頃から知床では最高気温が30℃を超える日が続いており、暑さが苦手な私はとにかくぐったりとしながら過ごしています(先日は36℃超えでした…)。
最近知床へお越しいただいた方で、特に道外から来られた方は「北海道なのにこんなに暑いなんて!」と驚いている方もいらっしゃるかもしれませんね。
お越しになる際にはこまめに天気予報のチェックをしていただくのがおすすめです。


さて、私は先日、夏ならではのアクティビティを体験したい!と思い立ち、以前から興味のあったSUPに挑戦してきました。

ご存知の方も多いかと思いますが、SUPとは「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略。その名の通り、浮力のある専用のボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進むというウォータースポーツです。

なんとこのSUPを、知床の海で体験することができるのです!

画像1

私の中でSUPは「湖の上で楽しむもの」というイメージがあったのですが、海でもできるんだ!と驚きました。
SUPのために必要な道具は何も持っておらず、もちろんまったくの初心者ということもあり、今回は知床アルパさんで予約をし、道具のレンタル&ガイドをお願いしました。

当日はウトロのバスターミナルに集合。

画像2

(ちょうど羅臼行きのバスが停まっていました。ラウス。いい雰囲気です。)

7月とはいえ北海道の海はとても冷たいので、用意していただいたドライスーツを着用します。
手首や足首から水が入り込まないような設計となっているので安心ですね。これで海にどぼんと落ちても体が冷える心配がありません。…ただ、手足にぴったりとフィットするようになっているため、着脱はなかなか大変です。

画像3

普段着ることのないものなので、これだけでなんだかわくわくしてきます…!

スーツを着用したら、ガイドさんがそのときの海の状況に合わせて安全に楽しめるポイントまで連れて行ってくださいます。
漁のシーズンなどもあるので、いつでもどこでもできるというわけではないのです。

到着後は必要な道具を車から降ろし、ライフジャケットを着用。ボードの持ち方や、パドルの持ち方・扱い方などのレクチャーを受けます。

画像4

画像5

(一人でも持つことはできますが、風にあおられやすいので全身の力を使います)


「じゃあ、海に入ってみましょう!」

どきどきしながらボードを海に浮かべ、自分も水の中へ進んでいき、次は浅いところでボードへの乗り方を教えてもらいます。

いきなり立つことはできないので、まずはボードの後方からハイハイをするように乗り、中心まで進みます。SUP用のボードはとても安定性があるので、きちんと中心にいれば滅多なことではひっくり返らないそう。最初に乗るときはとても緊張しますが、勢いをつけて一気に中心まで進むのがうまく乗るコツです。
運動が苦手な私でも、一発で成功しました!

そこからすぐに立つ…といきたいところですが、立つ場合はある程度水深があった方がバランスを崩したときも安心なので(浅いところで落ちると岩などに当たりとても危険)、ハイハイの姿勢からの流れで膝立ちのスタイルへ。そのままパドルを水へ入れ、ゆっくりと漕ぎ始めます。

画像6

(一緒に参加した夫は私より先に乗りこなしていました…)


この日は風速3mほど。
普段地上で生活しているときは風速3mというと「心地よい風が吹いているなあ~」と感じる程度なのですが、海の上では感じ方ががらりと変わります。ちょっとの風であっという間にボードが押され、パドルを漕ぐ手に力が入ります。

水面をゆっくり掻くように、左、右、左、右…とつぶやきながら漕ごうとするものの、風に押されるとどうしても慌ててしまって変に力んでしまい、行きたい方向と逆の動きをしてしまったり…と、わたわたする私に、ガイドさんが「右~、左~、しっかり水面を掻くのをイメージして!いいよ~上手上手!」と声をかけて誘導してくれます。

力まずにうまく漕ぐことができると、ボードが安定し、一掻きですい~っと進むことができてとても気持ち良いです。
そして、安定しているかなというタイミングで、スタンドアップにも挑戦!

画像7

画像8

画像9

写真ではまったく伝わりませんが、立っている間は下半身がかなりぶるぶると震えていました…。立ちながら少しパドルを漕いでみたのですが、より一層太ももや腹筋に力が入ります。間違いなくバランス力や体幹が鍛えられます。

なんとか転落することなく立ってポーズをきめることができました…!

画像10

画像11

この頃には風だけでなく白波も立ってきてしまったため、岸へ戻ることに。
岸にあがると、地面にしっかり足をついているのがなんだか変な、ふわふわしているような感覚になりました。普段は眺めているだけのオホーツク海に自分が浮かんだというのが、とても特別なことのように感じます。

水の上で心地よさを感じられただけでなく、風が強かったおかげで海の広大さと波の力強さを身をもって実感できたのもとてもよかったと思っています。

そして何より、普段は散歩するのが好きというくらいでまったく運動しない私でも海を楽しむことができたというのが最も嬉しいポイントでした。
(翌日は太ももの筋肉痛がすごかったですが…)

風や波の状況によってオホーツク海の様々な顔を知ることができるSUP。
私の中で、夏の定番アクティビティになりそうです。

画像12

(知床のアクティビティの際はぜひ知床トコさんグッズもご一緒に。)


知床アルパさんでは今期のSUPの予約受付は終了してしまっているのですが、冬の流氷シーズンには「流氷SUP」「流氷カヤック」のプランも用意してくださっています!私もぜひまた参加してみたいなと思っています。

暑い日が続いているので、冬の冷たい海が待ち遠しくて仕方ありません。
冬のアクティビティに挑戦するのが今からとても楽しみです!

画像13

この海が知床へ豊かさを運び、自然の営みが循環しているんだなあ…。