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レシピに書ききれない海苔巻のコツ

海苔巻き(太巻き)を作ったことのある人ならわかると思いますが、海苔巻きは具材から真面目に作るとかなり大変です。

海苔巻のレシピってすめし、具材、調理方法の要素が沢山ありすぎて、実は作る時のちょっとしたポイントが書ききれてないことが多いです。(動画で見せると簡単なんだけど文章で伝えるのって大変)
今回は海苔巻きを作る方、海苔巻きをもっと上手に作りたいと思う方へ、私なりのコツをご紹介します。(海苔巻きのレシピはありません。コツのお話です)

1.すし酢の配合は「3・2・1」で覚えて

すし酢を自作する場合、基本的な配合は米2合につき、酢大さじ3、さとう大さじ2、塩小さじ1です。(塩は大さじではなく小さじ1です。気をつけて)
この配合をベースにそれぞれを増やしたり減らしたりお好みで調整してください。ただし、砂糖を全く入れなかったり減らしすぎたりすると4時間程経過した時点でびっくりするくらいすめしが固くなります。さとうを入れるのは甘さだけでなく保湿効果も担っております。さとう減らしすぎは注意して下さい。
使用するお砂糖ですが、きび砂糖などの茶色い砂糖だと酢めしや具材の色が濁るので私はお寿司の時は白砂糖にしてます。
お酢に関してはお好みのもので。私はミツカンの白菊という酒粕酢を使っています。スッキリと軽やかなすめしになります。

2.すめしは炊きたてのごはんを使う

すめしの作り方
1,熱々のごはんを飯台に入れ、すし酢をまわしかけて切るように混ぜる。
2,仰ぐ。まぜると仰ぐを交互に3回ほど繰り返し、米粒にツヤがでたらOK。
3,濡れ布巾(さらし、手ぬぐい)をかけて、人肌まで冷ます。

すめしに使うごはんは炊きたて熱々のものを使用してください。
熱々のごはんはすし酢のなじみがよく混ぜやすく、ごはんの熱さで水分が蒸発しやすいのでべちゃっとなりずらいです。

すめし用のごはんの炊き方。
よく「水分減らしますか?」と質問がきますが、私は普段と同じ水分量で炊いてます。すし酢をあとで含ませる分、水分を減らして炊くというのが定説で、実際に炊飯器には白米より少し少なめの水分量のすめしの線があります。でも、わたしは水分を減らして炊くと炊き上がりが固く(芯が残ったりする場合も)、すし酢を含ませたとしても時間がたつとごはんが固くなる感じがしてます。すし酢と合わせたとき、少しべちゃっとしても、時間とともに落ち着いて美味しいすめしになります。
ただ、時間がたってもべちゃっとしているようであれば次回から水分を減らして炊いて下さい。 昆布を入れるのもお好みで。(私は入れてません)

ちなみに、お米は古米でOK。新米より古米の方がすし酢の吸収がよく、扱いやすいです。新米がでる直前の夏にお寿司を食べるのは腐敗を防ぐというのもありますが、古米を美味しく食べると言う意味でもとても理にかなっているなぁと思います。

オススメの品種はササニシキ(最近あまり見かけなくなってますが)。軽やかでさっぱりとしていて、お寿司には最高です。粘りの強いリッチなタイプのお米は重たくて混ぜにくく、混ぜるとすぐ粘りがでるので酢めしにはむきません。実際に混ぜ比べるとあまりの違いに驚きますよ。(比べる人いないかもしれないけど)

すめしの分量は大体海苔1枚につき150~300gくらい。
かなり量に幅ありますが、こちらお好みで。
ただ、恵方巻きのように具材が多いものですと300gは巻ききれない、海苔が切れてしまう可能性があります。2合で3本巻くくらいを目安に。
ちなみに写真の太巻きはすめし300gで巻いてます。ご参考まで。

3. 混ぜると仰ぐは交互でOK

酢めしを混ぜるとき、仰ぎ手と混ぜ手の二人がかりで一緒に作業する必要はないです。扇風機も必要ありません。一人でできます。
仰ぎながらすめしを混ぜると、ごはんの表面温度が急激に下がって、すし酢の吸収が悪くなります。混ぜる→仰ぐは交互に行って下さい。
すめしは切るように手早く混ぜて。何回も混ぜると粘りがでてきて美味しさが半減します。
また、濡れ布巾をかけて冷ますときに、すめしを冷ましすぎると海苔の上に広げるときに扱いづらくなるので気をつけて。

4.飯台は無いよりあったほうがいいです

酢めしはやはり飯台を使った方が余分な水分もとれ、素早く、美味しくできます。
最近、飯台を持ってない方が多いので、ボウルで混ぜるレシピ多くなってますが、仕上がり、全然違います。残念ながら。

ボウルを使うなら混ぜるのは1~2合の少量ならなんとか大丈夫かな。
飯台は必ず使用前に水を十分吸わせて、みずけを拭き取ってから使用して下さい。
乾いた飯台を使うと水分が飯台に全部もってかれて、すめしがカピカピになります。

ちなみに、飯台の選び方ですが、おしゃれ(高級)なものは基本的に深さが低い(浅い)ものが多いです。これは飯台のまま器としてテーブルに出すことを前提にしているからだと思いますが、この飯台で勢いよく混ぜるとすめしが飛びます。美味しい酢飯を作るという観点だけで見ると、深い方が断然混ぜやすいです。おしゃれと実用性、どちらを選ぶかはご判断はお任せします。

5.巻きすの裏表に注意。竹皮の方を上にして。

巻きすの使い方、諸説あるようですが、私は竹の表側(つるつるした平らな方)を上に、ひもを奥にして巻いてます。
表面がボコボコせず、綺麗に巻き上がります。

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使うとき巻きすをぬらすと海苔がとけますので必ず乾いた巻きすを使って下さい。
また、海苔は裏表あります。つるつるした方(表)を下にして巻いて下さい。

6.酢めしをきれいにひろげると上手に巻けます。

海苔の上にすめしを広げるときはきれいに丁寧に広げてください。
料理教室で生徒さんをみてるとこれが一番難しいようです。
焦らず丁寧に広げて下さい。きれいにすめしを広げると巻きやすく、仕上がりも美しくなります。
広げるときは手前に少し山をつくって、脇は1cm、奥は2cmほどあけるといいです。
(海苔いっぱいにすめしを広げて巻くとすめしが確実にはみ出ます。奥2cmあけるのはのりしろでです)

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すめしを広げるときは水に酢をいれたものを手につけて広げてください。
エンボスの使い捨て手袋があるとすめしが手につかず、広げるのが劇的に楽になります。何本も巻くときはあると便利です。(おむすびにも使えますよ)
具材は固いものや固形物を手前から置いていくと芯になって巻きやすいです。

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7.海苔巻きを切るときは包丁を布巾で濡らして真ん中から切る。包丁は一回一回きれいに拭いて

海苔巻は端から切らず、まず真ん中から切ります。そしてまたその真ん中を二等分、それを二等分というように切り分けていくと美しく切れます。

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そして、かならず一回一回、濡れ布巾で綺麗に包丁をふいて切り分けてください。包丁は、万能包丁のように刃が大きいものではなく、お刺身包丁のほうに刃の幅が小さく刃渡りが長いものを滑らせて切ると綺麗に切れます。

8.海苔巻は巻けば巻くほど上手くなる

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はじめからうまく海苔巻きを巻けるひとはほとんどいません。(私もそうでした)
具材の準備も面倒ですが、既製品を上手に使えば、結構簡単にできちゃったりするのも太巻きのいいところ。お刺身や既製品の卵焼きなどを買ってきて、並べて巻けばできあがります。
はじめはうまくいかなくても、怖がらず、失敗しても気にせず、気楽に巻いていくとどんどん上達します。別にすめしじゃなくてもおむすびを海苔巻きにして食べてみてもいいんだし。

上達の近道は「巻いて巻いて巻きまくること」です。

ぜひ、楽しく巻いてみて下さい。

参考図書&WEB

巻きすを使わない1/2サイズの海苔巻

「栄養と料理2019年2月号」で「恵方巻きから飾り巻きまで大集合! のり巻き! ザ・ワールド」という特集を担当しました。
太巻き、中巻き、細巻き、飾り巻き寿司まで、かなり充実の内容です。気になる方はバックナンバーをご覧下さい。

最近、巻きすを持たない方が増えてきているので、巻きすを使わないレシピを紹介する機会が増えてます。以前、まきすを使わない太巻きを紹介したことあります。こちら、ほんとに簡単にできるのでおすすめです。
料理教室でデモをするとあまりの簡単さに拍手をいただくくらい。

友人のand recipeのダーダ(山田英季)氏が、なんだかとても美味しそうなキンパのレシピを公開しております。海苔巻き皆兄弟^ ^
ぜひ作ってみてください。


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