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X-AIDER-クロスエイダー-

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第6回青い鳥文庫小説賞で一次落ちした作品です。  [あらすじ] 高山ナオトは普通の小学生。ある日、彼は引っ越し先で車に轢かれそうになった野良猫を助ける。そして次の日の朝、なぜか…
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2022年12月の記事一覧

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (10)

 四月の下旬。東京よりも北にある湯の花市にもようやく桜の便りが届き、公園や、民家の庭先な…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 放課後。ぼくは、ヒロキくんたちと帰っていた。昼休み以来、ぼくは、彼らと完全に打ち解けて…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 数分後。ぼくは教室にいた。横に立っている若い女の先生が、黒板にぼくの名前を書く。 「今…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (8)

 湯の花市に引っ越してきて二週間。暦は早くも四月になっていた。そんなピカピカ日和の朝、ぼ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (7)

「お、終わった」  へなへなと座りこんでいるぼくの前では、チャロがおばさんに駆け寄ってい…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (6)

 インベーダーは、低くうなりながら、ぼくにどすどすと近づいた。 「ここは通さない!」  ぼ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (5)

 チャロがいるところには、少しも時間がかからなかった。50メートル先に来たところでチャロは、リードとつながっている首輪をかみちぎった。その反動で、おばさんは、チャロのいるところから二メートル先のところまで吹き飛ばされた。 「おばさん、大丈夫?」  おばさんは、上半身を起こした。 「あらまあ、ありがとねえ」  ぼくは、チャロを見る。チャロは道路の真ん中で、からだを震わせていた。 「ウ……ウゥゥ……」  チャロは、どこか悲痛な叫びにも似た鳴き声をあげていた。 「チャロ?」  飼い

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (4)

「じょ……情報知性体?」  聞き慣れない言葉ばかりで、めまいがしてくる。 「君たち地球人に…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (3)

 その日の夜。テーブルの上には美味しそうなオムライスが置いてある。それを前に、ぼくは先程…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (2)

 ぼくたち一家が新しい我が家に到着したのは、お昼過ぎのことだった。中心部から離れたところ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (1)

 これは、たぶんぼくだけが知っている戦いの物語。そしてこの地球上でぼくしか知らない大切な…