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BLITZ SCALING(ブリッツスケーリング)

著者:Reid Hoffman(リード・ホフマン氏)、Chris Yeh(クリス・イェ氏)

(リード・ホフマン氏)起業家。投資家。1998年にペイパルの創業に加わり、取締役、常勤副会長を務め、2003年にはリンクトインの共同創業者となった。エンジェル投資家としてフェイスブック、ジンガに投資しており、エアビーアンドビーやマイクロソフトなど数々の取締役を務め、複数の非営利団体の理事の顔も持つ。

(クリス・イェ氏)起業家で、著作家。スタンフォード大学でプロダクト・デザインとクリエイティブ・ライティングの学士号、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得し、ベイカー・スカラー(成績優秀者のタイトル)となっている。

本書は、著者であるリード・ホフマン氏主催のスタンフォード大学ブリッツスケーリング講義から生まれている。「ブリッツスケーリング」とは、「ブリッツ」というドイツ語の雷を意味する言葉が転じ、全力を傾ける突然の努力との意味と、英語で規模という意味を持つ「スケール」が組み合わさった言葉である。本書では、企業が信じられない速度でスケールアップする為の一般的なフレームワークと特定の手法の両方を指す、と定義されている。著者がペイパルやリンクトインの創業に携わっていた為、経験談を用いながらブリッツスケーリングの説明や戦略、イノベーションについて惜しみなく述べられている。中盤では、実際にブリッツスケーリングを経験した企業であるグーグルやフェイスブック、アマゾンの実例について市場規模や粗利益、ネットワーク効果を分析しながら説明する。この一冊を読めば、ブリッツスケーリングのメリット・デメリットを知ることが出来、スタートアップ企業だけではなく、大企業にも通用する武器を持つことが出来る。既存の考えや常識に捕らわれない、壮大なブリッツスケーリングという思考法、これからの時代に生きていくために持っていた方が良いかもしれない。

ここからは私の感想。

スタートアップで成功した人の経験談や分析であるので、説得力がある一方、少し雲の上の話である印象。急成長する業界では、勝者総取りの構図が出来上がっているのも分かる、スピードが大切なのも分かる、だが、一位にならなければ退場。厳しすぎる。考え方は参考になる部分が多いが、実現するのは、過去で読んだ中で一番難しいと思う。その為、他の面に重きを置いて考えると、データの重要性であったり、カルチャー(ここでは物事を皆で実行する方法との意味)の重要性はどの業界にも通じるものだと思う。筆者はスタートアップのことを「海賊」と表している。そして、海賊の中でも、荒くれ者ではなく、既存のルールを打ち破る無法者だが、道徳のある海賊であるべきと唱えている。非常にこれにはしっくりと来た。道徳の基準も「ルールを破るのがみんなの為なのか、自分が逃げる為なのか」という問いも分かりやすい。そして、海賊が大きくなると今度は海軍に入るという例えも言い得て妙だと感じた。海賊を目指す人にとっては、海軍に入ることはしっくりこないのかなと自身にも当てはめてしまった。本書から学べることは「ハック思考」でも出てきたが「常識を疑うこと」、「Learn or Die」でも出てきた「学び続けること」の二つが特に大事だと思う。あとは行動。日々の努力を続けよう。

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