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自転車のイベントに参加しました

11月の連休の初日。
台風の影響で一日中、冷たい雨が降っていた。
それが、次の日、起きてみたら。
ものすごい青空。
昨日、夫が真剣な顔で天気予報とにらめっこしていたのを思い出す。
「大丈夫だって。私、晴れ女だし」
と、夫に言っていたけれど、本人が一番びっくりした。
(「晴れ女」なのは事実です。)

どうしてそんなに天気が気になるのか。

自転車のイベントに参加するから。

タイムトライアルも順位もつかない、
いわゆる、ファンライド、というやつである。
決められた距離を決められた時間内に楽しんで行って帰ってくる、
という自転車のイベント。
ロング、ミドル、ショートコースと距離ごとにグループ分けされ、
もちろん、私はショートコースだが、
それでも30㎞超を走らなければならない。
子供でも帰ってこられる距離だから大丈夫だよ、という夫にほだされて、つい参加申し込みをしてしまった・・・
出るからには、行って帰ってこなければならない。
しかし、今まで自転車に乗った回数、3回。
車道を走った経験もイコールの「ド」初心者である。
一抹の不安を抱えながらも会場で受付をする。
夫のお友達と待ち合わせをしていたので合流する。

日差しは暖かいが、海べりの埋めたい風に吹かれながら
スタートの時間を待つ。
夫のお友達の一人がミドルコースに参加するため、
ショートコースのスタート時間より早い時間に集まったからだ。
車に戻って横になりたい気持ちを抑えながら
待つこと2時間。
ようやくスタートの時間を迎え、
スタートラインに参加者が集合してきた。
それにしても、いろいろな自転車があるものだ。
ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイク、折り畳み・・・
それを見ているだけでも楽しい。
夫とお友達は自転車のパーツについて、
私からすれば呪文のような話を楽しそうにしている。
スタートのピストルが鳴り、みんな一斉に走り出す。
お見送りの人たちから拍手をしてもらったり、
いってらっしゃいと声をかけてもらう。

そうなのだ。
走り始めてしまったからには、戻ってくるしかない。

交通量が多い幹線道路を通り抜ける。
道路封鎖はしないからだ。
できるだけ幹線道路を迂回するようだが、
そうすると、自然と山岳コースが多くなる。
走り始めて10㎞にもならないうちから急激な上り坂が登場した。
ギアを一番軽くして、登り切ろうかとも思ったが、
潔く自転車を降りて押すことにした。
小学生らしい女の子も必死にペダルをこいでいるが、
その後ろが詰まって大変そうだったからだ。
登り切った後は今度は急な下り坂になる。
昨夜降った雨と落ち葉で道路が滑りやすいので、
慎重に行きたいところだが、
下手にブレーキをかけると滑って転倒しそうだ。
ぐんぐん加速する自転車。
ふとメーターを見たら時速40㎞/hを超えていて、
その後は怖いので見るのをやめた。
坂を下りきって周りを見渡すと、
上り坂で列がちぎれ、先頭がどこにいるのかわからなくなっていた。
とりあえずは進み続けるしかなく、
カーブで先導が見えた時の安心感と言ったら。

その後は主に心労でヘロヘロになりながらも、
お昼休憩を取る予定の最初のエイドへたどり着く。
そこは、市営の競輪場だった。
初めて足を踏み入れる競輪場はとても開放的できれいだった。
高校生の「けいりん甲子園」なるものを開催していて、しばし見入る。
高校生のレースもすごいが、
皆さん、乗っている自転車からウエアから、すごくお金がかかっている。
すっかり親世代となったワタクシ。
親は大変だろうなあ、と思わずつぶやき、
自分のレースを走り終わったであろう、高校生にちらりと睨まれる始末。

その後も長い上り坂やら交通量の多い道路沿いのコースを経て、
(今年のコースはやたらと上り坂が多いんである(夫談)。)
川沿いの車どおりが少ない道へ入る。
ようやくほっとして、周りの景色を見る余裕が出てきた。
夕日にきらきらと揺れるススキや、水面を泳ぐ鴨。
ただし、体力はもう限界で、自転車を降りてしまうと
脚が上がらず、歩くのも力が入らない。
30㎞、とてもつらいんですけど。
お天気が良くて風も穏やかで本当に良かった。
そうじゃなかったら初心者コースなのに脱落するところだった。
朝出発して、ゴールにたどり着いたのは午後3時過ぎ。
結構長丁場だった。
ゴールにたどり着いた瞬間、
すごくうれしくて、カメラマンに満面の笑みで手を振ってしまった。
(これが、ハイってやつなのかもしれない。)
ようやく家に着いた私は、体力という体力をすっかり使い果たし、
持病の頭痛が出て、夫の実家での慰労会に参加できなかったとさ。






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