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L’avant et l’apres le confinement

2020年4月7日に緊急事態宣言が発表されて、5月25日に解除されるまで、
というか、件のウイルスが拡がる前から、
個人的に未来に対して「そこはかとない不安」というものがありました。(今もある。)
悲観でなく、むしろ楽観しているけれど、つきまとう「不安」。

実は旅に出ようとしていました。
これからどうする?っていうトンネルの先に少し光がみえて
動いていみよう、出かけてみようと思った直前に、
地球のあちこちの国が閉鎖されて、それは私が行こうとしていた国も例外なく、
搭乗日の1週間前に入国ができない状況となりました。
(航空券はキャンセルできたけれど、いまだ払戻金は受け取っていない)

あきらめていたけれど、やることにした展示会
遠い場所から帰ってきたら、5月に展示会を開催しようと
お知らせのDMもデザイナーさんに作っていただき、納品されて、
4月1日に告知をしてから1週間も経たないうちの「宣言」でした。
(作ってくださったデザイナーさんには申し訳ないです。。。)

ギャラリー側はこの4月7日後の時点で、1ヶ月前のキャンセルの場合、
「本来全額ですが、50%のキャンセル料にします。」と言っていて、
そもそも営業自粛を決めていて、私が希望した日も休業するかもなのに、
キャンセル料の請求というのもおかしくないか?と

とにかく、開催できるという期待がなくなったので、
宣言後にすぐに、5月の開催を6月に日程を変更しました。

停滞したら、選びたくなる簡単な行動がある
この状況は自分のせいではないけれど、
家にいてネットを見ていても、当然ながら同じような話題ばかりで、
幸いなことに、拙宅はテレビがないことを吉として、
周りの空気に潰されて塞ぎそうになることから、逃げるようにしていました。

とはいえネットを見ていると、ポジティブなメッセージでもネガティブな情報でももしくは「おうちでできる〇〇」という動画や企画でも
そのうち自分の中身が、それで飽和していることにうんざりしてしまい、
時には情報とも「距離を取る」って大事なことだなと思います。

緊急事態宣言で、自分の意気が途切れてしまい、
4月から6月まで、展示会に対しての作業は、一切やりませんでした。

それでも宣言が解除されてから、7月中までなら日程変更は可能で、
キャンセルをすると結局、キャンセルの料金が派生してしまいます。
それで7月に日程を変更して、展示会を開催することにしました。

6月になって「え?今更やるの?」っていう気持ちが先に来たのは現実で、
でも「こうなったらやるしかないし、やり切ろう」と。

今、思うと、4月はどんな行動をしていても、どこかたるんでいました。
今まで決められた日を目処に計画して手を動かしていたし、
その計画に頭を使っていたし、勉強や練習に励んでいたのが性分だったので、
それらがなくなってしまったら、湿気たマッチのようになるし、
自分をこれまで以上に、あまやかしたくなるってものです。

とはいえ停滞しているから、意識したこと
あまやかすばかりでも、自分が楽にならないから、
(そもそも自分が楽になりたいから、この文章も書いている)
この状況の低空飛行も「チャンスのひとつ」と、どこかで目にしたから、
4つのことを意識することにしました。(自分のノートにもメモした。)

新しい物事を受け入れる。
自分の軸を探す、保つ。
気持ちに余裕を持つ。
心をととのえる力を試してみる。

そうは言っても、やっぱり手は動かせた
展示会のための作業は、全くしないで諦めていたけれど、
今から思うと「世の中の流れ」にやや乗せられて、マスクを作っていました。
最初は自分の為だったけれど、そのうち状況見舞で家族や友達に送っていました。販売を勧めてくれたことや、購入を希望する人もあり、販売もしてみました。

でも今思うと、作った布マスクを販売することに、
自分が心から、わくわくしなかったのです。
誰かにやらされている感覚で、やっていることではないけど、
布マスクを買っていただいた人に、合うものでなかったらどうしようか?と。
予め30人に「提供」をしても、その思いは消えませんでした。

それで買っていただく方には、真剣に考えてもらおうと、
わざと価格を他の類似商品に比べて、あえて高く設定しました。
買ってくださった方に合わない場合、販売価格よりやや安価にて、
その人に合わせて作り直すことも提案しました。

そして、ある一人の方が自分に合わせたマスクをご希望されて、
ご家族に採寸していただき、時にオンラインで着用確認して、
2回作り直して、納品することができました。
その時に思ったことは、「一人のために作る仕事をしてもいい」ということです。

そういえば、ドレスに合わせた生地で作ったマスクも
実はもっと作りたかったのですが、
今までためていた余った端切れは全て2月の時点で、
ミニバッグを作ることで在庫消化してしまい、
マスクを作る数も限られてしまっていました。

そのミニバッグは、展示会のノベルティとする予定です。
マスクの方が欲しいという人も、いるかもしれませんが。。。

これからの服を作るしくみと流れ
このウイルスが蔓延する前から存在していた、アパレル業界の事実の一つに、
服を作ることは現代の感覚では、時間とコストの無駄が多いことです。
だから服を作らずに、服を販売する流れが、これからは増えようとしています。
テクノロジーを使って、そのことを可能にしようとしています。

でも、テクノロジーも諸刃の剣という面が、今の時点ではあって、
サンプルを作る代わりに、リアリティあるイメージ画像で、
生産前の作業や工程を無くそうとしています。
サンプルを作らないことで、服の仕上がりや着心地が、
突き詰めきれずに鈍化する部分があるんではないかなと、私は思います。
そのことを気にする人は、いわゆるニッチな存在となるかもしれません。

それで、決めました。
今後は販売を目的として素材をストックすることもサンプルを作ることも、
徐々に減らして最終的になくすことを目標にします。

ただ、これまでどおり、個人のご注文には随時対応いたします。
生地も、ご依頼の際に選んでいただこうと思っています。

だから、サンプルを販売するという形態の私個人の展示会は、
おそらく今回以降、縮小していくと思います。
いろんな服を用意して、来てくださることを待つ自分と、
その1着を求めている人との協業で作る自分だったら、後者の方を選びたい。
たくさん服を作って、提供するヒットメーカーのような人ではなく、
「私のために一緒に服を作る人」だと、言われるようでありたい。

まだ、あと10年くらいは、自分だけのための1着を求める人が
存在している世の中であることに、期待することにしました。

そのことが
自分がなりたい姿を描くこと。
心からわくわくできる目標を目指すこと。
まだ曖昧な表現ですが、この2ヶ月の間に考えて、たどり着いた私の願いです。

長くなったので、この願いにたどり着くまでに、
私が何をしていたかは、また次の機会に書くことにします。
旅行の続きも、書かなければ。。。

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